2001.2.23号




今年もいよいよ本格的な花粉症のシーズンに突入ですね。昨年の夏も暑くて日射量が多く、スギの花芽着花量が増えたため平年に比べてスギ花粉の量が多いというのがズバリ今年の予測。地域によっては平年の2倍を超えるところもあるとか。花粉が飛ぶピークの時期はまだ先ですが、撃退対策は今から進めたい!
そんなあなたに、身体に優しいアロマセラピーを活用した花粉症撃退対策をお届けします。


 花粉症はなぜ起こる?

 そもそもスギ花粉は、人間の身体にとっては異物。私たちの身体は異物(抗原)が体内に入ると、それに対抗するための物質(抗体)をつくります。花粉症の場合も、異物であるスギ花粉などの成分(抗原)が鼻や口の粘膜を通して身体に入ると、IgE抗体ができあがり身体を守る免疫反応が起こります。ところが、花粉症にかかった人はこの免疫反応が過剰にどんどん働いてしまい、鼻や目、気管支などの粘膜が炎症を起こし、くしゃみや鼻水、鼻詰まりなどおなじみの不快なアレルギー症状が出てきてしまうのです。

 もちろん、世の中には同じスギ花粉飛び散る真っ只中にいても、「まったく平気よ!」という人もいます。もともとアレルギー体質の人、あるいは親兄弟などにアレルギーの人がいる場合は花粉症にかかりやすい傾向があるといえます。去年までは大丈夫だったけれど、今年、突然発症するというケースもあるんですよ。

 花粉症の辛さは個人差はあるものの、経験した人ならおわかりですよね! だまっていても鼻水がツーッと流れ落ち、くしゃみが止まらず、息苦しいほど鼻が詰まり、眼球を取り出してシャワーをかけたくなるほど目がかゆい! 残念ながら、今のところ短期間で花粉症を根治する治療法や、のんですぐ効く特効薬はありません。症状をおさえるための薬として抗ヒスタミン剤などがよく出されますが、のんだ人たちからよく聞くのは「眠気や喉の渇きなどの副作用が出ることが多くて、結局、仕事や生活に集中できない」というもの。
 そこで、お勧めしたいのが副作用などの心配の少ないアロマセラピーによる花粉症撃退対策です。

 ユーカリの成分、1,8シネオールが花粉症に効く!

 アロマセラピーで使われるエッセンシャルオイル(精油)が花粉症に効くと聞いても、リラックス効果だけで気休めでは? と疑問を持たれる方もいるかもしれません。しかし、メディカルアロマセラピーの分野では、エッセンシャルオイルの効果について医学的な検証がさまざまな形で進められています。エッセンシャルオイルがどういった形で身体に作用するかについては、専門家である医師は下記のように説明しています。「精油に含まれる芳香成分はたいへん揮発性に富み、空気中で芳香分子となって蒸発します。この芳香分子は、呼吸によって鼻や肺胞から体内に入り、やがて血液に混ざって、神経系や臓器に対して薬理作用をもたらします」(『医師がすすめるアロマセラピー』川端一永監修 マキノ出版 P17より抜粋)。香りがいいだけではなく、その芳香成分には薬理作用も期待できるというわけです。

 数多くあるエッセンシャルオイルの中で、とりわけ花粉症によく効くと言われているのは、ユーカリやティートリーです。その大きな秘密は「抗菌性が強く、粘膜の炎症を抑えるなどの優れた効果を持つ1,8シネオールという成分が多く含まれているからです。とくにユーカリのなかでも、1,8シネオールを68%以上含むユーカリラジアタが花粉症には、効果大でしょう。呼吸が楽になる、鼻の通りがよくなったと言う人も多いですよ。」と語るのは、植物療法研究家の森田敦子さん。

 ユーカリは、ミントを思わせるスッとする香りがさわやかなエッセンシャルオイルですが、原料となる木はあの有名なコアラの大好物。主産地であるオーストラリアでは、その昔、深い切り傷などに包帯の代りにユーカリのおしべを巻いていた、あるいは感染症の治療に使われていたという話もあります。

 現在、医師が使っているユーカリのエッセンシャルオイルは10種類程度。「ユーカリ」と一口で言っても、その種類はさまざまです。もし花粉症対策にということであれば、ユーカリラジアタはもちろんですが、ユーカリグロブルス、ユーカリスミンなどを。ユーカリグロブルスには咳の原因になるアルデヒドという成分が含まれているため、吸い込むとむせることもあるので気をつけましょう。ぜんそくの持病がある人や、お子さんにはにはユーカリラジアタのほうがいいでしょう。

