2004.3.10号






 今回は、爽やかな色味がとってもリフレッシュ気分にさせてくれるグリーンの石を中心に研究してみました。グリーンという色は、カラーセラピーの側面からは、心身のバランスを整える作用があると言われています。また、気持ちが揺らいでいるときには方向性を見出す判断力を授けてくれるなど、頼もしいパワーもあるようです。見た目の印象通り、癒しのパワーが強い色といえるのかもしれませんね。2004年の春を思う存分楽しむためにも、グリーンの石の力を借りて気分をリフレッシュしてみませんか?


グリーンの石といって思い浮かぶのが、エメラルド、アラカイト、ヒスイの3種類の石ではないでしょうか。古くから珍重されてきたこの3種類の石、今ではカジュアルなデザインジュエリーも多く出回るようになりました。お値段も、その質によってピンキリですが、質や値段よりはむしろ、自分のインスピレーションに従って選ぶのがやっぱり吉といえるでしょう。

エメラルド (Emerald)
古代から胃腸病や眼病の治療薬として(舌下に含んだそうです!) 、また安産のお守りとして利用されてきたというエメラルド。 人の心に安らぎを与える貴石としても崇拝されてきました。ラテン語で「深く美しい緑」を意味する「エスメラルダ」が語源となっています。あのクレオパトラがエメラルドの虜になり、自らエメラルド鉱山を所有したという逸話に端を発し、エメラルドには様々なエピソードがあります。「最後の晩餐に出てくるキリストの聖杯はエメラルドでできていた」という話も、また「ローマ帝国の暴君ネロは、戦いの際にこの石でできた眼鏡をかけていた」という話も言い伝えられています。(確かに、「緑」を見つめていると、目の疲れが取れるような気がしますよね。) このように、エメラルドに魅せられた人々は、所有する人に幸福をもたらし、未来を予知する能力に溢れていることを知っていたのかもしれません。
エメラルドは主に「エメラルドカット」という、長方形の角を取ったような形にシェイプされたものが主流でしたが、最近ではペアフェイプ(洋ナシ型)などさまざまな形にカットされたものも見かけられ、ファッション性が増しています。エメラルドの特徴は、その独特の美しいカラーはもちろんのことですが、「エメラルドにキズがないものを探すのは欠点のない人間を探すより難しい」と言われるほど、どの石にもキズがあります。
写真上: エメラルドカットを施されたリングの一例。石のテイストから言って、主にアンティークなど古典的なデザインのものが人気。
写真下: このイヤリングのように丸くカットされたものは石の強度の問題もあって、あまり見かけることはありません。(友人所有のアンティークもの)

マラカイト(Malachite)
緑色が綺麗で別名「孔雀石」と呼ばれているマラカイト。マラカイトは人の心をリラックスさせる効果があると言われています。また、一方では危険を察知する石としても知られ、危機が近づいた時に割れて知らせてくれたなどという驚きの言い伝えもあります。さらには、相手の本心を見抜き、物事の本質を見る直感を授けてくれるともいわれ、俗に対人商売である「営業マンの石」とも呼ばれているそうです。交渉事が多い仕事をしている人には欠かせない石かもしれません。古代エジプトでは、このマラカイトを細かく砕いて粉末にしたものを、顔料やアイシャドーとしても使っていたとのこと。化粧としてというよりは、マラカイトの主成分である「銅」が、目元に塗ることで害虫よけとして威力を発揮したそう。
エメラルドのような透明感はありませんが、層のような地模様があるのが特徴。インディアンジュエリーなどに加工される場合も多く、エレガントな宝石としてというよりは、カジュアルなアクセサリーとして身につけるのがおすすめです。
ヒスイ・翡翠(Jade)
ヒスイは調和の取れた関係性や親交の石。東洋のエメラルドと呼ばれることもあり、古代の東洋文明においては、エメラルドと同様にヒーリングストーンとして珍重されました。儀式や宗教的な用途に使用されたり、また、富の象徴として結婚のお祝いに贈る風習もあったようです。日本においても有名な逸話が残されています。
写真:イギリスのアンティーク。昔、ヨーロッパではこのように昆虫や花など自然をモチーフにしたジュエリーが流行っていました。この写真の虫は何でしょう?(祖母が持っていたものでよくわかりません…。)



