2001.10.19号


 

 ハイドロキノン

皆様!! お待ちかねの成分マニュアルIIがスタートしました! 前回同様、これまで何気なく親しんできた成分から新しい成分まで、いろいろな観点から掘り下げていきます。皆さんも一緒にお勉強していきましょう!
さて、成分マニュアルIIの第1回目は、先日の特集で何度か出てきた美白成分「ハイドロキノン」について。 なんだか聞き慣れないな、と思う方も多いと思いますが、それもそのはず。この「ハイドロキノン」、日本では医師の処方箋でしか手に入らないからです。


「ハイドロキノン」って?
ハイドロキノンは、シミの原因であるメラニン色素の合成を阻止する働きのある成分。「肌の漂白剤」とも言われる強力な作用を持っています。 一般に市販されている美白用化粧品でも最もポピュラーな成分としては、古くはアルブチンや、天然成分ということで注目されたコウジ酸などが挙げられますが、医薬部外品で使用されるこれらの成分には、主にその濃度に限界があり、市販の美白製品だけではなかなか劇的な効果は望めないというのがホントのところ。 きれいねネット9月の特集『やっぱりスゴい! ドクター処方の「お肌の薬」最前線』でも触れたように、ガンコなシミ退治には、やはり皮膚科に駆け込むのが得策と言えそうです。
そこで、皮膚科ならではの特効薬、「ハイドロキノン」の出番!というワケです。


その美白効果はアルブチンの約100倍以上(!) と確認されています。
強い作用のあるハイドロキノンは、アレルギーや炎症を起こす可能性があることから、日本では医薬品成分(医師の処方による使用)とされていますが、欧米では2%までの濃度ならば、市販化粧品に使う成分として認められています。(4%以上になると医薬品扱いになります。)
日本では、東大皮膚科や北里研究所美容医学センターなどで処方されたのをきっかけに、今では日本のほとんどの皮膚科やクリニックで「シミ取りクリーム」として処方してもらえるようになりました。また、クリニックによっては、レーザー治療との併用も勧められているようです。
ハイドロキノンがレーザー治療との併用を勧められている理由

それは、ハイドロキノンが皮膚に浸透しにくい成分だからです。 シミ部分の古い角質をピンポイント的に除去することで、薬品の成分をより皮膚に深く浸透させるというのもレーザーの役割のひとつです。 また、レーザー治療ではなく、フルーツ酸などによるケミカルピーリング後に使用するクリニックもあります。
ただし、ピーリングの種類が増えた最近では、いくつかのピーリング工程を重ねた後で(例:クリスタルピーリング後にケミカルピーリングを行なうなど)ハイドロキノンを使用するクリニックもあるようですが、これは、はっきり言って危険! 皮膚のバリア機能がない状態で使用すると、ひきつりや炎症を起こす恐れが倍増します。ピーリングと併用する場合は、医師とよく相談しましょう。


アメリカではドラッグストアで気軽に買える!
先にお話したように、欧米…特にアメリカでは市販薬として認可される2%濃度のものであれば、ドラックストアなどで気軽に買えます。 日本に居ながらにして入手しようと思うならインターネット通販が最適でしょう。でも、お手頃な値段というわけではない上に、「試してみる」というわけにもいかない分、よく見極めて選ぶことが大切です!


日本の皮膚科で処方してもらえるハイドロキノンクリームの濃度
皮膚科医では、その人のシミの度合いや皮膚の性質などによって濃度を調節してもらえると思いますが、「青山皮フ科クリニック」では10%、「シロノクリニック」では3〜7%、「リッツメディカルクリニック」では7%という具合に、4%以上10%以下の範囲で適用されているといえるでしょう
詳しく見たい方は『特集・やっぱりスゴい! ドクター処方の「お肌の薬」最前線』を見てみてくださいね。


ハイドロキノンと同様の働きをするのがコウジ酸!
成分マニュアル Iでもご紹介した「コウジ酸」。 ハイドロキノンでアレルギー反応が出てしまう人に最適なのが、同様の効果を発揮してくれる天然植物成分です。もちろん副作用はほとんどありません。 ただし、このコウジ酸は「穏やかな効き目」と言われるだけに、即効性はありません。せっかちさんにはやや不向きかも……! クリニックのなかには、ハイドロキノンのクリームとコウジ酸のクリームのどちらも用意してくれるところが増えてきています。
知る人ぞ知る、「オバジ」って何?

