2001.2.16号



私たちの心や身体に、さまざまな効果をもたらす植物の香り。
現在では、医療の現場でもエッセンシャルオイルを使ったアロマセラピー(芳香療法)が取り入れられ、また、ヒーリングのアイテムとして人気が高まるなど、新たに注目を集めています。
では、なぜ私たちは香りで癒されるのでしょうか?
暮らしの中に、どのように取り入れればいいのでしょうか?
そんな植物の香りに関する疑問を探りながら、エッセンシャルオイルの本当の魅力をお届けします。


 グレープフルーツ

だれからも好まれるさわやかでフレッシュな香り
サンサンと輝く太陽の恵みがいっぱいのグレープフルーツ。その明るいカラーとさわやかな香りはだれからも好まれ、私たちの心を元気づけてくれます。グレープフルーツは18世紀の中頃、西インド諸島でオレンジの雑種のひとつとして生まれ、ブドウ(グレープ)のように房状に実ることから、その名が付けられたそうです。また、学術名の“Citrus paradisi maxima”の“paradisi”は「パラダイス(天国、楽園)」が語源。原産地の西インド諸島で、幸福感や安心感をもたらす「パラダイスの実」として珍重されたことから、名付けられたといわれています。

グレープフツールのエッセンシャルオイルは、おもにカリフォルニア、フロリダ、イスラエル、イタリアなどで生産され、とくにイタリア産のものが品質に定評があります。他の柑橘系植物と同様、その果皮に有効成分が多く含まれ、特徴的な有効成分はリモネン、デカナール、ヌートカトンなど。これらには殺菌・消臭作用、抗うつ作用、消化器系の機能促進、強壮作用などがあります。

気分を明るく、元気にしてくれます
グレープフルーツには柑橘系特有のリフレッシュ効果があり、ストレスの多い毎日を乗り切るための強い味方。デスクワークや人間関係などで疲れてしまったり、気分がなんとなくブルーな時はアロマバスを行ってみてください。普段よりもゆったりつかると、心地よい香りがイライラした気分を和らげ、気持ちが自然とラクになります。

パッと気分転換したい時には芳香浴がおすすめ。手作りのルームフレグランスをいつも持ち歩いていると、疲れを感じた時にサッと香らせ、手軽に気分転換ができます。さらにグレープフルーツには殺菌作用もあるので気分をリフレッシュさせるばかりでなく、快適な空間づくりにも役立ちます。

胃腸の働きを助け、食欲をアップ
なんとなく食が進まない、胃腸がスッキリしないという時にも効果を発揮。グレープフルーツには消化器系の機能を高める働きがあり、食欲を増進させてくれます。ガラスの器にグレープフルーツを数滴ブレンドしたミネラルウォーターを注ぎ、ミントの葉などを浮かべて食卓に飾れば、心地よい香りが食欲を促し、さわやかな食卓の演出にもなります。

グレープフルーツの上手な使い方
最後に、グレープフルーツの活用法をご紹介します。ストレスに負けないためにも、グレープフルーツのアロマバスや芳香浴で、その日の疲れはその日のうちにケアしましょう。

アロマバスとして
  お風呂にグレープフルーツを数滴入れて、よくかき混ぜてから入浴しましょう。心地よいグレープフルーツの香りが、心身ともに元気にしてくれます。

※1滴 0.05ml

マッサージオイルとして
  マッサージオイルの濃度は2%を目安にします。たとえば30mlのキャリアオイル※に対し、12〜15滴までのグレープフルーツをブレンドします。

キャリアオイル
ホホバオイル、スイートアーモンドオイルなどの植物油。キャリアオイルの“キャリア”は「carry(キャリィ)」(運ぶ)を表し、エッセンシャルオイルを希釈して「体内に運ぶ」、つまり吸収を助ける働きをする。

ルームフレグランスとして
  作り方は…
(1) スプレー用容器に無水エタノールを2mlくらい入れます。
(2) そこへグレープフルーツを7、8滴入れます。
(3) さらに精製水8mlを加えて、よく混ぜれば出来上がり。

※1滴 0.05ml

ご注意:● マッサージオイルは作り置きせず、1回分ずつ使い切るようにしてください。
ローションを作る際のアルコールは酸化防止のためと、エッセンシャルオイルと精製水を混合させるために使用します。ローションは3ヵ月以内に使い切るようにしてください。
グレープフルーツをはじめ柑橘系には光毒性があり、皮膚に塗ってすぐに直射日光を浴びるとシミになる恐れがあります。真夏など紫外線が強い時期のご使用には、くれぐれもご注意ください。
ごくまれにお肌に合わないことがあります。その場合は、ご使用をおやめください。

「植物の恵み エッセンシャルオイル図鑑」として、数多いエッセンシャルオイルの中からポピュラーなものや、女性の方にぜひおすすめのものをご紹介してきました。こちらのコーナーの第一期はラベンダーにはじまり、今回のグレープフルーツが最後になります。

私はもともと香りが好きで、エッセンシャルオイルを生活の中に取り入れていましたが、実際は使い方や選び方がよく分かりませんでした。今回の香りの取材を通し、エッセンシャルオイルがいかに心身の健康に役立ち、使いみちが多いかを改めて認識しました。また実際に使用して、ここでご紹介しているエッセンシャルオイルの品質のよさも実感。敏感な体質の私でも、アロマバスやマッサージ、クリームなど安心して使うことができました。

中でもお気に入りはラベンダー、ユーカリ、ビターオレンジ…。そして、このコーナーではまだご紹介しておりませんがフランキンセンス。香りも効能も本当にそれぞれで、それを知るのが楽しく、ほんのちょっと時間をつくることで香りがとても身近になりました。今では心身にホッとした一時を与えてくれる「香りの薬箱」のようなもの。そんな魅力や季節的におすすめのエッセンシャルオイルなど、ご紹介したいことはまだまだたくさんあります。それはぜひ第二期で。また、このエッセンシャルオイルの使い方が分からない、こういう症状の場合はどれを使えばよいのかなど、ご質問、ご感想がありましたら、どしどしお寄せください。心よりお待ちしております。

(いのぐちあきこ)

■取材協力/ 植物療法研究家・森田敦子さん
  日本アロマセラピー学会会員。
フランスで植物療法を学び、帰国後、信州大学において有機系天然抗菌剤の研究、ディフューザーの開発などに携わる。
1998年サンルイ インターナショナル設立。
現在は、大阪大学におけるアロマセラピーの研究に参加、また、さまざまな施設へのアロマセラピーの提案、人と環境にやさしい商品開発など、植物療法家として活動中。
■参考資料/ 「アロマテラピー完全マニュアル」草隆社
「アロマテラピーのための84の精油」フレグランスジャーナル社

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グレープフルーツ ホホバオイル



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