2002.2.15号


 

 花粉

花粉症のシーズン到来です。「花粉」=「悪者」と思われていますが、皆さんは花粉を出す植物が2種類あるというのを覚えていますか?(そう言えば小学校の時、理科で習いましたよね。)そうです。風媒花と虫媒花。アレルギー蔓延の時代と言われる今、とかく恨まれがちな花粉ですが、今回は「いい花粉」についてお勉強しましょう。


花粉の種類
風媒花・・・ 風が花粉を運ぶ(樹木など、花が小さい植物)
虫媒花・・・ ハチやチョウなどの昆虫が花粉を運ぶ(身近な花が中心。観葉植物もこの種類)
花粉、と言えば花粉症ですが、なにも花粉すべてが花粉症の原因の対象ではないのです。花粉を作る植物には、風によって花粉を運ぶ「風媒花」と、チョウやハチなどの虫が花粉を運ぶ「虫媒花」の2種類があります。花粉症の原因となるのは主に樹木を中心とした「風媒花」の花粉で、花粉のなかでも軽く、遠くまで飛ぶと言われます。一方で「虫媒花」の花粉は人間の身体にとって有効な成分を持ちあわせており、最近では「食べる花粉」などという商品も見かけるようになりました。


ミツバチが運ぶ花粉
ミツバチ(働きバチ)は、花々を訪れて、なにも花蜜を吸っているばかりではありません。ミツバチが蜜を吸いながら、両足をセカセカと動かしているのを見たことがあると思いますが、あれは蜜を吸いながら、足をこすりあわせて花粉を集め、“花粉ダンゴ”にしているのです。粉のままでは運びにくい花粉を採蜜中に、蜜でまるめてダンゴにした、それは“ミツバチのパン”とも呼ばれるものです。“ミツバチのパン”はその後、自分たち働きバチのエサになります。ハチは、それを食べた後、白い分泌物を出しますが、それが栄養補助食品としても有名なローヤルゼリーです。


花粉ひと粒の構造
花粉ひと粒というのは、肉眼では識別できないほど小さいのにも関わらず、そのひと粒ひと粒は内膜と外膜の2層構造になっています。外膜は虫の身体についたり、風で吹き飛ばされたりしても破れない、硬い膜でできており、強くて丈夫。高温で溶けないのですが、人間の体内では分解吸収されます。


花粉を食べて花粉症を撃退!?
花粉が一般的な栄養食品として食べ始められたのはフランス。しかもまだその歴史はほんの20年ほどだということです。 ヨーロッパでは「パーフェクト・フード」とも呼ばれています。
日本でも最近、「食べる花粉」と題した粉末状の栄養食品が見かけられるようになりました。謳われている通り、人体の不調のあらゆる症状を改善させるそうなのですが、これはまさに自然の恵み。天然なのに見事に計算されたバランスで、さまざまなミネラル・ビタミン群などが含まれ、身体の自然治癒力を高めてくれるのです。特にアメリカではその研究がさかんに行なわれていて、免疫力を高める花粉の成分を花粉症の治療に使って効果をあげています。
また、実際に、ハワイの原住民は美容目的でパインの花粉をパンに練りこんで食べていたとのこと。現在ヨーロッパでは、花粉をバターと練り合わせたり、ハチミツにまぜたりして食べています。日本でも味噌汁や卵焼き、牛乳やヨーグルトなどに混ぜて摂り入れる人が増えています。

花粉に含まれる成分

糖質
(炭水化物)
花粉に含まれているのは、単糖類、多糖類、澱粉などで、この糖質はエネルギーのもとに。
たんぱく質 タンパク質がなんと35%も含まれています。花粉のタンパク質は、大豆、小麦胚芽、卵、ナッツなどと同じくらい上質のタンパク質です。
脂肪 花粉に含まれている脂肪は、肌の保湿にもいいとのこと。もちろん、カロリー源としても有効。
ビタミン 花粉には驚くほど多くのビタミンが含まれています。特に多いのはビタミンB群で、なかでも普段の生活で不足しがちなビタミンBが主要ビタミンと言われています。また、ビタミンCも豊富。美肌効果も望めそうです。
ミネラル 花粉は人体の新陳代謝に必要なカリウム、マグネシウム、カルシウム、銅、鉄、ケイ素、リン、硫黄、塩素などミネラルを多量に含み、血液をアルカリ性にしてくれる働きがあります。
酵素 花粉から抽出される酵素は、カタラーゼ、アミラーゼ、サツカラーゼ、コチマーなどなんと8種類以上!なかでも、カタラーゼは、細胞の老化を遅らせる効果があります。
強い殺菌力
 の抗生物質
フランスの医学界では、花粉中にある抗生物質に強い殺菌力があるということが明らかにされたそうです。サルモネラ菌(チフスや食中毒の原因となる菌)や腸内腐敗菌、大腸菌などに対して、強力な殺菌力を発揮すると言われています。その抗生物質の細かな内容はいまだ研究が進められており、神秘的な部分も多いとされています。


花粉とローヤルゼリーとプロポリス
花粉やローヤリゼリー、プロポリスはどれも同じようなものと思われがちですが、作られ方や成分に違いがあります。

★ローヤルゼリー:
ハチは蜜を集める時、身体に花粉をつけて巣箱に帰ってきます。この花粉を丸め花粉ダンゴを作って巣箱に蓄え、エサにします。働きバチはこれを食べて白い分泌液を出すというのは先にも触れましたが、これが今度は女王バチのエサ、つまりローヤルゼリーになるわけです。16種類のビタミンやミネラル、酵素、アミノ酸、26種類に及ぶ有効成分を含んだ驚異の物体。また、ローヤルゼリーは、女王バチだけが食べる唯一の物質で、並外れた産卵能力(1日に2,000個以上卵を産みます!)と、通常50日間の寿命を3〜5年に延ばす力を与えると言われています。スゴすぎます。

★プロポリス:

ミツバチが大切な巣を細菌感染やウィルス・バクテリアから守るために作り出す、純粋な有機物質です。抗菌性のある樹液(柳・樺・ポプラ・ユーカリなど)を働きバチが収集し、自分の唾液(酵素)と混ぜ合わせて作ります。そうして作られた「プロポリス」を巣に塗り、ハチ自身もこの有機物質に身体をこすりつけることで、自らの免疫力を高めています。(「発掘!あるある大辞典」http://www.ktv.co.jp/ARUARU/でも特集されました!)


根本ゆみ


< Writer's eyes >
どうでしたか?「いい花粉」の話。本当のところ、花粉のなかに含まれる成分まではわかっていますが、どうして人間の健康維持に効果があるのか、そのひとつひとつの詳細分析については研究中で、いわば「神秘」のまま。花粉を集めた働きバチたちがどんな環境に生息していたか、どんな健康状態だったか、どの花の花粉をどんなふうに集めまわってきたのか……などなど、本当に計り知れない膨大な要素が組み合わさってできた、完璧なる自然の産物なのです。「ハチ任せ」の健康食品……。でも、これって本当の意味で天然物質なんですよね。次回は脂肪を燃焼させるという噂の「カフェイン」についてです。お楽しみに!



■参考サイト
 「花粉研究会」http://www.kafunken.com


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