ビューティ・フリークの方々はもうご存知かもしれませんね。「オバジ」=「ドクター・ゼイン・オバジ」とは、アメリカのビバリーヒルズで最も有名な皮膚科医であると同時に、「スキンヘルスレストレーション(皮膚を再生するという意味を持つ造語)」の第一人者。 独自の理論を確立し、世界中の皮膚科医、形成外科医の注目を集めました。レーザー治療、ケミカルピーリング、皮膚移植、独自のクリームプログラムなどを主軸として治療・研究に従事しています。
女性誌で一時ひそかなブームを巻き起こした
「ブルー・ピーリング」もオバジの技


日本の皮膚科医が行っているTCA酸(※)を用いたピーリング方法のひとつ。(※TCA酸=トリクロール酢酸。ケミカルピーリングの場合は強い酸を用いて皮膚の表皮を灼焼する働きをします。アレルギー性鼻炎の治療にも使われるそうです。)「ブルー」とは、塗る液が青いことから命名されたのですが、これは酸の濃度を目で見て調節するため。日本人にとってはかなり斬新な方法のため、大ブレイクこそはしませんでしたが、ウワサではハリウッド女優をはじめ、あの松田聖子さんや、鈴木その子さんも受けた(?)とのことです。
そして「オバジ」の「NU-DERM クリームプログラム」

このオバジブランドのクリームプログラムは、ハイドロキノンをはじめ、フルーツ酸、レチノール酸という3つの話題の美白成分を取り入れた医療薬品。 肌の古い角質を取り除き、肌の健康そのものを再生させるという目的に基づいて開発されたプログラムキットです。かなり根気のいるプログラムながら、クチコミ人気が絶えません。
(オバジの製品をちょっと見てみたいという方はこちらをご覧下さい→インターネットのコスメティックストア「ibeauty Store」で「オバジ」を発売中です。 http://www.ibeautystore.com/asp/exp/94.html
遂にオバジ製品が日本に上陸!
ハイドロキノン配合の美白化粧品というわけではありませんが、ビタミンCを主成分とした「オバジ」ブランドの肌再生美容液が今年の6月から日本のドラッグストアでも買えるようになっています。
「オバジC10」ノーマル肌用美容液
 30ml \8,000
「オバジC5」デリケート肌用美容液
 15ml \5,000
アメリカで有名なもうひとつのハイドロキノン製品、
ICN社の「ソラキンフォルテ」

アメリカのICN社は、世界有数の皮膚科医師の知識と技術を取り入れ、30年ほど前からハイドロキノンをはじめとする美白の医療薬品、化粧品などを製造しています。ハイドロキノンを4%配合。 クリームなら、20gのチューブで約¥8,000前後と値段は少々高めですが、シミ、色素沈着に即効性があるということで日本でもクチコミ人気の高いアイテムです。ほかにはジェルがあります。 オバジのクリームプログラム同様、日本では正式には未発売。主にインターネットの個人輸入で入手可能です。


ハイドロキノンのちょっぴり危険な一面
ハイドロキノンはメラニンを生産する酵素の活性や合成を抑えるだけでなく、高濃度を長期に使用した場合にはメラニンを作る細胞を破壊して、逆に肌を白くしすぎてしまうという可能性もあります。ですから医師に相談しながら使用することが必要です。
また、ハイドロキノンは、写真の現像液などにも使用されています。ちょっと専門外なお話ではありますが、ネガやポジを「現像する」ということは、「酸化させる」ということです。その工程においてハイドロキノンが重要な役割を果たしているわけですが、つまりハイドロキノンそのものが実は酸化しやすい性質をもっているのです。
だから、ハイドロキノン配合の化粧品を使用する場合は、紫外線に最も注意が必要です
ハイドロキノンでシミを作ってしまっては元も子もありませんよね。

根本ゆみ


< Writer's eye >
ピカイチの効果と同時に間違った使用方法による危険性を併せ持った「ハイドロキノン」。
奥が深いですね……。気分が落ち込んでしまうほどのシミや色素沈着に悩んでいる人にとっては、この上ない「救世主」と言えそうです。 でも、くれぐれも使用の際は注意してくださいね! 次回はちょっと雰囲気を変えて、「ハチミツ」です! お楽しみに♪



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