2001.5.11号




 「仰向けで寝るのがつらい」「座るときに足を組んでしまう」「歩いているときによくつまずく」「O脚、またはガニマタだと言われる」。この中で当てはまるものがある人は、体がゆがんでいる可能性があります。普段の生活習慣が体のゆがみをつくる原因になり、健康や顔のバランスまで崩してしまうことも。あなたの生活の中に潜むゆがみの原因を分析して、心身ともに健康に美しく変身しましょう。


ゆがみは顔に出る

 「目がぱっちりしている」「下ぶくれの顔である」など、美人の条件は時代によって様々ですが、その中で唯一変わらない定義があります。それは顔が左右対称でバランスがとれていること。体がゆがんでいると、顔全体にもさまざまな影響が出てしまいます。

(1) 片方の目がもう片方の目に比べ、小さく見えたり、左右の眉の位置が違ってしまう
   片方の目が小さく見えるのは、同じ側の体のゆがみがこめかみにある骨に影響を及ぼし、眼球が小さくなることにより起こる場合があります。それによって、同じ側の眉の筋肉も膨張し、眉じりが引っ張られたように上がってしまいます。逆に、反対側の目は大きく張り出し眉じりもなだらかになるので、左右の眉の位置やアイメークが左右対称に決まらないのは、ゆがみが原因の可能性もあります。

(2) 目の下のクマがひどい
   ゆがみの影響で左右の目の大きさが違うと、小さい方の目の周りの筋肉が緊張して縮むため、まぶたや目の下がシワになります。シワのあるところは血液の流れが悪くなり、新陳代謝が衰え、そこに紫外線が当たることによって、クマやくすみができてしまいます。一般的にシワやクマは疲れや寝不足が多くの原因だといわれていますが、体のゆがみにより疲れやすくなり、疲れが目元に出てしまうこともあるのです。

(3) 口角が下がる
   体がゆがむと顎関節がずれて、左右の口の中の広さに違いが出てきます。そのため、広い方でばかり食べ物を食べてしまう癖がつき、頬の筋肉にも左右差が生じます。その結果、バランスが悪くなり、口角が下がってしまう原因になります。口角が下がると、年齢よりも老けて見えてしまいます。
顔のゆがみは、かみ合わせなどの問題もありますので、左右でかなり差がある場合には歯科医に相談して下さい。



気をつけて!ゆがみをつくる日頃のなにげない習慣

姿勢の偏りは背骨をゆがめるので、背骨の中を通っている自律神経に変調をきたします。自律神経は内臓、ホルモン、皮膚など、体のあらゆるところに関係します。ゆがみが原因で顔のバランスだけでなく、体のバランスも崩してしまうのは、このためです。そこで体のゆがみの原因につながるいくつかの事例と対処法をご紹介しましょう。

(1) デスクワーク
   椅子に座っている時間の長いデスクワークの場合、長時間同じ姿勢をとっていると知らず知らずのうちに背中を丸めて、前かがみの状態になっていたり、首を常に下に向けている状態になり、脊椎、頸椎、腰椎に負担がかかってしまいます。
  また、パソコンが机の片側にあり、机にななめに座っている形になっている人はいませんか?反対側に資料を置いて作業していると、体をねじった状態になります。同じ方向にねじれた状態が続くと、背骨に無理な力がかかり、これもゆがみを引き起こす原因になりますので、体に負担のかからないような環境を整えるように心がけます。

(2) かばんの持ち方
   ショルダーバッグをいつも同じ側にかける習慣のある人も要注意。例えば、いつも右肩にショルダーバッグをかけている人の場合、右側の肩が上がり、左側の肩が下がってしまいます。これは、右肩の筋肉ばかりを頻繁に使うことで、左肩の筋肉が弱ってしまうために起こるゆがみです。
 普段バッグをかける側と反対の肩にかけたときに違和感を感じるのは、左右の筋肉のバランスがくずれているためです。両方の肩や手に交互にバランスよくバッグを持つことで、左右の筋肉をバランスよく使いましょう。
 理想的なのは両肩に同じように重さがかかるリュックですが、カバンを持つ場合でも交互にバランスよく持つように意識すると、ゆがみを矯正する効果があります。

(3) かみ方
   食べ物は、左右対称の位置でバランスよくかむことが大切です。片方でばかりものをかんでいると、使わない方のあごの筋肉が弱って、使っている側に顎関節が移動し、顔のゆがみが起こります。
 また、よく使う側の首の筋肉が異常に凝ってしまうため、肩こり、偏頭痛、腰痛を引き起こす原因にもなります。片側でかむ癖がある人は意識して左右対称にかむことを心がけるようにしましょう。

(4) 寝る姿勢
   人は寝ているときも絶えず呼吸をしています。そして、呼吸のたびに顔は0.1〜0.2ミリ膨らんだり元に戻ったりしています。ところが、いつも同じ側を下にして寝ていると、片側に頭の重さが集中し、ほおに負担がかかります。その結果、ほお骨の出方がアンバランスになったり、頭蓋骨がずれてしまうこともあります。
寝入るまでは、あおむけで手足をゆったり開き、体重が分散されるような形で寝るようにします。あおむけで寝るのがつらい人は、枕の位置をずらして、自分にとって心地よいポジションを見つけましょう。
寝返りを打つことで、本能的にゆがみを矯正し、ずれてしまった内臓を正しい位置に戻す働きもありますので、寝方に関しては神経質になりすぎないようにします。

(5) ほおづえ
   普段、なにげなくとってしまうことが多いポーズであるほおづえも、顔がゆがむ原因になります。あごを下から押し上げることで、骨が圧迫されてしまいます。また、電話を肩とあごの間にはさむポーズも肩からあごの筋肉が緊張して、肩こりの原因になります。

 ゆがみを治すために一番大切なのは、筋肉や関節に正しい位置やバランスを記憶させることです。筋肉のストレッチを生活の中に取り入れたり、ゆがみにつながる日常の生活習慣を改めれば、あなたの美しさにさらに磨きがかかることでしょう。


(石亀佳代子)

writer's eyes
 何もないところでつまずくことが多いライター。体のゆがみが原因なのかもしれないと思いました。ゆがみが体全体に及ぼす影響の大きさを知り、大きなバッグを持つときには左右バランスよく交互に肩にかけて歩いたり、体のゆがみを意識しながら生活するようになりました。

■参考文献 / 『KIREI』(2001年3月号)
『爽快ヨーガ健康法』(講談社)


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