2001.4.20号




 和漢生薬

最近は日本の化粧品メーカーはもちろん、海外のメーカーからも注目されている「和漢成分」。「ヨモギ」や「カミツレ」なんて植物の名前を聞くとなんだかホッとしますよね♪ 今回はこの「和漢成分」、とくに「生薬」というものについていろいろと調べてみました。

薬 草 薬草とは?
使い方を間違えれば生死にかかわるものから山菜として普段から食べられているもの、また野山に生えているものから家庭の庭など身近な場所に生えているものなど、実に様々。まだ「薬」というものがなかった時代からキズや病気を治す植物として研究されてきました。民間療法として、今も加工せずにそのまま使うことのできる薬草もたくさんあります。

 
生 薬 生薬とは?
薬草を使う場合、収穫したものをそのまま使うということはごくまれで、「生薬」と呼ばれるものに加工してから使います。薬草はその種類によって葉、茎、根っこのすべての部分が有効とは限らないので、必要な部分だけを乾燥させたり、細かく砕いたりなどの加工を施します。これで生薬が完成。乾燥させることで保存も可能になるわけですね。できあがった生薬は、さらに散剤(粉末の薬)、薬酒、あるいは煎じ薬(煮出した汁が薬)などにされ、そこではじめて「薬」となります。生薬には植物生薬と動物生薬がありますが、大部分が植物生薬です。
 
漢 方 漢方とは?
漢方薬とは、漢方で使用される薬のこと。漢方は古代中国で発達した独自の医学で、日本に渡ってきてからは西洋医学の臨床経験が加えられるなど、その体系は進化してきました。ですから、本家中国の漢方と日本の漢方は多少違いがみられます。
もともと漢方には、気の遠くなる程の長い年月を経て作り上げられた医学書があり、患者が訴える症状に対する薬の処方などがすべて決められています。その医学書に基づいて、専門の漢方医が病気を診断して薬を処方する、それが漢方薬というわけです。
そして和漢成分とは?
最近頻繁に耳にする「和漢」という言葉。中国由来の生薬は「漢薬」、日本由来の生薬は「和薬」と呼ばれ、これら2つの生薬を合せたものが「和漢薬」と呼ばれているもの。同じ種類であっても、産地などにより微妙に成分が異なる生薬もあります。

化粧品成分として最も有名な生薬はこんなもの
中国では1500年以上も前の時代に化粧品作りが大発展、有名な医学書には200種類以上ものクリームやローションの処方例が残されているそうです。しかも、この時代にしてすでにシミやソバカスに対応する美白剤が作られ、古代女性たちはシワ防止にも余念がなかったということ。また、それらの処方例は今の化粧品製造のベースとなっているものも多いなんて……オドロキですね。また、多くの日本産生薬は美白作用の高いものが圧倒的に多いようです。
(下表参照:自宅で比較的手軽に利用できるものにはがついています)

今どき人気の生薬リスト♪(順不同)
生薬名 漢方名 どんなもの? 主な効果
ユキノシタ 虎耳草
(こじそう)
野山や、意外に家の庭などに生えている薬草。日陰に生える、シクラメンの葉に似た形をした葉が特徴。 ●美白作用
●抗シワ効果
●DNA修復効果
ウコン 最近健康食品としてブームになっている沖縄産の緑黄色野菜の一種。根茎部分を粉末にしたものが使用される。 ●抗炎症作用
オウゴン シソ科の植物コガネバナの根。内服では胃の薬などに利用されています。 ●美白作用
●収れん作用
シコン 紫根 ムラサキという植物の根が使用されます。 ●美白作用
●抗炎症効果
ソウハクヒ 桑白皮 クワの根の皮が使われます。 ●美白作用
クジン 苦参 マメ科の植物クララの根。 ●炎症を抑える
●抗菌効果
●防腐効果
シャクヤク 芍薬 観葉植物としても有名。 ●皮脂分泌抑制効果
●保湿作用
トウキ 当帰 セリ科トウキの根。 ●保湿作用
カンゾウ 甘草 マメ科カンゾウの根。 ●美白作用
ヨモギ 艾葉
(がいよう)
お灸のモグサの原料にも。 ●保湿作用
ゲンノショウコ ゲンノショウコ 内服では整腸作用もあります。 ●収れん作用
ドクダミ 十薬
(じゅうやく)
スペード型の葉はよく知られています。独特のニガ味があります。 ●皮脂分泌抑制効果
●保湿作用
●抗菌・解毒作用
※DNA修復効果とは?
紫外線で壊された皮膚細胞のDNAを元の状態に戻してくれる作用。これはユキノシタならではの成せるワザで、その効果は多くの化粧品メーカーで研究されています。美白化粧品に最も多く配合される生薬のひとつです。


