2001.3.23号




 パラベン

表示指定成分の代表格「パラベン」。毎日皆さんが使っているセッケン、洗顔・洗髪料、ローションやクリームなど化粧品全般、そしてしょう油、ソース、清涼飲料水、シロップなど常温で保存できる加工食品すべてに添加されているといっても過言ではありません。そんなに親しみのある存在でありながら「添加物」「防腐剤」といわれるとナゼかマイナスのイメージに…。それはナゼでしょう?
そして、マイナスのイメージでありながら、どうして使われ続けているのでしょう?

そもそも「表示指定成分」って…?
この「成分マニュアル」という企画のキッカケになった、化粧品の「表示指定成分」。今回パラベンのことをお勉強するにあたっては、この「表示指定成分」というものについて正しく理解しておく必要があるようです。
化粧品のパッケージの裏側を見ると、「パラベン、エデト酸塩、着色料、香料……」などと書いてありまね。これらが「指定成分」といわれるもの。
「表示指定成分」とは、キケンな物質を意味するわけではなく、『一部の人にはアレルギーなどの皮膚障害を起こす場合がある成分』として、1980年に厚生省が商品に表示するように指定した物質のことで、現在は102品目が指定されています。
日本でこの指定成分の表示が義務付けられた背景には、某大手化粧品メーカーの商品に関して、ひとつの事件がありました。そのメーカーのクリームを使用した一部の女性が皮膚のトラブルを訴え(※黒皮病)、結果としてメーカー側が賠償金を支払うというかたちで和解したのですが、それは社会問題にまで発展しました。それまで化粧品には何の表示もなく、言い換えれば、買う側はその化粧品に何が入っているのかわからないで選ばなくてはならなかったのです。
また、表示指定成分だけでなく、化粧品の原料として厚生省が許可している物質は、約2800品目あるといわれています。この中にはもちろん、表示指定成分ではないのに、アレルギーや皮膚障害を起こす可能性のあるものや発ガン性が疑われているものもあります。つまり、表示指定成分になっている物質以外の成分については何も公開されていないのもまた現状というわけです。

ここでちょっと、化粧品の成分について
化粧品の成分には、おおまかにこんなものが挙げられます。
●油性成分: 化粧品の主成分。直射日光や湿気に弱く、時間とともに酸化し腐敗しやすいのが特徴
●乳化成分: 乳化成分は水と油を馴染ませてトロトロの感触を出すもの。
クリームと乳液の差は、この水と油の配合バランスによって生まれます。
●防腐剤・殺菌剤・酸化防止剤
●色素・顔料・香料
●特殊成分(ビタミン、植物や動物からの抽出物など)
化粧品には皮膚への栄養分がたっぷり加えられていて、酵素や微生物の繁殖に都合のいいものに仕上げてあります。つまり、とても腐りやすいもの。そこで、パラベンの出番というワケです!

パラベンって何者?
パラベンは、正式名を「パラオキシ安息香酸エステル」といって、保存料、防腐剤、殺菌剤として食品や化粧品に添加されている成分。 化粧品に「パラベン」と書いてあるからといっても、必ずしも1種類ではありません。水溶性の「メチルパラベン」「エチルパラベン」、そして油溶性の「プロビルパラベン」が主なもので、「パラオキシ安息香酸エステル」というのはその総称。パラベンは、ほとんどが鉱物(石油など)からできており、カビなどの防腐効果に優れた、化粧品には欠かせない物質です。
一方では、前で述べたとおり、一部の人には皮膚のトラブルが起こりえる毒性を含む物質であるのもまた事実なのですが、結果的にはその分多くの研究がなされ、その成分や、毒性などのマイナスイメージが明らかになっただけ、配合の分量などを守ってさえいれば、防腐剤として使える唯一の安心な物質といえるでしょう。
パラベンが化粧品に含まれる場合は0.5〜1.0%、また食品に含まれる場合はそれ以下というのが基準。「致死量は200〜300g」なんてコワいデータもありますが、ヒトの体内ではパラベンは12時間程度で代謝されてしまいます。しかも1度に摂る量なんて、ホントに微量。蓄積する心配もなさそうです♪

現在、パラベンが見直されている理由

防腐剤として利点もあるけど毒性もあるパラベン。でも、毒性があるからといっても、ほかも防腐剤にパラベン以上の効果が望めて危険性のまったくないものはありません。言い換えれば、あまり知られていない防腐剤を使用されるよりは、きちんとその存在が明らかになっているパラベンの方が安心だということです。
パラベンが使われる前って?

今は、化粧品の数も増え、その分パラベンを主体とした防腐剤の使用頻度も高いのですが、遥か昔はなんと「ホルマリン」が使われていたそう!! 強い刺激臭がある上に発ガン性の高い物質。
しかも、カエルなんかが浸かっていたような、なんとなくグロテスクなイメージがありますよね…。
全成分表示になるともっとわからなくなる!?

2001年4月から全成分表示が義務付けられます!
そうなれば、パラベンのことだけでなく本当の意味で化粧品の成分チェックが可能になるわけですが、同時に危険度チェックになるかどうかは疑問。私たちにはわからない成分が化粧品にはいっぱいあるわけですが、わからない名前を表示されてはまったく意味がないですよね。また、わかりやすい名前を新たにつけて表示することもあるようで(もちろん厚生省の審査・認定を受けることになります)、たとえばパラベンの中でも刺激の強い種類のものは「ミネラルオイル」なんていう名前になる可能性だってあるのです! 「ミネラル」なんていわれたら、なんだか良さそう…。 こんなことが起こりえるとしたら余計心配ですよね。

根本ゆみ

■取材協力/ 今回は、「MD化粧品販売」の広報・山根さんにお世話になりました♪ MD化粧品は皮膚生理学の第一人者、石井クリニック院長・医学博士の石井 禮次郎先生が開発した、皮膚にやさしい化粧品。 ローズマリーなどのハーブを主成分にした、アトピー肌でも使える化粧品です。
興味のある方はぜひホームページをのぞいてくださいね!

MD化粧品のホームページ:http://www.mdcosme.co.jp

<次回は…>
全成分表示になると、今度は使う側自らが知識をもって危険性を判断する必要が出てくるわけですね。いいかえれば、使用者の自己責任が求められるということ。そうなればやはり少しでも詳しく成分について知っておく必要があるんですね。
パラベンばっかりがワルモノでしたが、もっともっと出てくるかもしれませんよ、ワルモノ。 気をつけましょう♪
さて、次回は最近化粧品に配合され密かにブームを呼んでいる「ビフィズス菌」です。腸ではなく、肌に働くビフィズス菌についてお勉強しましょう!



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