映画館で『I am Sam』を観てきた。大雨のウイークデー、それも真昼間だっていうのに、館内はすっごく混んでいた。前評判が高かったせいだろうか。
噂どおり、映画はかなりよかった。知能発達遅滞の父と娘を通して“親子の愛とはなんぞや?”と考えさせられる内容なのだが、父親役のショーン・ペンはホントに素晴らしい演技で、アカデミー賞とか取っちまいそうな勢いだった。
そりゃそうと、劇中にはミシェル・ファイファー扮する超エリート女弁護士が登場する。これが絵に描いたような都会派女性で、仕事もできりゃ家庭もある、ファッションセンスもピカ一なら、おまけに住んでる家はプールつきの大豪邸!といった具合で、とにかく否の打ちどころのない女なわけ。
しかし世の中はそんなに不公平でもないようで、そんな彼女でも人に言えない多くの悩みやコンプレックスにさいなまれ、陰では心を傷めているのである。そうした瞬間、彼女の取っていた行動がストレス女の典型的パターンともいえる“甘いモノをドカ食いする”というものだ。ホラ、誰でもイライラすると甘いモノが欲しくなったりするでしょ?あれと同じね。
甘い食べ物イコール糖質。頭が疲れると糖質を欲するのは人間の正しい生理。脳細胞のエネルギーとして即座に使用できるのは、タンパク質でも脂肪でもなく糖質だからである。
ことにキャリア女性のような頭のいいひとは、凡人よりもあれこれ脳細胞を使うんだろう。彼女の役柄にも演技にもリアリティがある。
しかしねぇ、映画の中の彼女の場合、ちょっとそれも度を越えているんだな。子供のために買ったジェリービーンズをわしづかみで隠れ食いしたり、キッチンの隅で立ったままマシュマロを食べ続けていたりね。これじゃ、かなり病的と言うしかない。
「ストレスで太る」という女は多い。ワタシもじつはそのひとりだ。何を隠そうコレにはちゃんとわけがある。口の中にモノを入れるという行為は、かの心理学者フロイトいわく“口唇欲求”を満たす行動とのこと。簡単に言えば赤ちゃんがママのおっぱいをちゅーちゅーやっているのと同じだというのだな。これによって安心感や満足感が得られ、ひとは一時的な安らぎを感じるのだという。だからストレスはひとを太らせる。
いくら気持ちがささくれ立つからといって、甘いモノの食べすぎはよくない。太るばかりか糖尿病や高脂血症のもとだ。ついでに言えばストレス時にはステロイドホルモンが多量に分泌されているので、これらの病気をより助長する。これでは生活習慣病まっしぐらだ、まちがいない。
そこで!である。ワタシ的にはそのかわりに、ビタミンCタブレットをすすめたい。薬局で売っているどんなタイプでもいい、普通の飴よりもはるかにローカロリーだ。ビタミンCは神経細胞の疲労回復に役立つ栄養成分、イライラ解消にはうってつけ。それにチョコやケーキと比べてタブレットなら口の中で楽しめる時間が長いから、一粒でずいぶん粘れる。食べすぎの心配も少ない。万が一大量に摂り過ぎてしまったとしても、ビタミンCは水溶性なので大丈夫。不要な分は全部腎臓から流れて体外に出てしまう。
はぁ〜、今どきオンナも疲れるのよね。仕事ができても家庭があっても、顔がよくてもスタイルがよくても、誰にでも悩みはあるってこと。だったら、うまい解消法を知ってるもん勝ちでしょ?ストレス太りなんて、流行らないんだから。
まあ、まずはひと休み。それからビタミンCを一粒だけ、口に放り込んでみるとしますか。 |
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プロフィール
おおたわ史絵
内科医、執筆家。
現代人の心理を辛口に分析。
その医者らしからぬルックスも魅力のひとつ。
雑誌 ef NOVARK おとなぴあ など連載中
5/23 リニューアルスタートしたweb Tarzan(マガジンハウス)http://tarzan.magazine.co.jp/
にて新連載開始。みなさんのココロとカラダの質 問にお答えしています。随時更新。
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