 もしユーカリの香りが好みでなければ、やはりオーストラリア産まれの、木の香りがかぐわしいティートリーでもいいでしょう。ティートリーにも1,8シネオールをはじめとして、ユーカリとほぼ似た成分が含まれています(ティートリーの詳細については本サイトの「植物の恵み エッセンシャルオイル図鑑<8>」を参照)。「花粉症の患者さん50人全員に、ティートリーを1〜2滴紅茶に入れて飲むように指導しました。患者さんの多くは花粉症歴10年以上の重症クラスですが、そのシーズンはだれ一人として花粉症を発症せずに乗り切ることができました」(『医師がすすめるアロマセラピー』川端一永監修 マキノ出版 P73より抜粋)という医師からの報告もあります。ただし内服は医師の指導のもとに行いましょう。

 うがいから入浴、マスクに一滴と気軽に使えるエッセンシャルオイル

 花粉症の症状が出始めたらもちろん、予防の意味も含めて、シーズン中役立つエッセンシャルオイルの上手な活用法を植物療法研究家の森田さんに教えていただきました。使うエッセンシャルオイルは、ユーカリでもティートリーでもどちらでも方法は同じです。

うがい
  外から帰ったらまずうがいを! 水またはぬるま湯をコップ一杯用意してユーカリまたはティートリーのエッセンシャルオイルを1滴落とします。風邪の予防にもなりますよ。
 
マスクにつける
  市販のマスクを使う場合、肌に直接あたらないように中に入っているガーゼに、エッセンシャルオイルを1〜2滴たらしてしみこませます。ガーゼの中央にたらすとむせることもあるので、ガーゼの左右どちらかのはじ、皮膚に直接触れないような部分にたらします。
 
部屋にスプレーして芳香浴をする
  2〜5%に薄めた液を部屋にスプレーし、芳香を拡散させます。作り方は、10mlのびんにエタノールを2ml、約6滴ほどのエッセンシャルオイルを入れ、かき混ぜた後、精製水あるいはミネラルウォーター8mlを加えます。さらによくかき混ぜた後、スプレー容器に移します。ただし、スプレーした部屋は時々換気も忘れずに。この液を、マスクの中のガーゼにスプレーしてもOK。
 
ティッシュやハンカチにたらす
  マスクをつけるのはちょっと抵抗があるなら、ティッシュやハンカチ、コットンなどにエッセンシャルオイルをたらして持ち歩き、香りに鼻を近づけるだけでも効果あり。香りが薄れてきたら、追加して一日5〜6回試しましょう。外出先などでは便利で手軽な方法です。これは簡単で速効性がありますので、ぜひおすすめしたい方法です。
 
マグカップや洗面器で蒸気を吸う
  時間がなくて手軽にというなら、マグカップや洗面器にぬるま湯をはり、そこにエッセンシャルオイルを1〜2滴落とし、蒸気を吸い込みます。むせる恐れもあるので、洗面器などから顔は25cmほど離して。熱湯を使うと成分が変質してしまうので注意を。
必ず目を閉じて行いましょう。
 
お風呂に入れてアロマバス
  花粉症で悩む人にとって、バスタイムは花粉から遠ざかるホッとするひと時ですね。エッセンシャルオイルをお風呂に入れて入浴すると成分が鼻から吸入されるとともに、皮膚からも浸透するのでより効果を期待できます。

 エッセンシャルオイルは油なので、お風呂に直接入れても水と油で分離してしまいます。アルシラン(※)や天然塩、乳液などの乳化剤になるものに混ぜてから使用すると分離が避けられます。アルシランを使う場合は、アルシラン、スプーン一杯につきエッセンシャルオイル4〜5滴が目安。これらをトロリとするまでかきまぜた後、浴槽に入れ、さらによくかき混ぜます。もし、乳化剤がなければ、直接エッセンシャルオイルを浴槽に入れても良いのですが、やはり全体をよくかきまぜましょう。かきまぜないと分離したオイルが湯の表面に浮き、一部の皮膚のまわりに集中してついてしまい、肌に刺激を感じてしまうこともあります。もちろん、バスタイムには髪の毛についた花粉を洗い流すためにも、シャンプーは忘れずに。

 アロマバスに入るときはお風呂場の換気も適度に行い、家族があとから入る場合はエッセンシャルオイルを1〜2滴追加しましょう。蒸発しやすいので、効果は30分程度と考えて。

