2001.5.25号




 誰から指摘されたわけではないけど、何となく自分の口臭が気になった経験はありませんか?口臭が気になると、相手と話すこともおっくうになってしまうもの。昼食後にオフィスやお出かけ先で歯を磨く人を目にするようになりましたが、口臭予防や歯の健康に高い関心を持っている表れだといえるのではないでしょうか。
 そこで今回は、ちょっと気になる口臭の原因を徹底的に分析していきます。


口臭の原因について

 まず注意しておきたいのは、口臭は誰にでもあり、異常なことでも恥ずかしいことでもないということ。本来生きている証として、生物には「におい」があります。欧米人は何もしなければ、体臭や口臭があって当然という考え方が定着しています。口臭の原因は幾つかに分類されます。

(1) 生理的な口臭
   これは誰もが持っているにおいで、基本的には気にならないものです。緊張してだ液が出にくくなると、口臭が発生します。また、睡眠中は口を動かさないので、だ液の分泌が少なくなり、バクテリアが増えやすい環境になります。朝起きたときに口臭を感じるのは、そのためです。これらは、特に気にする必要はありません。

(2) 食べ物による口臭
   ニンニクやニラ、ネギなどのにおいの強い食べ物を食べた後に、口臭がひどくなることがあります。体内に取り込まれたにおいの元となる成分は腸で吸収されて血液に混じるため、いくら歯磨きをしても口臭を完全になくすことはできません。これは牛乳やレモン、緑茶などの消臭効果のある食べ物を組み合わせることである程度、防ぐことができます。

(3) 病気が原因の口臭
   代表的なものは虫歯や歯周病ですが、これらは口臭の元になります。食べカスをそのままにしておくと、口腔細菌が悪臭の元になる揮発性硫黄化合物を発生させます。

(4) その他
   胃腸の具合が悪かったり、肝臓や肺の病気、糖尿病、口腔器関係の病気が口臭の原因になっていることもあります。歯医者で定期的にケアを受けて、きちんと歯磨きをしているのに口臭がきついといわれる人は、他の原因を疑ってみる必要があります。専門家によると、口臭の発生源の約8割は口の中にあり、残りの2割は呼吸器疾患や消化器疾患が原因といいます。ここでは前者の口臭について、レポートしていきます。



口臭を改善するためにどうすればいい?

 気になる口臭の原因が“口の中”にあることがわかったら、どうすればいいのでしょうか?ここで生活の中で実践できる口臭予防のポイントをご紹介しましょう。

(1) 食生活を改める
   だ液の分泌が増えると口の中が清潔になります。きれいな息をつくるためには、何よりもよく噛むことです。どんなものを食べるときも、最低20回は噛むように心がけましょう。噛みごたえのある食物繊維の豊富な食材を食事に積極的に取り入れれば、口臭を予防してくれるだけでなく、腸の中もきれいになります。
 また、甘いものや、やわらかいものばかりを食べていると、だ液の分泌が悪くなるだけでなく、歯に歯垢がつきやすくなりその結果、虫歯になる可能性が高くなります。

(2) 虫歯と歯周病予防のために定期的なケアをする
   虫歯と歯周病を予防するためには、正しい歯磨きの習慣を身につけましょう。虫歯の元になる虫歯菌はうがいで落とすことはできません。
 歯科医院で正しい磨き方をチェックし、歯肉を痛めないようにします。歯ブラシはさまざまなタイプのものが市販されています。歯垢をしっかり落としたい、磨きにくい奥歯をきれいにしたい、弱った歯ぐきをブラッシングしたいなど、自分の目的に合ったものを選びましょう。
 歯ブラシだけで取り除くことができない歯垢は、デンタルフロスや歯間ブラシを積極的に使います。デンタルフロスは歯と歯の間の歯垢を取るとき、歯間ブラシは歯の根元のすき間の歯垢を取るのに効果的です。
 また舌のケアですが、過剰に舌苔(ぜったい)がついている場合、舌を磨くと口臭が軽くなったような気になりますが、これは一時的なものです。研磨剤を使ったり、力を入れてこすると、逆に舌の状態を悪化させていくことにもなります。1日1回、タオルやガーゼ、または歯ブラシを使って、やさしくぬぐいとるようにするのが正しいやり方です。現在、舌苔を取るグッズも販売されています。
 また、最低でも3ヶ月に1度は歯科医院で定期的な検診を受けましょう。普段の生活の中で取りきれなかった歯垢をきれいにしてくれるだけでなく、自覚症状がなく進行する歯肉炎や歯周病を発見することもできます。歯周病は口臭の原因にもなりますので注意しましょう。

(3) 生活習慣を見直す
   一見、口臭の原因になっていることに気づかないような生活習慣もあります。
 例えば、タバコは口臭の原因となるニコチンやタールが含まれますし、胃が荒れることもにおいの原因になります。喫煙習慣と歯周病の相関関係も統計的に報告されていますので、口臭が気になる人はタバコが原因の1つである可能性があります。
 また、緊張するとだ液の分泌が悪くなり、口臭を招く原因になります。ストレスの多い生活をしている人は、気持ちをリラックスできるような生活をするように心がけます。食後に消臭成分のフラボノイドが含まれる緑茶を飲むと、細菌の増殖を抑える効果があります。
ホッと一息入れたいときにお茶を飲めば、リラックスすることもできますので一石二鳥。フラボノイド入りのシュガーレスガムもだ液の分泌を促し、口臭予防の効果につながります。

 気になる口臭が1日で解消されることはありませんが、あなたの生活を見直すことで、軽減できる場合が多いのです。あわてずあせらず、マイペースで進めていきましょう。


(石亀佳代子)

writer's eyes
 今までいろんな歯ブラシを使ってきましたが、編集長にすすめられて購入した歯ブラシが、ここ最近の一番のヒット商品です。それはライオンの『デンターシステマ』という歯ブラシ。毛先が超極細毛で歯と歯ぐきのせまいすき間にも入り込んでいるような感覚があります。
口腔ケアグッズも多彩になり、どんどん進化していることを感じます。

■参考文献・サイト/ 『朝日新聞』 http://www.asahi.com/
『産経新聞』http://www.sankei.co.jp/
『クロワッサン』(2001年2月25日号)



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