2001.2.9号




 プラセンタ

4,5年前から「ポスト・コラーゲン」としてその存在が知られるところとなったプラセンタ。
話題に上ってはいるもののなかなか確かな知識は披露されていなかったのでは?今回の「成分マニュアル」では、美容のために取り入れるなら知っておきたいプラセンタの基礎的知識をお勉強しましょう!

プラセンタって何?
プラセンタとは「胎盤(Placenta)」の英訳。そして、「胎盤」とは妊娠したときお母さんの子宮の内壁にできる円盤状の臓器です。この臓器は妊娠中に生まれてくる赤ちゃんのため、栄養補給をし、呼吸を助け、排泄を促進させるといった、赤ちゃんにとって必要な身体の機能を保つ物質が高密度に含まれた宝の泉。しかし一方では、現在のところプラセンタ自体に含まれている成分については「タンパク質である」ということ以外、まだ明らかになっていないことが多いというのも本当のところ。

プラセンタはエラい!
プラセンタを身体の中に取り入れることによって、次のような効果効能があるといわれてれています!
疲労回復、美肌、美白、しみ、皮層乾燥症、アトピー性皮膚炎、生理痛、冷え症、便秘、更年期障害、のぼせ、イライラ、高脂血症、腰痛症、肩凝り、全身の関節痛、筋肉痛、リウマチ、免疫力の強化。
一般に挙げられているプラセンタの効果効能はこんな感じですが、一方肝炎やエイズウイルスなどウイルスの不活性処理能力もあるとのこと。 ああ、偉大なる母体……といったところでしょうか。


ワル者酸素=活性酸素を除去する
  話題の活性酸素。言葉だけ聞くと、まるで身体を活性化してくれる良いもののように聞こえますが、その実態は「酸化=サビ」という強い酸素化合物のこと。ワル者酸素です。 このワル者酸素が身体中を”サビ”させると血管がもろくなったり、コラーゲンがポロポロになって皮膚の弾力が失われたり、メラニンの生産が盛んになってシミができたりと、イイことは何もありません。 遺伝子に影響しガンになることも! 活性酸素は強い紫外線を浴びた時や、炎症が起きた時など、身体のちょっとした変化で簡単にできてしまうもの。プラセンタには活性酸素を素早く除去する働きがあると言われています。
 
血行を促進する
  皮膚は体重の16%の重さを占めると言われていますが、その細胞ひとつひとつに血液を送り込んでくれるのが毛細血管。毛細血管の流れが悪くなると皮膚はどんどん傷み、新しい皮膚も生まれなくなり、髪の毛も生えなくなります。血行が悪いと言われたことのある人は要注意。 プラセンタは必要な物を供給し、不要な物は取リ除くという基本的な生命活動を助ける働きがあるのです。
 

症状別プラセンタのガンバリどころ!こんな人いませんか?
極端な敏感肌でお悩みの人
  虫刺されの赤みがなかなかひかない、ちょっとでも日焼けするとヒリヒリして赤くなるなど炎症を起こしやすい敏感肌。炎症を放置しておくと色素沈着が起きシミの原因になるなど、いいことはありません。プラセンタには炎症を抑えようとする働きもあります。この抗炎症効果によって身体や皮膚の過剰反応を押さえ、身体を守ってくれるのです!
 
肝臓をいじめがちな人
  お酒を飲みすぎたりして肝臓をいじめている人、多いはず。肝臓は生きていくために必要なエネルギーを蓄えたり身体に有害なものを排除します。肝臓の働きが鈍ると血流が悪くなり疲れやすくなって気がつけば「肝炎」などコワ〜い病気になることも。弱った肝臓を強くする働きがあるのです。
 
なんだかダルい…という人
  人間の身体は精密機械と同じ。内臓や筋肉、血管など身体の各器官の命令によりコントロールされています。「自律神経」はそのコントロールシステムの中で言えば、脳が指令を出す以前に、自動的に身体のコンディションを調整してくれるいわば自動制御装置。その自律神経が働かなくなると、精神的・肉体的に様々な悪影響が。女性に多い「自律神経失調症」とは、ストレスの多い環境でこのコントロールシステムが鈍くなり、肩こり・偏頭痛・腰痛、ひどくなると「うつ」などの症状を引き起こします。プラセンタにはこの自律神経を調整して乱れたバランスを元に戻す働きがあります。「病気っぽくはないけれどなんだかダルい…」なんて人、要注意!

耳より情報・1
世界の名だたる美女もご愛用!


