2001.1.12号


 巷で信じられている美容法が、すべて本当のこととは限りません。むしろ、やみくもに間違った方法を信じてシミを作ったり、トラブルになったりという弊害のほうが心配。どうせ頑張るのなら、本当にきれいになる方法を知りたいですよね。
 そんな気持ちで取り組んだこの特集、今回は「マッサージ」についての噂を検証します。

 ■ マッサージについて
 コスメティクスの世界でも、今年はシワやたるみに働きかけるアンチ・エイジング(加齢対策)がブームになりそうです。アンチ・エイジングケアといわれて真っ先に思い浮かべるのはマッサージ。“血行がよくなる”“たるみが防げる”“化粧品の浸透を助ける”など、いいこといっぱいですものね。でも、マッサージのやり方ってどこでマスターしましたか? 雑誌で? 化粧品カウンターで? それともエステ?? 振り返ってみると、意外と自己流なのではないでしょうか。本当のところを、専門家に教えてもらいましょう。

マッサージで顔を引張ると、シワが増えると聞いたのですが? マッサージは正しい方法でやらないと意味がない、と聞いたのですが? 首のマッサージは上から下?下から上?



 マッサージで顔を引っ張ると、シワが増えると聞いたのですが・・・?

 「有り得ません」
 ズバッと噂を斬ってくれたのは、ビューティサイエンティストの岡部美代治さん。

 「考えてみてください。手で揉む程度の刺激でシワができるのなら、日々笑ったり食事をする運動で、あなたの顔はシワだらけになっているはずです。15歳の子が、生まれてきて日々笑っているのにシワがないことが、その噂がウソであることの証明。シワのできる原因は、もっと別の要素です。
 それに、健康な真皮(※)を傷つけてシワにするほど強くマッサージするとしたら、かなり痛いはず。そんなことをする人はいないでしょう。むしろ怖いのは、皮膚表面を摩擦することによるトラブル。ひりひりすることのないよう、油分を補ってからマッサージしてください」 (ビューティサイエンティスト 岡部美代治氏)

肌の奥にある層のこと。ここがダメージをうけると、深いシワができる。なるほど!

まずは、シワが増えるという噂はウソのようです。ひとまず安心。
摩擦がおきないよう、クリームやオイルを使いましょう。



 マッサージは正しい方法でやらないと意味がない、と聞いたのですが・・・?

 雑誌にしろ、化粧品店でいただくガイドブックにしろ、マッサージ法って顔の上にいくつもの矢印が書いてあったりして面倒な感じ。あの通りにやらないとまずいのでしょうか?

 「マッサージの目的は、刺激を与えることにより、血行を良くし、血液やリンパ液を滞りなく流すことにあります。だから当然、“こうしたほうが有効”という方向はあるのですが、面倒ならそれにしばられる必要はありません。あれこれと考えるのが面倒な場合は、指先でタッピング(キーボードを叩くようにパタパタと顔を押すこと)するだけでも充分ですよ」 (皮膚科医 津田攝子先生)

 「人間は不思議なもので、正しい方向にマッサージすると気持ちよく感じ、間違っていると不快だったり痛かったりします。プロのエステティシャンにやってもらうと快適なのは、気持ちよく感じる筋を正確にマッサージしてもらえるからなのです。だから、自分でやる場合は知識がなくとも“気持ちよい方”にマッサージすれば、それが正解です。」 (ビューティサイエンティスト 岡部美代治さん)

 「アーユルヴェーダの考え方では、“毎日肌を触ること”だけでも、身体をいたわり、癒す効果があると考えます。また、植物性のオイルが肌深部に届くことにより、身体の老廃物を流すという考え方なので、まずはオイルを顔にのせ、浸透させるようにゆっくり撫でます。理想のマッサージの方法はもちろんありますが、自宅でする場合にはこれだけでも十分」 (シャナーズ ハーバル化粧品アーユルヴェーダ美容インストラクター 矢部桂子さん)

