2005.6.8号






「情熱」「愛情」「威厳」などの宝石言葉を持つルビー。エレガントで高貴な印象とはウラハラに、この宝石言葉、少々勇ましい印象を覚えませんか? そう、ルビーは女性的な魅力を存分に引き出してくれる一方で、たくましさや積極性、本能といった部分に訴えかけるパワーを持っている石だといわれているのです。
「コランダム(鋼玉)」という鉱物の一種で、そのうち、赤い色をしている石がルビー、青い色をしているものをサファイアと呼ぶのとのこと…ということは!サファイアとルビーはそもそも同じモノ。ちょっと驚きです。
そのロマンチックな名称の由来は、ラテン語で“赤”を意味する「rubeus(ルベウス)」が語源。そして、その色。最高級のルビーの色は“ピジョン・ブラッド(鳩の血)”と呼ばれ、ちょっと黒みがかった深い赤。その次が“ラビット・ブラッド(兎の血)”。そして3番目が“ボキャッイ(ヨーロッパで好まれる濃いピンク)”というネーミングになるとか。ちょっとグロテスクですね。。。
さてさて、古代ギリシャの神々たちが、ヨーロッパの、イギリスの王室がその権力と美しさの象徴として愛したルビーという石、その魅力に迫ってみましょう。

東洋のルビー、西洋のルビー
現在では、「宝石の中の王がダイヤならば、ルビーは女王」と呼ばれるほどその魅力は今こそ世界中が知るところですが、その昔、ルビーに対する見方は東洋と西洋では少し違っていました。
東洋では、発見当初から高価な宝石として珍重されており、特にインドでは、ルビーを“宝石の覇者”を意味する“ラトナラジュ”という言葉で呼び、実はダイヤモンド以上に尊重されていました。炎の力を持つ石として畏(おそ)れられ、ルビーを湖に投げ込むと熱で水が蒸発してしまうと本気で信じていたそうです。一般の庶民が身につけることもなく、数々の寺院を守る神々そのものとしてあがめられてきたのも、そんな理由からなのかもしれません。
一方、西洋では、ルビーには炎と戦いの軍神であるマルス神(Mars)が宿っているといわれ、戦に出かける兵士たちのお守り的存在に。また、マルスが火曜日の神様だったということから、火曜日にルビーを身につけると、決着事が上手くいくという謂れもありました! さらに、その血のような色が持つ人に不死身の力を与えるとして、怪我の治療に使われたり、出産のお守りとして使われた記録も残されています。
いずれにしてもスゴいパワーを秘めていた石であることは古今東西、お墨付きのようですね。
ちなみに、ルビーの兄弟であるサファイアはトール神(Thor)=木曜日の宝石です。

ルビーにまつわる、ちょっとミステリアスなお話
西洋においてお守りとして使われていたことからもわかる通り、持ち主をあらゆる邪気から守るとされたルビー。持ち主に危険が迫ると、時として色を変えてまでそれを伝えてくれるという、何とも健気なパートナーストーン。それだけに、実際にルビーによって災難を逃れた人、また、逆に懲罰をもらってしまった人もいるんです。


英国王ヘンリー8世の王妃キャサリンのルビー
イングランドの王妃キャサリンはある日、愛用していた指輪のルビーが色あせていくのを感じ、不吉な予感に襲われていました。その予感はズバリ的中。なんと、夫であるヘンリー8 世は妻であるキャサリンを打ち捨てて、彼女の侍女だったアン・ブリンを正妻に迎えてしまったのです。この横暴を阻止しようとした多くの官僚たちも次々と斬首の刑に。ヘンリー8世はさらに、自分の離婚と再婚を正当化するため、当時離婚を認めないローマンカトリックからイギリスの教会を独立させます。このエピソードは、かの歴史的宗教革命の導火線に。シェークスピアの戯曲でもその権力者ぶりが描かれています。英国王室の“スキャンダラスな恋愛”模様は、こんなに昔からあったのですね…。
そうそう、英国王室といえば、エリザベス女王が所有する王冠に輝く大粒(352ct)のルビーは、実はルビーではなく、ラテン語で“spinel(トゲ)”を語源に持つ“スピネル”だったという有名な逸話も。スピネルは今でこそ貴重な石ですが、“ニセモノのルビー”呼ばわりされた不幸な時代もありました。
ソロモンから略奪されたルビーの行方
古代バビロニアのネブカドネザル王は、ソロモンの神殿を破壊した時に、神殿の象徴として飾られていた美しいルビーを奪い取ったとか。王はこの後、ルビーの力を畏れて玉座に飾りますが、まもなく王は自分を狼と思い込み、挙句の果てには精神に異常をきたすようになり、不幸な死を遂げたといわれています。王の死後、玉座の破壊とともにルビーは行方知らずに。
シバ神像の第3の目
インド南部の寺院に何世紀も前から伝わるシバ神像の、第3の目。そこには大粒のルビーが埋め込まれていました。ある1人の盗人がこのルビーを盗み出したところ、それまで晴天だった空は一変して大嵐に。この盗賊は猛烈な落雷に打たれて死亡したそうです。
象徴ではなく、王そのもの
世界有数のルビー産出国であるミャンマーでは、今でもお土産屋のおじさんなどが口にするほど有名な伝説があります。現在からさかのぼること二千年前、地上に一頭の竜が現れて3つの卵を産み落としたそうです。その第1の卵からは異教徒の王が、第2の卵からは中国の皇帝が、そして第3の卵からはルビーが生まれたというのです。突拍子もないエピソードですが、これはルビーが単なる権力の象徴ではなく、王そのものと同じだけの生命力と権力に満ちた存在であることを表しているのかもしれません。