新潟県糸魚川(いといがわ)市は、『古事記』にも記されたある有名なエピソードの発祥の地。
時はずーっとさかのぼり、弥生時代。この地は奴奈川(ぬながわ)姫という女性が治める、豊かな土地と平穏な暮らしに恵まれた国でした。この奴奈川姫が後に他国から大注目を集めることになるのですが、その理由は、実は彼女がヒスイの勾玉を操る名手であったから。この国の富と平和はそのヒスイの力であるということに気づいたある人物が彼女に接近を試みたのです。
当時、日本は「出雲の国」(今の島根県)と、「大和の国」(今の奈良県あたり)が日本の統一をめぐって争っていました。なかなか決着のつかない争いに業を煮やした出雲の大国主命(オオクニヌシノミコト)は、奴奈川姫の不思議な力の源である、ヒスイを手に入れる事を思いついたのです。最初はヒスイを手に入れることばかりを考えていた大国主命でしたが、徐々に彼女の内なる魅力にも惹かれ、彼は奴奈川姫に結婚を申し込むため、はるばる出向くことになったそうです。この経緯の詳細は『古事記』では、日本最初のラブロマンスとして、多くの美しい詩と共に描かれています。 ヒスイという石が、所有する人の魅力を引き出し、多くの幸せを授けるということ確固たる証拠になるお話なのかもしれませんね。 大国主命がまつられている出雲大社には今でも、奴奈川姫が所有したヒスイの勾玉がまつられています。
★詳しくは新潟県糸魚川市のホームページで!


エメラルドは5月の誕生石としても有名ですね。でも、ところで誕生石って、誰が決めたんでしょう?
誕生石の由来には諸説あるようで、旧約聖書「出エジプト記」に登場する司祭長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石が起源だという説や、新約聖書の「黙示録」に登場するエレサレム城壁の台座に埋め込まれていた12個の石からはじまったという説など実にいろいろ。 現在の一般的な誕生石の風習は、生まれた月によって運命が定められているという言い伝えと、古くからの占星術の解釈などがミックスされてできあがったものです。各月の誕生石は国によって違いがあり、アメリカでは、1912年頃に宝石小売商組合が定めたもの。日本では、1958年に日本宝石商組合が決定したものなのだそうです。
人間の心の中では、誕生日から次の誕生日を迎える日=1年ごとに“善の神”と“悪の神”が争うという古代ギリシャの仮説のもと、生まれ月ごとにその人を悪から守るための存在として考えられているのだとか。つまり、自分の誕生石のもつパワーこそ、自分の弱さをカバーしてくれる力。誕生石、改めて見直したいものですね。

“月光浴”で石があなたに妖力を与えてくれる!?
月の光は人間、特に女性に優しい存在であることを知っていますか? 月の満ち欠けが約29.5日ごとに繰り返されることと、女性が1ヵ月(約28日)で月経を繰り返すことは連動しているという研究者は多いのです。もともと、月の光には優しい波動があり、苦しんでいる人の苦しみを取って元に戻す効果があるなど、その不思議なパワーは様々な形で言い伝えられてきました。実際、満月の日には出産率が高いなんてデータもあるのですよ。満月の夜こそ、女性の魅力が最大限に“熟される”時なのかもしれません。 このように、デリケートな女性の身体と呼応するといわれる月の光には、石を浄化してくれる力もあるとされています。いつも身につけている石を月明かりの下に2〜3時間置いておくと、石本来の力が蘇り、一層パワーを増すそうです。 おすすめは、石と一緒に自分も月光浴♪ 特に、満月を眺めてボーッとする時間が明日の活力を補充してくれるのです! 男性は“狼男”に変身しちゃうのかもしれませんが。


根本ゆみ

writer's eyes
今回「Topics」でご紹介した月光浴ですが、月のみならず自然に触れることは心の癒しに繋がると多くのセラピストが言っています。大抵は夜となると、おいしい食事やお酒、夜遊びに夢中になるばかりで、月をじーっと眺める時間などほとんどないのが現実。深呼吸しながら月を眺めたり、裸足で土を踏んだり、水の流れる音を聞いたり・・・ほんのささいな事で精神的にリセットすることが可能。だんだんと暖かくなってくる今こそ、自然浴、皆さんも試してみてくださいね! 次回はキング・オブ・ザ・幸運の石=ラピスラズリがテーマです。お楽しみに。

■参考文献/ 「宝石&貴石 神秘力活用マニュアル」
井村 宏次・著 ビイングネットプレス・刊/\1,600
  「ぜったいキレイと言われる運命の美人色
―カラーイメージコンサルタント・菅原由美子が教えます!」 
菅原 由美子・著 角川書店・刊/\1,500



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