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| 2001.3.30号 |
| どんなにきれいな洋服を着ていても、がさつな立ち居振る舞いではその美しさも半減してしまうもの。シャンと伸びた背すじ、てきぱきとした動き。人から見た美しい姿とは、そして美しいしぐさとは一体、どのようなものなのでしょうか?
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| 礼儀とは相手に対する思いやり |
「立ち居振る舞いのきれいな人」イコール「礼儀正しい人」というイメージがありますが、それでは「礼儀」とは何なのでしょうか?あえてひとことで言うならば、「相手を思いやる心」、「相手に感謝する心」だと言えるでしょう。
例えば、日本にはコートを玄関の外で脱ぐという作法がありますが、これは屋外の汚れを室内に持ち込まないという心遣いから出てきたものです。西洋の作法では、反対にコートを脱がずに入ります。これは「長居をするつもりはないですよ」というサインになります。
応接室や知人のご家庭に招かれたときに、あるいは目上の方が入室したときはすぐに立つ作法は、相手が立って歩いて来てくれたのですから、自分も歩きはしないまでもせめて立ち上がるねぎらいの気持ちがそこに表現されています。
また、美しいしぐさで食べることが難しい食事のマナーの中に、握り箸、寄せ箸、突き箸などがありますが、これは危なげな箸遣いで、周りの人が心配したり、場の雰囲気が乱れたり、しらけさせてしまうからです。立ち歩いたり、お皿を粗雑に扱うことがタブーなのも同じ理由からです。
食べるときに「いただきます」というのは、私たちの口に入るために命を失った野菜や動物、それを育てた人、調理してくれた人に感謝する気持ちです。感謝の気持ちのない人の振る舞いは、たとえマニュアル通りであっても、美しい姿として他者に見えません。確かに、お皿に食べ残しがあったり、料理にあれこれケチをつける姿は、そばで見ていて、気持ちのいいものではありません。
美しく座り、誰もが参加できるような楽しい話をし、感謝の気持ちと共においしそうにほおばり、何も残さずきれいに食べる。本当の美しさとは、こういう日常の生活の中に存在しているのでしょう。 |
| 美しく見える実践法 |
ここまで礼儀作法や心について触れてきましたが、次に女性がきれいに見える日常の姿勢や立ち居振る舞いについてご紹介しましょう。基本は立ち姿勢です。どんな姿勢をしているかによって、若くも見えたり、老けても見えたりします。たとえ20代でも姿勢が悪いと40代に見えることもあるし、40代でも背すじがシャキッとしていると、年齢よりもずっと若く見えます。いい姿勢を心がけるだけで相当のエネルギーを必要としますので、全身のシェイプアップにもつながります。
a.基本の立ち姿勢
| 1. |
まず、背筋を伸ばして立ちます。頭は上から糸で引っ張られる感じで首筋を伸ばしましょう。顔は鼻を正面
にして、あごをやや引きます。腕は左右の指をそろえて、体の横に添えます。
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| 2. |
次に息を吸い込み、胸を持ち上げ、バストが高い位
置に来るようにします。このとき、肩の力は抜きましょう。お腹は全体を引っ張り上げるような感じで伸ばし、お尻にはキュッと力を入れます。
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| 3. |
足は太ももの内側に力を入れ、両膝を寄せて、ひざ頭が正面
に来るようにします。そして、両足のかかとはつけ、つま先を正面
に向けます。 |
これが”基本の立ち姿勢”になります。背中を丸め、お腹をポコンと突きだして・・・という姿勢を続けていると、筋肉だけではゆがみの負担をカバーしきれず、背中や太ももなどに贅肉がつく原因にもなります。
b. 美しく若々しく見せる歩き方のコツ
| 1. |
まず背すじをスッと伸ばし、お腹に力を入れ、お尻を持ち上げるような気持ちで少し早めに歩いて見ましょう。背中が丸まっていると、それだけで疲れているような暗いイメージを相手に与えてしまいます。姿勢を正して歩くと、それだけできれいに見えます。このとき、目線よりも気持ち上を見て歩くようにして、上から引っぱられるような感じで歩くと、自然に姿勢もよくなります。
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| 2. |
両ひざ、足首、つま先は正面に向けるようにしましょう。ひざとひざをすり合わせるように歩きます。脚の付け根とひざの裏は伸ばすように意識します。上半身はモデルが歩くように先ほどの”基本の立ち姿勢”を保ちます。腕は、二の腕を後ろに軽くふりましょう。歩幅は靴2足分あけ、かかとから着地します。
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階段は、つま先で駆け上がるような気分で上ります。ドタドタ上ると、老けて見えるので注意しましょう。駅や歩道橋など、常に姿勢を意識しながら上るように心がけます。
長々と書き連ねてきましたが、ポイントは頭から糸で引っ張られる感じをイメージすることです。そうすると、目線も高くなり、自然に姿勢もよくなります。
c.美しく見えるしぐさのテクニック
誰かの何気ないしぐさに思わず見とれてしまった経験はありませんか?そんなしぐさ美人があなたの近くにいたら、なぜきれいなのかを分析して、自分の中にアレンジして取り入れて見るのもいいでしょう。そして、時間があるときに鏡の前で、美しく見えるしぐさを研究してみてはいかがでしょうか。
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ものを持つときには
手はあなたの行動が一番、目につくところです。お金を払うとき、お茶を飲むとき、いつでも指先に思いやりの気持ちを込め、ものを大切に取り扱いましょう。
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| ◆ |
ものを拾うときには
片方の足を半歩前に踏み出してしゃがむと、きれいな姿勢でものを拾うことができます。腰を曲げて手を伸ばすと、腰を痛める原因になりますので気をつけて下さい。
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| ◆ |
おじぎをするときには
背筋を伸ばして、上体を胸からゆっくり倒します。両手はおへその下で重ねます。 |
常に他者の視線が自分に注がれていること、美しい姿勢を意識するように心がければ、きっとしぐさも変わってくるはず。大切なことは、緊張感を持ち続けることなのかもしれません。
そしてやはり、美しいしぐさを生み出す源は冒頭でも述べたとおり、「相手を思いやる心」、「相手に感謝する心」につきるのではないのでしょうか。
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writer's eyes
私の好きな作家森瑶子さんの『非常識の美学』という本の中にこんなことが書いてあります。「この世で一番素敵なものは、笑顔。目をキラキラ輝かせ、歯をキラリと見せて笑う。美しい顔立ちや素晴らしいスタイルは、元々生まれながらのもので、どうしようもありません。しかし笑顔は、神様が等しく誰にも与えてくれたもの。しかも、全ての動物の中で、笑えるのは人間だけです」。
美しいしぐさに、あなたの素敵な笑顔をプラスしてみませんか?
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| ■参考文献/ |
『いま生きる礼儀作法』(新潮社)柴崎直人
『グラツィア』(2001年2月号)
『my 40's』(2000年12月号) |
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