生薬は誰でも入手可能?
漢方系の生薬ならば、漢方薬局で気軽に買えます。一般に販売されない生薬もあるので使用目的や症状などをよく相談して、自分に合った生薬を見つけましょう。また、生薬はだいたい500g位 の量から売ってもらうのが一般的とされていて、中にはビックリするほど高価なものもあるので注意してくださいね。

植物性以外の生薬って?
生薬は主に動物性、植物性、鉱物性のものに分かれますが、化粧品などに使用される生薬はほとんどが植物性です。動物性の生薬は、身近なところではサプリメントなどに配合されています。また、鉱物性の生薬は病気の治療薬として使用されるものがほとんどです。
※参考資料「週刊朝日 増刊号『漢方』」

動物性生薬
ゴオウ(五黄) ウシの胆のうの中に生じた結石。強心、鎮静作用がある。
ジャコウ(麝香) ジャコウジカの雄の生殖腺分泌液。強心、鎮静、排膿作用など。
ロクジョウ(鹿茸) 雄ジカの柔らかい角を乾燥させたもの。強壮剤。

鉱物性生薬
セッコウ(石膏) 天然の含水硫酸カルシウム。利尿作用や解熱効果がある。
ボウショウ(芒硝) 天然の含水硫酸ナトリウム。血液の凝固抑制作用。

旬な和漢アイテムはたくさん!
カネボウの美白美容液「ブランシュール ホワイトクリアスポッツ」(\10,000)は、火棘(カキョク)という保湿に有効な生薬が主成分。同「ホワイトニング クリア コンディショナー」(\4,800)にはこの火棘(カキョク)のほか、ユキノシタハトムギが配合されています。いずれも和漢生薬ブームが来る以前から人気の化粧品。
AYURA(アユーラ)の「メディテーションバス」(\1,800)はヒーリング効果抜群の入浴剤。緑色の粉末がお湯の中で白に変化、香りも豊かで、そのままベッドに滑り込みたくなる気持ちの良さ♪ 主成分のジオウ、ビワの葉などが肌の保湿力を高めてくれます。同「アクティブスパ」シャクヤクトウガラシといったユニークな生薬が配合されています。保湿はもちろん、パワフルな保温効果も期待できそう。
アルビオンの「エクサージュ 薬用スキンコンディショナー」は、ハトムギなどを主成分とした美白効果がある化粧水。まるで美容液みたいにリッチな使用感のある化粧水。
ユーシアは漢方医師のもとで処方された和漢生薬成分がたっぷり生かされ、化粧品から食品まで幅広いアイテムが揃うのが魅力。なかでも「肌養液」(\5,000)には、オウレンオウゴンニンジントウキカンゾウなどがバランス良く配合され、肌荒れやカサツキに有効。
知る人ぞ知る「マーベラ」の紫根エキス
以前、『an an』にも掲載され話題となったマーベラ化粧品の「紫根エキス」。40年培った技術での自家抽出による製法で、大量生産が不可能なため、依然としてオンラインショッピングのみの展開ではあるものの、クチコミによって幅広い年齢層の女性たちに人気の化粧品です。 江戸時代からキズやヤケドなどの治療薬として使用されていた紫根(シコン)が主成分で、シミ・小ジワ・肌荒れに効果ありとのこと。興味のある方はぜひのぞいてみてくださいね。(マーベラ化粧品ホームページ:http://www.buyers.ne.jp/marvella/

