先頃、上海に行ってきた。いま世界で最も話題の急成長エリア、中国の上海である。
じつは十二年前にも一度訪れた事があるんだが、今回目にしたそこはもはや当時の古い街とは異なるものだった。もちろんイギリス領地時代の古典的な欧風建築などはそのままに維持されてはいるのだが、ひとたびデパートに足を踏み入れればブランド物の宝庫で、またそれが飛ぶように売れている!価格は東京とほとんど変わらないっていうのにね、まさに現在の上海はバブル真っ只中という感じである。
66階建ての最新ビル“66ビル”を眺めてその高さに驚き、街角のハーゲンダッツでアイスを食べ、流行りのスポット“新天地”のオシャレなクラブで一杯やり・・・とまるで東京にいるのと同じような時間を過ごしつつもワタシは考えた。
「せっかく中国に来たんだから、なにか中国ならではの体験をした〜い!」
そんな欲求からガイドブックを開くと、そこには『本場、足裏マッサージ』の文字が!
なにをかくそうワタシは足ツボ足裏マッサージの大ファンで、日本でもいろんなところで受けているくらい。ツボや経絡というのは、もともと東洋医学から生まれたもの。中国と言えば、その発祥地である。
「これぞ本場中の本場。体験せずにはいられない!」
早速いくつもある専門店の中から一つを選び、電話で予約を入れて現地へGO。
上海のデートスポット“外灘(ガイタン)”地区からタクシーでものの五分のところにそのマッサージ店はあった。かなりの大規模な店で、ざっと50〜60人の客が収容できそう。とはいうものの、中は4〜5人用の個室に区切られているからプライバシーは守られる。ワタシの場合も同行した知人と二人で一部屋貸し切りだった。
さて長椅子の深く腰掛けるとすぐ本格中国茶のサービスがあり、それを愉しみつつ担当者が来るのを待つこと五分。おだやかな笑顔で入ってきた担当者と思しき中国人青年の腕には大きな樽が抱えられていた。その内部にはアツアツのお湯が満たされており、しばらくの間そこに足を漬けているようにとの指示。なるほど、足湯ね。これなら日本でもよくやる。
促されるままに足を入れたのはいいが、これがアナタ、熱いのなんのって。優に45℃はあろうか?こんなに熱い足湯、日本では味わったことがない。しかし、ガマンにも似た感覚でなんとかかんとか足を漬けていると、そのうちに足先が熱いの痒いのチリチリするのを超えて、気づくと全身がぽっぽと発熱してきたではないか。
もしかしたら、これはものすご〜く効くかも・・・そう思い始めた頃に、先ほどの担当者が静かに足を揉み始めた。タオルできれいに拭いてくれた後、専用のクリームを塗りこみながら足裏のツボを押していく。
「なんだ?日本でやるよりも痛くないな」
正直、これが初めの感想。ワタシがこれまでに体験してきたマッサージは結構痛いものが多く、なかには飛び上がるほどハードなやつもあった。だから<足裏マッサージ>=<痛いもの>といった方程式が出来上がっており、かなりの覚悟で臨んだためにちょっと拍子抜けだったのだ。
ソフトな刺激についウトウト・・・こちらがすっかり脱力している間も、担当の青年は黙々とマッサージを続けること数十分。ふと気づくと、あらら?彼の手に込められる力がかなり強くなっているではないか。これはさっきまでとは打って変って、普段東京でやってもらっているマッサージよりもはるかに強力。
そうか、最初はソフトに始まったけれど何度も繰り返して揉んでくれているうちに徐々にパワーを上げていたというわけか。少しずつ力を入れていくので、痛みとしては感じないけれど、最終的には十二分の効果を上げている。これぞ本場中国三千年の技なのかも!
こうやって足裏からふくらはぎ、すねまで存分に揉んでもらって80分。かなりの満足度で終了したのだが、じつは最後に最もすごいサービスが待っていた。それは靴下無料サービス。新品の靴下をプレゼントしてくれるんだが、これをなんと履かせてくれるのだ!!物心ついてからというもの、他人様から靴下を履かせていただいたなんてこたぁ、まずないもんだから、とにかくこっぱずかしくて困った。笑。
それはともかくとして80分で約4000円、日本のおよそ半額のこのマッサージによってワタシの場合はむくみできつくなっていた皮のシューズがゆるゆるになった。旅で歩き回った足の疲れも感じずに済んだ。これだけはっきり効果が手に取るように実感できたのは、これが生まれて初めてかもしれない。
さてさて、効果のほどをおわかりいただけたかな?でも百聞は一見にしかず、みなさんも上海を訪れる機会があったら是非本場のテクを体験していただきたい。中国人青年に靴下を履かせてもらうっていう経験も、悪くはないよ。笑。 |
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