| 自然の恵みがたっぷり含まれた旬の素材の味は格別。味だけではありません。旬の素材には、そのとき私たちが必要とする栄養分が豊富に含まれているのをご存じですか?食卓に季節感のある食材を取り入れることは、心を豊かにしてくれます。食べておいしく、そして内側から美しくなれる。そんな旬の素材が持つ魅力に迫ります。 |
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| 謎の多いサンマの生態 |
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細い路地裏へ七輪を持ち出し、煙をうちわで仰ぎながらサンマを焼く、秋の風物詩ともいえる光景も今では珍しいものになってしまいました。今は、どこかの家庭の換気扇から流れてくるサンマを焼く香りが、時折、秋を感じさせてくれます。 |
サンマは秋が旬で銀の刀のような形をしていることから、“秋刀魚”と書くようになったと言われています。ダツ目サンマ科の回遊魚で、日本からアメリカ西岸の太平洋北部に及びますが、分布の中心は日本近海です。サンマの群れは14〜18度の水温とエサを追って、移動します。夏にはオホーツク海まで北上し、秋になると群れをつくり、朝潮に乗って南下します。この魚群が東北から関東の沖合を通る10〜11月が最漁期になります。
サンマはとてもデリケートで、強い光やちょっとした衝撃に弱い魚です。驚くと、サンマ同士がぶつかったり、水面上を弧を描いて跳びます。寿命は1年とも2年とも言われていますが、水温と生育の関係、自然界での詳しい生態についてはまだまだわかっていないことも多いといわれています。 |
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| ダイエットの強い味方!脂肪ビタミン |
サンマはアミノ酸価が高い良質のタンパク質源です。脳の働きを活発にし、動脈硬化、脳卒中、免疫性疾患などの予防や改善に効果があるといわれているDHA(ドコサヘキサエン酸)や、血液をさらさらにする働きによって動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、脳卒中、高脂血症などの予防・改善をするEPA(エイコサペンタエイ酸)が多く含まれています。
また、ビタミンA(レチノール)は皮膚や粘膜を丈夫にし、眼精疲労、ガンの予防にもなります。血合の肉には、ビタミンB12が多く含まれ貧血に効果があります。独自の苦みがあるハラワタは、カルシウムや、不足すると口内炎を引き起こす可能性のあるナイアシンを摂ることができます。
サンマの栄養分はこれだけではありません。身体の中にある脂質を分解してエネルギーにするときに必要なビタミンB2(パントテン酸)を含みます。これは分解ビタミンと呼ばれ、ダイエットや健康にも大切な栄養素です。必要量はサンマ1尾で一食分に相当します。水に溶けにくく、熱にも強いので、加熱しても栄養素は変わりません。脂質の摂取量が多い人は多めに摂る必要があります。サンマにはビタミンB2の分解を促進するパントテン酸も含まれていますので、健康な体を維持するためにも、サンマを食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。 |
| おいしいサンマの見分け方 |
1年で一番、サンマに脂が乗るのが秋。尾びれの黄色みが強いほど、脂肪分が多いと言われています。脂肪分は9月に10%、10月に20%と増えていきますが、産卵後には5%に落ちます。それでは、実際にお店でどんなサンマを購入すればいいのでしょうか?見分け方には幾つかポイントがあります。
| (1) |
背中が厚い→シャープなものより太めの方が脂がのっています。 |
| (2) |
黒目の周りが透明で澄んでいる・背中が青黒く光沢と張りがある→新鮮な証拠。 |
| (3) |
お腹を触ったときに固い→魚は内臓から悪くなるので基準になります。 |
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「クチバシが黄色いものが鮮度がいい」と言われることもありますが、サンマの成長の程度がわかるものの基準にならないというのが、最近の定説になっています。 |
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おいしいサンマを手に入れられるかどうかは、選ぶ側の腕の見せどころ。新鮮で脂ののったサンマを味わうために、購入する前にはこうした事前のチェックをオススメします。 |
| シンプルだからこそ、こだわりたい!サンマの焼き方 |
旬の魚は塩でシンプルに焼いただけでも、とてもおいしくいただけるもの。料理がシンプルだからこそ、焼き方にはこだわってみたいところです。
まず、下ごしらえですが、焼く直前(10〜15分前)に塩を振ります。塩を振って長時間置くと、浸透圧の関係で魚の旨みが逃げてしまいます。お好みに応じて、塩を振りかけます。網は充分に熱して、油かお酢を塗っておくと、皮をきれいに焼くことができます。
火力は遠火の強火で一気に焼き上げるのが理想的です。七輪で焼いたサンマがおいしいのは、遠火の強火で中まで火が通るから。強火で一気に焼くことで、タンパク質がすばやく凝固し、旨みが逃げません。近火で行うと、サンマの内部まで火が通る前に表面が焦げてしまいます。家庭のグリルなどで焼く場合には、アルミホイルを巻いたり、火の加減をして調節するといいでしょう。焼くときに油が酸化するため、焼きすぎには注意しましょう。
焼きサンマといえば、忘れてならないのが大根おろし。焼き魚のコゲには発ガン物質があるという話がありますが、大根はコゲに含まれる発ガン物質を中和してくれます。昔ながらの焼きサンマに大根の組み合わせは、大変理にかなっているといえます。 |
| 骨まで無駄なく利用できるサンマ料理 |
食べ終わった後に残るのは、頭と骨。これも一手間かければ、新しい料理に大変身します。骨は片栗粉をまぶし(カレー粉を少量加えると、香ばしさがアップします)、中温の油でカラッと揚げれば、カルシウム豊富な「骨せんべい」の出来上がりです。酒のつまみにも、お子様のおやつにもなります。
お刺身を作ったときに残ったサンマの頭、中骨、腹身はお吸い物になります。まず、アラ(頭、中骨、腹身)を水でよく洗っておきます。鍋に人数分のお水を入れ、鍋底大の昆布を入れて、弱火で煮ます。そこに、お酒を少量、みりんも少量加え、沸騰してきたら、塩だけでシンプルに味付けをします。そこにサンマのアラを入れ、弱火で沸騰するのを待ちます。沸騰したら、すぐに火から下ろし、バスタオルで10分間鍋を保温すれば完成。にごりのない味わい深いお吸い物になります。 |
writer's eyes
冷凍物が出回っていて、一年中食べられるサンマですが、脂ののった旬の魚はやはりひと味違います。外食が多くなると、青魚を食べる機会はグンと減りますが、美容と健康のためにも、せめて自宅にいるときにはサンマの味をゆっくり味わうことができたら、幸せなことだと思います。 |
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