2001.3.30





 きれいねネットの掲示板で、多くの方から「アダルトニキビ」に悩んでいる、というご投稿をお寄せいただいています。そこで、アダルトニキビの原因とそれを防ぐ方法、できてしまったときのケア方法などについて調べてみました。


どういう症状が「アダルトニキビ」なの?

 「アダルトニキビ」というのは、医学用語ではなく俗称。正式には“post adolescent acne(思春期を終えてからでるニキビ)”と呼ばれます。その名の通り20代以降に発症するもので、フェイスラインを中心に発症するのが特徴です。」(皮膚科医 津田攝子先生)

 比較的新しい症例で、アメリカのキャリアウーマンたちの間で発生したのが最初の報告でした。彼女たちがおしなべて責任ある業務についていたこと、症状が出るのが男性のヒゲが生える箇所と同じであるということ、血液中の男性ホルモン値が高くなっている等の共通の特徴を持っていたため、「ストレスによりホルモンバランスが崩れることによりできるのではなかろうか?」と推測されています。
 でも実際には、「なぜヒゲが生える箇所にニキビができるのか」などといった細かい理由についてはまだ解明されておらず、医学的にはまだまだ未知なことが多いのです。

 しかし、医学的に解明されていないからといって、顔にできたニキビを放っておくわけにはいきません。そこで、たくさんの症例を臨床で診察、治療され、そのうえ治療を補完するための化粧品まで開発された津田先生にお話をうかがってみました。



ニキビのできやすい人、できにくい人

 アダルトニキビというと、「20代になって突然、ニキビができ始めた」という症例を思い浮かべがちですが、実際には、「思春期にニキビに悩んでいて、一度治ったのに、20代になったらまた出てきた」という方も多いです。
 思春期のニキビはおおむねオイリーな肌、と相場が決まっているのですが、大人は、ニキビができているのに周りの皮膚はカサカサしている方がいたりと、人によってさまざま。「こういう肌の人はなりやすい」と一概には言えません。ただ、年齢的なこともあって、「脂っぽいけれど角質水分量が足りない」という肌の人がほとんどです。


 外面的な肌の油分というよりはむしろ、身体内面のホルモンバランスなどが影響しているので、「ホルモンバランスを崩すようなストレスを受けやすい環境にいる人」というのがニキビのできやすい人といえるかもしれません。

 実際に、編集部がアダルトニキビに悩んだことのある方にメールアンケートをしてみたところ、肌質は混合肌(Tゾーンが脂っぽいが、頬や口元がカサカサする人)が多数であるもののバラバラで、共通するのは発症したのが就職してから、ということ。ニキビができる前に生理不順があったり、睡眠障害があったりと、身体や精神の不調とリンクしている傾向がみられました。



できてしまったらどうしたらいい?

 大原則としては、「睡眠をたくさんとり、ストレスの少ない生活をおくり、ビタミン類をきちんと摂取して」とアドバイスしたいところです。
 でも実際には“ストレスを感じるほど忙しい、だから食事もゆっくり取れない、寝れない。プレッシャーを感じる人間が毎日側にいる・・・”など、過酷な状況があるからこそ、ニキビという形になっていることが多く、それを自分の力ですぐに解消するのは難しいのが現状です。

だからこう思ってください。

内臓的な疾患がない限り、ひどい状態のアダルトニキビは、長く続いても1年。過酷な高ストレス状態が去れば、ニキビも引きます。だから、引くまでの1年間、ニキビ跡を残さないようにいかにケアするか―これが、最大のポイント。

 数多くの患者さんを診てきましたが、1年以上続く人はめったにいません。必ず良くなるものですから、楽観的につきあうべきです。
(なるべく早く解消するように、“過酷な状況を打破できるような突破口を見つけよう!” “受けたストレスを短時間で回復できるよう、自分の楽しい時間を持とう!”と心がけて過ごすことがとても大切です)。
 ただし、婦人科的な疾患がある場合は、そちらを治さない限りニキビが続きます。あまりにも治らない場合や、自覚がある場合は、専門医にかかることが必要です。

 そして、生理前というのは黄体ホルモン(男性ホルモン的な役割をするもの)の分泌が高まり、ニキビのできやすい時期です。この時期にできてしまうのはやむを得ません。「あ、今月もいつものリズムだな」と割り切って考え、跡を残さないケアに専念しましょう。



自分で治すニキビ、お医者さんにかかるべきニキビ

 アゴにできるニキビは頑固で、跡に残りやすいもの。さわるとゴリゴリする根が深いものや、赤く炎症を起こしている場合は、必ず医者の診断をうけて、炎症止めの薬を処方してもらいましょう。むやみな自己診断は禁物です。

 同時に、家では治療を促進するようなスキンケアを自分で行いましょう。いくら医者の薬が強力でも、基本のスキンケアがおろそかだと、「薬をやめるとまたニキビが出る」という生活に逆戻り。薬はたしかに即効性があるけれど、ニキビができにくいような強くすこやかな肌にする、というのは日々のスキンケアの役割です。



ニキビ跡を残さないケアの王道 Q&A

―スキンケア編―
―ライフスタイル編―
―日々のお化粧編―

―スキンケア編―
Q. かかりつけのドクターに「よく洗顔しろ」といわれたのですが・・・
A. 顔を洗うぐらいで治るのなら、ニキビに悩む女性は今や存在しないはず。むしろ、「洗顔しなきゃいけない」という強迫概念から、洗いすぎて肌本来のバリアを失っている人のほうが多いくらいです。
水分を補給し肌そのもののバリアを高めること、消炎作用のあるものを使うこと、角質の新陳代謝をきちんと促し、毛穴を目詰まりさせないことがいちばん大事なことです
乾燥が始まり代謝がにぶくなる20代は、洗顔だけではケア不足です。

