2000.12.22号

オリーブオイル -前編-


 
味わい深い風味と香りで人気のオリーブオイル。
今話題のオレイン酸をはじめ、ビタミン類などの有効成分をたっぷり含み、動脈硬化の予防や肌の老化を防ぐなど、その優れた作用が注目されています。
そんなオリーブオイルのパワーを探ります。

 4000年の昔から、美容に健康に、医療に利用

オリーブオイルは、古代から、地中海地方の人々の生活に溶け込んできました。食用としてはもちろん、美容や健康に、また医療にと幅広く活用。古代ギリシャの医師が、胃腸や胆のうの病気治療にオリーブオイルを使用したという記録もあります。
現在でもヨーロッパの各地では、健康のために、毎日ティースプーン1杯のオリーブオイルを飲むという習慣が続けられています。



 血管を守るオレイン酸の含有率は約70%

オリーブオイルには、スクワラン、ビタミンA、E、ポリフェノール、葉緑素などの有効成分がたっぷり含まれています。菜種油や大豆油などの植物油が種子を搾るのに対し、オリーブオイルは果 実をまるごと搾る、いわば天然100%のオリーブジュース。その上、原則的には熱を加えたり、何かを混ぜるなどの加工もほとんど行われないため、オリーブ本来の風味や香りに加えて、天然の有効成分がそのまま生きているのです。

その中でもとくに注目されているのが、不飽和脂肪酸のオレイン酸。血中の悪玉 コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やし、動脈硬化を予防する働きがあるといわれています。しかも、オレイン酸は酸化しにくく、脂肪酸の安定度もよいため、他の植物油に比べて熱に強いという性質も持っています。オリーブオイルは、そのオレイン酸の含有率が非常に高く、最高品質のエキストラバージン・オリーブオイルになると含有率は約70%。食用油の中ではごま油の約40%、菜種油の約61%を抜いてトップクラスです。さらに、微量 成分として含まれる抗酸化成分のポリフェノールやビタミンEなども、コレステロールの酸化を抑え、動脈硬化の予防に力を発揮するといわれています。



 肌の乾燥や荒れを防ぎ、うるおいを保ちます

オリーブオイルによる肌への優れた効果も広く知られ、日本でもスキンケアの化粧品として利用されています。オリーブオイルの主成分であるオレイン酸などの不飽和脂肪酸は、人間の皮脂に近い組成を持っています。そのため肌によくなじみ、角質のうるおいを保つ細胞間脂質(セラミド)を補います。オリーブオイルを塗ることで肌の乾燥や荒れが改善され、しっとりつややかな肌を保つことができるわけです。空気の乾燥が激しいこの時季、乾きがちな肌にはもちろん、乾燥タイプのアトピー性皮膚炎のように、肌のバリア機能が著しく低下した肌にも効果 的です。



 紫外線から肌を守り、老化防止も期待

オイルとなると気になるのは、油やけです。そもそも油やけは、精製度の低い鉱物油や酸化した植物油などの使用によって起こります。品質のよくないオイルを塗ったまま紫外線に当たると、それが肌に刺激を与えてメラニンの増加を促し、油やけを起こすのです。一方、オリーブオイルは酸化しにくいオレイン酸を主成分とし、脂質の酸化を防ぐビタミンEも含んでいるため、品質の安定性が非常に高く、油やけの心配もありません。

オリーブオイルは紫外線をよく吸収するため、肌に直接当たる紫外線の量 を大幅に減らすことができます。ただし、まったく日焼けをしないというわけではありません。更なる紫外線対策には、紫外線防止クリームやUV効果 のあるファンデーションを併用するほうがいいでしょう。

その他にも注目されているのが、肌の老化防止。オリーブオイルに含まれる抗酸化成分のビタミンEやポリフェノールの働きで、紫外線による活性酸素の発生を抑え、シミやシワなど肌の老化を防ぐ効果 も期待されています 。



 製法や酸度により、大きく3種類に分類

ところで、意外と知られていないのが、食用とスキンケア用のオリーブオイルの違いです。実はその違いは濾過の仕方。食用の場合は比較的粗いメッシュで濾すため、オリーブの実のクズなどがそのまま残り、その味わいも楽しむことができます。スキンケア用の場合は肌に直接つけるため、非常に細かいメッシュで濾し、きめの細かい仕上がりになります。

ただし、食用もスキンケア用も含めて、ひとくちにオリーブオイルといっても、その風味、香り、色合いは、オリーブの樹の品種や産地、気候などによってさまざま。また、それらの品質は国際規格に基づいて、製法や酸度により、バージン・オリーブオイル、精製オリーブオイル、ピュア・オリーブオイルの3つに分類されます。さらにバージン・オリーブオイルは、酸度などによってより細かく分けられます。

(1) バージン・オリーブオイル
  機械的な方法だけで搾ったオリーブオイルをそのまま製品にしたもの。バージン・オリーブオイルの中でも酸度が1%以下で、風味、色、香りとも申し分ないと認められた最高級のものが、エキストラバージン・オリーブオイル。

(2) 精製オリーブオイル
  バージン・オリーブオイルに精製処理(脱酸・脱臭・脱色)を施し、バージン・オリーブオイル特有の刺激や高い酸度を抑えたもの。精製オリーブオイルは、ほとんど無味・無臭・無色。

(3) ピュア・オリーブオイル
  バージン・オリーブオイルと精製オリーブオイルをブレンドし、酸度が1.5%以下のもの。

食用の場合、最適な調理法として、エキストラ・バージンオリーブオイルは、その繊細な風味と香りを生かすため加熱せず、そのままサラダにかけたり、バター代わりにパンにつけるなど。また、バージン・オリーブオイルはより風味が軽いので、揚げ物や炒めものにおすすめです

― 後編 ― は・・・
オリーブオイルを使っての上手なスキンケアの方法をご案内します。
また、小豆島の自然に育まれ、この12月に採油、ボトリングされたばかりのフレッシュな
エキストラバージン・オリーブオイル」(スキンケア用)をご紹介します。お楽しみに!

(いのぐちあきこ) 

■取材協力/ 小豆島ヘルシーランド株式会社
■参考資料/ 朝日新聞記事「オリーブ油 多彩な風味、美容にも効果 」
香川県農業試験場小豆分場ホームページ
小豆島観光旅館協同組合ホームページ



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