誰でも簡単&キレイ! お風呂で使える生薬
「和漢生薬配合の〜」というコピーがついた化粧品は本当にたくさんありますが、なかでも見直したいのは入浴剤。 薬用入浴剤と呼ばれるもののほとんどは生薬が主成分です。
入浴剤(特に薬用)をいろいろ買って試してみるのも楽しいですが、アロマセラピーと同じようにして本物の薬草風呂に入ることこそ究極の天然美容。誰にでもチャレンジできる、安心で簡単な方法をお教えします!
薬草風呂でキレイになる〜PART-1
「知ってましたか? ヨモギ美顔法」


草もちのオイシイ味と香りの仕掛け役、ヨモギ。最も親しみの深い薬草ですね。川原などで摘み取ることもできますがぜひ漢方薬局で乾燥させたものを買って試してくださいね♪
ちなみに、今日本に広がった韓国アカスリエステでも「ヨモギのスチームサウナ」は人気。私がたまに行くアカスリエステにもあります。行ってみたい方は編集部あてにメールを下さい。こっそりお教えしますよ♪

ヨモギの簡単スチームエステ
アロマセラピーの要領で簡単に行なえるスチームエステです。ヨモギは美肌効果のほかにもリラックス効果に優れているのでオススメです!
ヨモギ100〜150g位を300〜500ccの水から煮立てること約30〜40分。火を止めて、洗面所など安全な場所で湯気を少しずつ顔にあてていきます。(あらかじめ洗顔しておくとさらに効果的です。)
また、あら熱が取れたらタオルを浸して絞り、スチームタオルとしても応用できます。
薬草風呂でキレイになる〜PART-2
「背中のニキビにも効果テキメン!ドクダミのお風呂に入ろう!」


ドクダミは漢方薬としても最も有名ですね。実はドクダミがニキビに効果アリというのをご存知でしたか? 入浴剤といえば「ツムラ」ですが、こちらのホームページでもドクダミのお風呂は推奨されています。(ツムラのホームページ:www.tsumura.co.jp/)

ドクダミ風呂
ドクダミ100〜150g位を鍋に入れ、300〜500ccの水から約30〜40分煮詰めて葉をこせば、ドクダミ煎じ液の出来上がり! お風呂に入れて、ニキビや湿疹知らずのツヤ肌美人になりましょう! ちなみに私は10代の頃、背中のひどいニキビに悩んでいましたが、同じように煎じた液を冷蔵庫で冷やし(真夏だったので)、お風呂から上がる前に大きめのコットンを浸して背中に湿布していました♪(まさにおばあちゃんの知恵です)夏の間に毎日続けて1ヵ月ほどでよくなりました!
また、このほかにもビワの葉や、カミツレなど、一般的に入手しやすい生薬はたくさんあります。時間のあるときにゆっくり漢方薬局などをのぞいてみると結構楽しいですよ。

根本ゆみ


<次回は…>
今回は生薬について、調べながら私自身もとってもお勉強になりました! 今回ご紹介した生薬のほとんどは漢方薬としても使われるものばかり。飲んでよし、塗ってよしの天然成分の偉大さには本当にびっくりです。
ここでひとつ皆様にご注意点。生薬に関するクチコミの情報はたくさんありますが、本当にその人の肌に合うかどうかはわかりませんよね。手作りの化粧水などを作るときには必ず皮膚科医や漢方薬局に相談することをおすすめします。
次回は、同じく天然の植物系成分として注目されているお米、特に「コウジ」についてです! お楽しみに♪



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