Q. 化粧品選びのコツを教えてください。
A. ニキビがあり、肌にオイリーな部分があるのなら、まずはオイルフリー処方のものを選んでください。またそれだけではなく、乾燥する部分に少しずつ乳液やクリームなどの油分を追加して!自分の肌にはどのくらいの油分が必要なのか知る、ということが大切です。

Q. 洗顔料は、肌と同じ弱酸性がいいのですか?
A. たしかに肌は弱酸性ですが、アルカリ性の洗顔料を使っても、肌にはphを元に戻す機能があるので、そこにこだわる必要はありません。むしろ、肌が敏感な状態のときは、界面活性剤の刺激が弱いもの、という点にこだわってください。
ちなみに私が開発した洗顔料は弱アルカリ性ですが、アトピーの人でも問題なく使っています。逆に、弱酸性といえども、強い界面活性剤を使っている商品もあります。

Q. ケミカルピーリングがニキビに効くと聞いたのですが。
A. 古い角質を酸の力ではがし落とすピーリングは、詰まった毛穴や肥大した角質を掃除できる、という点で有効です。ただし強い酸を肌に塗るわけですから、トラブルが起こりやすい処方でもあります。自己判断で行わず、クリニックなどで専門医に施術してもらうことをおすすめします。

Q. 出てくる皮脂を抑えたいのですが。
A. ビタミンCには、過剰な皮脂分泌を抑制する効果 があります。ビタミンC誘導体などを配合したローション(ホワイトニング系の商品に多い)は有効でしょう。
もちろん、外用だけに頼らず、食事やサプリメントでもビタミン摂取は心がけてください。


―ライフスタイル編―
Q. ニキビを直したり防ぐ栄養素はありますか。
A. 重要なのはビタミンB群、C群を摂取することと、血中脂質を上げるようなものをほどほどにすること(バターやチョコレートなどこってりしたもの)。ストレス時や生理前は、知らず知らず甘くてこってりしたものを食べているもの。できれば食事ではなく、ほかの方法でストレスを解消できるようになるとベターですね。

Q. 生活の中でいちばん大切なことは?
A. 睡眠をたっぷりとること
ストレスを感じるときというのは、自律神経が非常に緊張している状態。睡眠は、自律神経を休ませる大切な役割を持っています。
忙しくて十分に睡眠をとれないときでも、深く眠る工夫(特集「春の睡眠〜春は大手をふってぐっすり眠ろう!」)などをして、しっかりリラックスできるよう心がけて。


―日々のお化粧編―
Q. 昼を過ぎるとファンデーションが皮脂でドロドロ。上からファンデーションを重ねてしまって大丈夫ですか?
A. 余分な皮脂をそのままにしておくと、肌への刺激になり余計ニキビが悪化します。一度取り去ってしまうのがベストです。
また水分の足りない肌は皮脂を過剰に分泌するので、水分も補給したほうがいいのです。
できれば、ポーチにコットンと保湿化粧水(サンプルの小瓶など)を持ち歩き、崩れたところを全部ふき取りましょう。その跡にファンデーションを塗れば清潔ですし、見た目もきれいに仕上がります。

Q. えら(耳の前)部分のニキビが、頑固で治りません。
A. 髪の毛が当たっていませんか? 毛先が当たると刺激になって治りません。顔にかかるようなシャギースタイルは、残念ですがニキビが治るまで我慢しましょう。

Topics

ニキビがあるときこそ、「このすっぴん、絶対に人に見られたくない!」と厚塗りになりがち。実は、今回取材した津田先生も、ニキビで悩んでいらっしゃった時期、身近な男性から「そんなに塗っているから治らないんだよ」とひとこと言われ、非常に傷ついたそうです。そのご経験から生まれたのが、右の商品。ニキビやニキビ跡を隠すコンシーラーでありながら、消炎作用&余計な皮脂から肌を守り、紫外線も防ぐファンデーション兼ナイトクリーム。まさに“お化粧しながらニキビを治す”すぐれモノ。「24時間、肌によいものつけていたくて。さらにつけることによって美しくみえる機能があればいいな、と思って」開発された商品は、まさにニキビに悩む女の子の気持ちをよくわかっています。編集部アンケートでも、「スキンプロテクターは私にとって常備薬」「守り神」という声が複数あがっていたほどですから、その効果はお墨付きです。
購入は、フィルインターナショナルのサイト、もしくは新宿三越・銀座三越で。使用方法にコツがあるので、よく説明を受けてから購入してください。
保護クリーム スキンプロテクター 30g \5,000 SPF15〜20 PA++

もりたじゅんこ) 

writer's eyes
私は超ドライ肌で吹き出物知らずだったのですが、それでも25歳を超えたときからボツボツ赤いものが出始めました。生まれつきの肌質以外に、水分量やストレス刺激が影響しているのを実感。個人的には髪から来る刺激も気になります。一般のシャンプーや整髪料って、肌への刺激が強いですよね。また別の機会にこちらも調べたいと思っています。

取材協力/ 皮膚科医 津田攝子先生
フイルナチュラントの商品開発ご担当。フィルインターナショナル社のHPにて「きれいへの道」というビューティエッセイを執筆
フイルナチュラント:http://www.phil-inc.com/



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