※ ベジタブルオイルなどを成分として含む100%天然の乳化剤。
 
マッサージ
  エッセンシャルオイルの成分分子はとても小さいので、マッサージによって皮膚から浸透しやすいという特徴があります。マッサージにエッセンシャルオイルを使うときは、原液のままでは刺激が強いので、ホホバオイルなどのキャリアオイルで薄めてから始めましょう。濃度は2%程度が目安(大人の場合)。たとえば、10mlのキャリアオイルをベースにするなら約5滴のエッセンシャルオイルをたらすと考えていいでしょう。エッセンシャルオイルを何種類かブレンドして、マッサージに使う方法もあります。
より効果を高めるには、血行がよく身体が温まっている入浴後のマッサージが最適。胸などにオイルをすりこむような感じで、自分が心地良い方法でOK。ユーカリやティートリーのスーッとする香りが息を吸うたびに鼻からも体内に入り、心身ともにリラックスできます。終わった後にべたつきが気になるようなら、タオルなどでふきとってもいいのですが、洗い流す必要はありません。

 さまざまな活用法がありますが、自分にとって手軽にできるものからチャレンジしてみては。ただし、エッセンシャルオイルは100%天然で質のよいものを使わないと薬効も期待できません。ある成分を取り除いていたり、香料を添加するなど加工されているオイルも店頭には出回っています。メディカルアロマセラピーの分野で使える質のいいエッセンシャルオイルは全体の5%程度しかないという声もあります。質の良さを見極めるのは、一般の私たちにはなかなか難しいのが現実。

 そこで、今回は当サイトの「植物の恵み エッセンシャルオイル図鑑」でご紹介しているユーカリラジアタ、ティートリー、ホホバオイルを購入できるようにしました。市販されているユーカリは、ユーカリグロブルスが多く、ユーカリラジアタは入手しにくいので、速効性のある花粉症対策を考えている人は必見です!
当サイトのエッセンシャルオイルは、もちろん純度100%。食品添加物として認定されている15種類を含み、ガスクロマトグラフィーによる完全な成分分析が行われ、大学での成分分析データを取得しています。つまり、含有成分をあきらかにできる高品質で安全なものと考えていいでしょう。成分があきらかにできないものは、合成物質が入っている可能性もあり、使うことでかえって健康を損なうこともあります。
 花粉症撃退をめざすなら、品質の確かなエッセンシャルオイルを選ぶのが第一歩。今年の春は、すっきり過ごしたいですね!

◆質のいいエッセンシャルオイルを選ぶためのチェックポイント◆

チェック1 テスターは置いてある?

ラベルに「100%pure」の表示があれば100%天然のものですが、実際にテスターで香りを試してみて、あまりいい香りでないものや極端に安価なものは質に不安があるので要注意です。

チェック2 説明できる店員さんがいる?

たとえば、「ユーカリ」とだけ表示されて売っている場合、「ユーカリグロブルス」であることが多いのですが、店員さんに直接確認してみましょう。もし「ユーカリラジアタ」が欲しければ、フルネームを告げてあるかどうか聞き、きちんと答えられる店員さんやアドバイザーの方がいるような店なら安心です。

チェック3 商品はきちんと管理されている?

エッセンシャルオイルは光や熱に弱いもの。遮光瓶に入っているのも、成分が変質してしまわないようにという理由からです。仮に遮光瓶に入っていても、日が当たる窓際に置いてあったり、ほこりをかぶっていたりと、商品の管理がいいかげんな店では買わないようにしましょう。

writer's eyes
私もユーカリラジアタを初めて使ってみました。お風呂に数滴落としてよくかきまぜたその直後、本当にスーッとする香りが満ちあふれ、「狭いなあ」と時には文句を言いたくなるわが家の小さな浴室が、その夜は至福のバスルームに変身!
私自身は重い花粉症ではないけれど、これから春先にかけて、アロマバスを楽しみながら予防にもつとめようと思っています。

(小林育子) 
取材協力/ 植物療法研究家・森田敦子さん
日本アロマセラピー学会会員。
フランスで植物療法を学び、帰国後、信州大学において有機系天然抗菌剤の研究などに携わる。
1998年サンルイ インターナショナル設立。
現在は、大阪大学におけるアロマセラピーの研究開発に参加。
さまざまな施設へのアロマセラピーの提案、商品開発など植物療法研究家として活動中。
   
参考資料/ 『医師がすすめるアロマセラピー』マキノ出版
『アロマテラピー完全マニュアル』草隆社
『はじめてのアロマテラピー』池田書店

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ユーカリラジアタ ティートリー ホホバオイル



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