突然ですが、あなたは喫煙家?
最近の禁煙ブームといったらいよいよ勢いを増していて、喫煙家にとっては日本も住みにくい場所になってきた。なんだか国をあげてタバコを悪者扱いしているようで、肩身の狭い思いで一服しているひとも多いのではないだろうか?影に隠れてコソコソしちゃったりして・・・まるで高校生みたい?
じつは医学界でもよりいっそうの禁煙化を推進しようと目下計画中。でも、ご安心を。わたしはこのコラムでタバコの害を切々と説いたりする気はない。なぜなら、筆者自身が楽しい愛煙家なのだから。(医者のくせに・・・)
タバコに含まれるタールが肺ガンのもとになり、ニコチンが心筋梗塞などの原因だということはすでにあまりにも有名、誰でも知っていることだろう。それでも吸うのをやめないひとがいるのは、やはりそれだけの良い所があるからとしか言いようがない。タバコには脳内物質アセチルコリンに良く似た成分が含まれている。これは神経細胞の間を飛び回り各種信号を送るもので、簡単に言えばこれにより脳のスイッチが入る。つまり脳の働きがアップするのである。だからタバコを吸うと“目が醒める”とか“頭がはっきりする”という声が聞かれるというわけだ。そうなればクリエイターに愛煙家が多いのもうなずける。
しかし、ただ健康を害するだけなら「アタシの勝手でしょ」と突っぱねればすむのだけれど、ことが環境問題にまで発展するとそうもいかない。タバコの煙がダイオキシンやオゾン層破壊につながると言われてしまうと、やはり心苦しい。
そんな折、タバコにまつわるちょっと良い話があったので是非みなさんに聞いてもらいたくて今日はペンを執った。
とある昼下がり、わたしは自宅近くのカフェでひとり原稿の構成を思索していた。自室にこもりっきりになることの多い執筆の仕事なので、気分転換には場所を変えるのが一番!とこのように時々カフェに出向く。同時に必要なのがタバコである。先ほども言ったように、ものを考えるにはタバコが効く。さあ、一服。火をつけようかとした矢先、わたしはその日にかぎってライターを忘れたことに気がついた。あら、困った・・・。そう思い、あたりを見回すと女性がひとり座ってタバコを吸う姿が目に入った。年の頃は三十代後半、キャリアウーマンといった感じ。わたしは思い切って彼女に声をかけた。
「あの、火をかしていただけませんか?」突然の無礼なお願いにも関わらず、その女性は快く自分のライターを差し出してくれた。これぞ愛煙家同士ならではの交流。
おまけに彼女、カフェを出る時にわざわざわたしの席へやって来て
「よろしければ、これどうぞ」とそのライターをゆずってくれたのである。
たかだか100円ライターとはおっしゃるなかれ。自分を守ることばっかりの現代人、100円たりとてタダでくれるひとなんかそうそういるものでない。
すごく小さなことだけれど、タバコのおかげでひとの優しさに触れることができた。そんな出来事だった。 |
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