「マッサージ技術に自信がなくとも、浸透力の高い植物性ブレンドオイル(シナモン、バジル、ゴマ他配合)を肌になじませるだけでコリがほぐれますよ」(矢部さん)肌を柔らかくするシャーバスオイル 100ml(¥3,000) シナモンやバジルがブレンドされた、アロマセラピー効果の高いオイル。ストレスや緊張の多い方にお勧めのリラクゼーションオイルです。

つまりは、方法にこだわらず、自分が気持ちよいように肌をいたわれば効果があるということですね。
よかった!! 今日からは、あまり難しいことを考えず、“きれい”に近づけそうです。

でも、欲をいえば「気持ちよい、正しい方向」もわかるとうれしいのですが・・・


 「車にワックスをかけるときのように、細かいらせんを描き、まんべんなくクリームをなじませましょう。下から上にらせんをかき、たるみを引き上げるイメージで」 (ビューティサイエンティスト 岡部美代治さん)

 「額は上にむかって、それ以外は耳にむかうように。外側にむけて、ホウレイ線(口の横のシワ)やたるみを伸ばすようなイメージです。マッサージだけでなく、スキンケア、ファンデ−ションを伸ばすときなど、すべてその方向で」 (美容インストラクター 矢部桂子さん)

どうです? 簡単ですよね。意外と本能的に、洗顔などもその方向でやっていませんか?
ただしときどき、ファンデ−ションを上から下に塗りこめている方を化粧室でみかけます。
自覚のある方! 今日から改めてくださいね。



 首のマッサージは 上から下? 下から上?

 自分の気持ち良いほう、タルミを引き上げる方向、というのがマッサージの原則、というのはわかったのですが、はて、首はどちらが正解なのでしょう?
 どっちも気持ちよい気がするし、たるみをのばすという点では、どちらに伸ばせばいいのか本当に迷います。


 「首の前面(のど仏のところ)はただの器官であり、マッサージ本来の目的である“リンパ流や血流の促進”には効果が少ないところです。
 医療の現場で行っているのは、上下ではなく“後ろから前”のマッサージ。首の横にある頚動脈(けいどうみゃく)とリンパの筋を、そっと前にむかって横向きになでます。顔のむくみがとれてスッとしますよ」(皮膚科医 津田攝子先生)

 「首の筋肉というのは複雑ですので、どちらの方向でマッサージしても有効です。エステティシャンの多くは、Wの字を描くようにジグザグにマッサージして、両方の方向に流すようにしています」(美容インストラクター 矢部桂子さん)

横に、Wに・・・。つまるところ、自分が気持ちよい方向に自由にマッサージして良いようです。ただし、大事な器官が集まったデリケートな箇所ですから「優しく」することを忘れないでください。


もりたじゅんこ) 

writer's eyes
洗顔だって、スキンケアだって、ファンデ−ション塗りだってマッサージの一種。肌をいたわるように、気持ちよい方向でなでなですると、肌質が変わってきますよ! ドス黒肌だった私も、意識してからはずいぶん顔ツヤ良くなりました。

■取材協力/
ビューティサイエンティスト岡部美代治氏
アルビオンの商品開発ご担当。各女性誌、個人のWEBサイト「ビューティサイエンスの庭」にて、美容トレンドを科学的にわかりやすく説明
皮膚科医津田攝子先生
フイルナチュラントの商品開発ご担当。フィルインターナショナル社のHPにて「きれいへの道」というビューティエッセイを執筆
美容インストラクター矢部桂子氏
インド医学認定のハーブ療法化粧品「シャナーズ ハーバル」にて、アーユルヴェーダ理論に基づいた美容アドバイスとマッサージを指導。上はアーユルヴェーダの基本がわかる手引書『アーユルヴェーダ ビューティケア』フレグランスジャーナル社 \3,500
■参考HP/ ★ビューティサイエンスの庭 http://www.kt.rim.or.jp/~miyoharu/
★アルビオン http://www.cosmeweb.net/
★ フイルナチュラント http://www.phil-inc.com/
★ シャナーズ ハーバル化粧品 http://www.mtk.co.jp/shahnaz/
 


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