先日、某テレビ局で仕事仲間とお昼ご飯の楽屋弁当を食べた時のこと。清潔好きのわたし(?)は、食後まもなく歯を磨くのが習慣となっているものだから、その日も愛用のマイ歯ブラシを取り出して、せっせとブラッシングを始めた。楽屋のテレビを何とはなしに眺めながらゴシゴシ、ゴシゴシ・・・。気がつくと、
「えぇ〜!おおたわさん、そんなに長い時間磨くんですか〜?」
仲間の女性スタッフが思わず驚きの声をあげていた。
そう、わたしは歯磨きにかける時間がとても長いのだ。短くても5分、長ければ10分でも15分でもただひたすら磨き続ける。前歯から奥歯、表裏と歯の間、そして歯と歯茎の境目など、やり始めたらちょっとやそっとでは終わらない。
しかし世の中一般は、どうやら歯磨きにそこまで手間ヒマをかけるものじゃないらしい。クチュクチュ、ガラガラ、ペッとほんの数十秒で終わらせてしまうひとも多いとか。
じつを言うと、わたしも以前はそのクチだった。歯磨きなんて、目立つゴミが取れてすっきりとさえすれば、それでOKだと思っていたほどだ。そんな価値観がガラっと180度変わったのはなぜか?といえば、理由は簡単。歯医者さんと結婚してしまったからである。
この連載を開始して以来、夫の話を書くのは多分初めてのことだと思う。いつもはあまりプライベートな話をしないのでね。結婚してはや10年が経とうとしている我が家の伴侶は、都内で歯医者さんをやっている。そのおかげでここ何年も、わたしは歯磨き粉とか歯ブラシといった歯関係グッズを自分で買ったことがない。いつも試供品で済まさせてもらっているからだ。(ホントにこれだけは結婚してよかった!と実感できる)
彼はわたし以上に歯磨きが長い。居間のソファで歯ブラシをくわえたまま、テレビはもちろん、雑誌や漫画本も見始める。下手すると一冊読み終えてしまうんじゃなかろうか?っていうほど、それはそれは長時間に及ぶ。それだけあって、確かにヤツの歯はキレイである。タバコも吸わないので、茶色い汚れもつきにくい。
最近、ちまたでは“白い歯のための審美歯科”なるものが流行っているらしく、歯の漂白だとかマニキュアだとか、いろいろ取り沙汰されている。しかしだね、どれも料金がかさむ割には一長一短、というのがわたし的見解。
漂白の場合、歯を炭化させるため、質をもろくすることがあり虫歯になりやすくなる。かたやマニキュアは簡単だけどすぐにはがれてしまう。何か食べてしまったら一発でおじゃんだ。これではどちらも満足のいく結果は得られない。しいていえば、歯に洗剤がわりの重曹を機械で吹き付けて洗うやり方が一番効果的だと思うけど、これもまた数週間毎に歯医者さんに通って、やり続けなければダメ。
やっぱり“美”を手に入れるのが困難なのと同様、歯の美しさをキープするのもなかなか大変なのである。
そう考えると、ローマは1日にして成らず。毎日のていねいなブラッシングこそが、それを支えるすべである。食べたら磨く、1日最低でも三回以上。歯ブラシの後は歯間ブラシか、もしくはデンタルフロスで仕上げ。タバコやコーヒーなど着色しやすい嗜好品を好むひとはそれ以上にこまめなお手入れが必要なのはいうまでもない。
丹念な歯のお手入れを習慣にすると、見た目だけでなく口臭も激減。これは、イイ女の身だしなみとしては必要不可欠。
となれば、善は急げ。早速、洗面台に行って自分の歯ブラシを見てみよう。ブラシの交換は2ヶ月が目安。古くなって先の開いたものは迷わず処分。
ちなみに新品を選ぶ基準は色や形ではなくて、ヘッドのサイズ。口に入る部分の小さいもののほうが、細かいところまで磨けるのでベター。毛足はやわらかめのほうが磨きやすい。
新しい年にもなったことだし、アナタも心機一転!まっさらの歯ブラシでも買い求めてみてはいかがかな? |
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プロフィール
おおたわ史絵
内科医、執筆家。
現代人の心理を辛口に分析。
その医者らしからぬルックスも魅力のひとつ。
雑誌 ef NOVARK おとなぴあ など連載中
5/23 リニューアルスタートしたweb Tarzan(マガジンハウス)http://tarzan.magazine.co.jp/
にて新連載開始。みなさんのココロとカラダの質 問にお答えしています。随時更新。
2月4日 テレビ朝日系列『TVタックル』に出演。
テーマは“現在の食についての問題点”
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