持ち主に華やかさやカリスマ性を与えてくれるというルビー。その、パワーストーンとしての力はこんな効き目があります。

血流促進効果
ルビーは心臓の動きに良い影響を与えるとのこと。それだけに、血液を促進し、身体を温めてくれる効果があるそうです。また、冷えを改善するためか、生殖器系の働きを良くする効果も。ヨーロッパの一部の地域では、安産のお守りとして妊婦さんに贈る慣わしもあるそう。

邪気を払い、勝利を導く
戦場に出向く兵士たちのお守り効果があることは古代のエピソードで立証済み。また、火曜日の宝石といわれているだけに、火曜日の商談や張り切ってプレゼンしたい会議なんかが控えている時には、ぜひともチャレンジしてみたいところですね!ただし、女性が身につける場合(ほとんどの場合そうですが)は、使い方にちょっとした注意点があるそう。後述2つのポイントを参考にしてみてくださいね。
情熱を生み、愛情を育てる
持つ人のオーラやカリスマ性を高めるといわれるだけに、その人の底力や情熱を盛り上げてくれるというのは、石のパワーというよりも「赤」という色に理由がありそうです。炎のような力強い色に、人間は本能的に惹かれるものなのかもしれません。元気のないときにふと、真っ赤なカットソーや小物を身につけてみたくなる……そんな経験ありますよね。

ルビーを身につけるにあたってのポイントが2つ!
冒頭で触れたように、「女性の魅力をUPする」わりには「勇ましい」イメージがつきまとうルビー。身につけてそのパワーに預かるには、ちょっとした心得が必要なようです。

その1 “自己中心的な発想を持たない”
その強力なパワーゆえに、ルビーを持つ当人が、権力欲や嫉妬など必要以上にエゴイスティックな念を抱えていると、そうしたマイナスのエネルギーが自身に反射して我が身に降りかかるというのです!!恐ろしいじゃないですか…! そう。無二のパートナーストーンを手にするんですから、あくまでも自分の幸せは周りの人をも幸福にするためのもの、そんな風に考えるよう、努力したいものですね(笑)。
その2 “身体の右半身に身につけると効果的”
ルビーの効果を存分に感じるには、身体の右半身につけることが大切だといわれています。それは、右半身は積極性を司り、それに対して左半身は能動的(受身)な性質を持つからなのだそうです。
 

パワーストーンというと、効能が気になるせいか、どうしても「なりたい自分」に合わせて選んだり、また、「夢や願い事を叶える」ためだけに活用しようと思いがちです。欲望を持つことは人間の原動力ですし、もちろん必要なこと。でも、パワーストーンは、そんな一方で私たちの「消耗された力を充電してくれる」という素晴らしい能力も発揮してくれているもの。仕事で疲れた時、いやなことがあった時など、たまには机の上などに置いて、ただボーッと眺めてみてください。少しずつ、ほんわかと気持ちが楽になるはずです!

皆さんは「ルビーレーザー」と呼ばれるレーザー装置をご存知ですか? 実はこれ、ルビー(現在使用されているルビーのほとんどは合成・人工のルビー)に大量のエネルギーを送り込むことで発射されるレーザー光線を利用した、医療用レーザー。皮膚表面の黒や青の部分に反応してシミやアザなどを除去するほか、憎いメラニン色素を破壊する力を発揮するんだそうですよ。現在、日本でもルビーレーザー(別称:Qスイッチルビーレーザー)を導入する整形外科&皮膚科が増え、施術料はなかなか高額ながらかなりの人気を集めているそう!さすがは宝石の女王。美への飽くなき追求のお手伝いもしっかりしてくれています♪


根本ゆみ

writer's eyes
ジュエリー初心者にも上級者にも人気の高いルビー。パワーストーンとしては、その効果は絶大ながら、実は身につける人の心構えも大切とは、少し驚きでしたね。かの寺尾聡さんの名曲「ルビーの指輪」の歌詞の中に、「誕生石ならルビーなの…」という節がありましたが、そう、ルビーは7月生の誕生石。でも、一方では、7月の星座であるカニ座をはじめ、水の星座の女性にとっては、このルビーが少々強すぎるパワーを与えてしまうことがあるのだとか。前述の通り、あの赤い炎のような力が水を蒸発させてしまうからなのでしょうか…。ちなみに私はズバリ、カニ座の女。ルビーを身につける時は“押し出しの強い印象”にならないように心がけたいと思います(笑)。

■参考文献/ 「宝石&貴石 神秘力活用マニュアル」
井村 宏次・著 ビイングネットプレス・刊/\1,600
  「ぜったいキレイと言われる運命の美人色
―カラーイメージコンサルタント・菅原由美子が教えます!」 
菅原 由美子・著 角川書店・刊/\1,500



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