プラセンタ(胎盤)エキスは、古代中国では”紫河車”と呼ばれ、強壮・強精に効果のある漢方薬として、また不老長寿の薬としても珍重されていました。西洋では、美の追求には手段を問わなかったあのクレオパトラマリー・アントワネットなども使用していたと言われています!
耳より情報・2
美容プラセンタはウシから、医療プラセンタはヒトから抽出!


コスメティクスや美容液に使用されているプラセンタ、いわゆる「外用=医薬部外品」のものについてはウシから抽出されているものが主流。プラセンタは一方で医療目的でも使用されていますが、この場合はなんと「ヒト=人間」からのものが使用されているとのこと! もちろん高度な研究と技術が生かされての上なので、病院でプラセンタ治療を受けることに関しては問題ナシです。 サロンなどでの注射や外用に関してはよく調べてから行いましょう!
耳より情報・3
ここに注意して! コラーゲンと同じ落とし穴も存在します!!


コラーゲンと同じように、美容目的で使用されるプラセンタはウシからのものが主流。しかしながら昨年の「狂牛病」による厚生省の通達により、現在時点ではブタの胎盤が使用されています。これもまた「100%安全かというと答えは?厚生省では各人の責任において使用するようにと言っています。」
耳より情報・4
禁止されたウシからの抽出、米国産だけは安心!


大手化粧品原料メーカー「スノーデン」では、唯一安心と言われる米国産のウシから抽出したプラセンタを使用。 多くの医薬品メーカーなどはこちらのものを使用しているそう!
耳より情報・5
注射? 塗る? 飲む?
効果的なのはどれなの?


実際は、「塗る」という方法が一番安心で効果的。 美白と代謝促進によって肌にハリが生まれてきます。次に即効性があると言われているのが注射。疲れや肩コリには効果を発揮してくれそうです。 サプリメントなど飲料として「飲む」という方法は「耳より情報・3」で書いた通り「100%の安全性」が保障されていないため、「美容目的ではあまりオススメできるものではありません。」
耳より情報・6
プラセンタじゃなくても、プラセンタ効果!


取材にご協力いただいている亀山先生のクリニックではいろいろな問題を考慮し、肌に直接塗る美容液などでも注射でも一切プラセンタを使用していないとのこと。「なぜならビタミンA・Cと、ホルモン調整剤を取り入れることによって同じ効果があるからです。」 また、ごく最近ドイツで「植物から抽出&精製される成分」でプラセンタと同じ効果が得られるものが開発されたと小耳にはさみました。プラセンタならずとも得られる「プラセンタ効果」。う〜ん、奥が深いッ!
耳より情報・7
「狂牛病」が招いた美容業界の大騒動


昨年末大騒ぎとなったこの厚生省からの通達―。主に英国のウシを中心とした、いわゆる「使ってはいけないウシ」が列挙された通達でしたが、感染・発病のメカニズムがまだ解明されていないだけに混乱をまねいているとの記事が2月5日の朝日新聞に掲載されました。
現にプラセンタを配合した化粧品を発売していた会社はその時点で約600社あまり(資生堂調べ)。美容目的ではプラセンタは主に「美白」が最も大きな効果を示すところであり、この美白を目的とした美容液や化粧品に多く配合されていました。ここ数年のコラーゲン&プラセンタの流行で、この600社のほとんどが両者を複合して化粧品を製造、販売しており、この通達によって多岐にわたる打撃を受けたというのも事実です。改善策としてその多くの会社が商品の混入成分であるプラセンタをビタミンCに変えたということも報告されています。ビタミンCとプラセンタは直接成分が同じというワケではないものの、「美白効果が豊富である」という観点で混入成分をビタミンCに切り替えたというところなのかも。
いずれにせよ、使用する側がしっかりとした知識を持たなければならいのはどうやら確実のようです。

根本ゆみ

■取材協力/ 青山皮フ科クリニック 亀山孝一郎先生
皮膚科専門医 医学博士
北里大学講師
青山皮膚科クリニック院長
http://aoyamahihuka.com/
多くの女性誌・TV等で活躍中。
著書「アトピーはこうして治す」(史輝出版)ほか多数

<次回は…>
胎盤ですよ、胎盤。 そんな臓器を目の前にして、そのエキスを体内に取り込もうなんて、スゴク勇気のいるコトだと思いませんか?美と健康の追求って、ものすごくハングリーで、かつ短期間に追いきれないほど想像を絶する大きなテーマなのだとつくづく・・・・・・。
気を取り直して、次回は今最もブームとなっている「レチノール」についてです!お楽しみに!



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