2001.4.27号




  「外反母趾」などの足の病気に悩む人が多くなるにつれて、履きやすい靴、足にあった靴についての関心が高まってきています。とはいえ、自分の足に合う靴を履いている人は意外に少ないのではないでしょうか。“第2の心臓”とも言われている足と靴のとても密接な関係とは?


こんなに大切!足の働き

 現在、足のエステやマッサージが大人気です。立ち仕事や長い通勤で足がむくんでいる人も多いのではないかと思います。そもそも足は「歩行する」という役割の他に、体の中でどのような働きをしているのでしょうか。
 足は心臓からもっとも遠くにあり、しかも体の一番下に位置しています。そのため血液を送り込むにも返すにも大変な力が必要ですが、心臓のポンプ力だけでは不十分です。
 このポンプ力を補ってくれるのが「歩く」という運動です。歩行は足(脚)の形をさまざまに変化させることにより集中している筋肉を伸び縮みさせて血行をよくします。これが“第2の心臓”と言われるゆえんです。
 歩くことにはその他にもいろいろな効用があります。体全体のあらゆる部分の全身運動をすることになるので健康的です。さらに、空気をよく吸うため心肺機能が向上し、酸素を十分に取り込んだ血液が脳細胞を浄化して、頭がすっきりし爽快な気分になります。足の健康を保つことが、体の健康を保つことにつながるのです。



足に合わない靴は万病の元

 1日中、足に合わない靴を履いていて、足が痛くなった経験はありませんか?帰宅して靴を脱いで時間が経ってしまうと、そんな違和感や痛みは忘れてしまいます。しかし、これを繰り返していると、知らず知らずのうちに足の健康を損なうことになります。
 靴でこすられて皮膚がダメージを受けてできる「靴ずれ」、合わない靴を履き続けているうちに厚くて固い層ができる「たこ」・「まめ」、爪先のきゅうくつな靴による圧迫が原因で起こる「魚の目」などの皮膚の障害は目で見てわかるので、すぐに異変に気づきます。
 その他、「外反母趾」とは、足の親指や骨が小指の方向に曲がってしまう病気です。「ハンマートゥ」とは、関節が曲がって固定してしまう病気です。
「陥入爪」とは、爪の両側が肉に食い込んで炎症を起こすという病気です。いずれも骨や爪が変形するというこわい病気。でも毎日見ている足ですから、徐々に変化する骨や爪の変化に気づくのが、遅れることが多いのも事実です。 さらに、足の病気だけでなく、足に合わない靴は胃腸障害や肩こりなど全身に影響を及ぼすこともあります。それだけに靴選びは慎重に行う必要性があるのです。



靴選びのポイント

 そこで足に合った靴を探すよい方法ですが、「シューフィッター」に相談してみてはいかがでしょうか。シューフィッターとは『足と靴と健康協議会』(FHA)が養成・認定している、足に靴を合わせる技術者のことです。靴の専門知識とフィッティング技術、足についての構造、機能、病理、寸法など幅広い知識を学んでおり、2000年11月現在で2,093名(うち女性933名)が認定されています。
 靴に表示されているサイズはあくまでも目安でしかなく、第三者に見て、触ってもらわないと正確な状態は把握しきれません。ゆるめの靴を履きなれている人は、足にぴったり合った靴をきついと感じますし、その逆もあります。自分の感覚を相手に伝えていくことも大切です。シューフィッターのいる店は、文末でご紹介している『足と靴の健康協議会』のサイトで検索することができます。

 既成靴でも、部分革伸ばしやパッドを効果的な場所に入れるなどのサービスで、自分の足により近づけることもできます。足の凹凸に応じた中敷きを作り、歩行に安定感を持たせる方法もあります。

 東京・銀座のかねまつ6丁目本店(TEL03−3573−0077)の4階にある『クチュリエサロン』ではセミオーダーの靴を販売しています。約150種のテストシューズを使って、自分の足に近い木型を選び注文することができます。木型の修正もでき、革の色や種類は約150種、デザインは約30種から選べ、親子二代で愛用する人や、若い人で繰り返し注文する人もいるそうです。料金は2万6000円から。足長20.5−26センチ、足囲A−2E、ヒール高3種になります。

 靴を買うのは、朝より夕方がおすすめ。足は、朝・昼・夜と時間帯によって変化します。たいていの人は夜には全体で5%も容積が膨張すると言われています。朝、試し履きしたときはピッタリだった靴が、夕方には窮屈ということがありますので注意しましょう。
 またパンプスを履くときに着用するストッキングも足のサイズに影響を与えます。特にサポート力の強いストッキングの場合、靴とストッキングの両方で足を締めつけてしまうことにもなりますので、ストッキングも最適なサイズのものを身につけるようにします。



生活のシーンに応じた靴の履き替え

 現在、健康のために歩くことがいいと言われていますが、足に合わない靴を履いていると、せっかくの運動も逆効果。オフィスや冠婚葬祭などあらたまったフォーマルな席で身につける靴と、運動するときに使う靴はまったく違います。パンプスやサンダルで長時間歩けば、足に負担がかかってしまいます。
 仕事柄、長時間パンプスを履いている人が多いと思いますが、通勤など長時間歩くときは、つま先が広くて、かかとが低く、甲に押さえがあって歩きやすいコンフォートタイプの靴を履き、会社に着いたら、かかとの高い靴にするというように、TPOに合わせて履き替えてみましょう。通勤での足の疲れが軽減されること間違いなしです。



定番アイテムのローファーをおしゃれに履きこなそう!

 定番アイテムの代表的な靴のローファー。ここでローファーを美しくおしゃれに見せるコツをご紹介しましょう。
 まず下半身をすっきりみせるには、ボトムと靴がスーッとつながっているように見せるのがポイント。同系色でコーディネートするのはもちろんですが、全体がほっそりした、スリムなシルエットのヒールローファーを選べば、効果は大。ゴテゴテした飾りのついていないシンプルなデザインのものを選びましょう。
 同じく定番アイテムのチノパンと組み合わせるのなら、チノパンのすその長さに注意します。前は甲に少しかかってたるみが出る程度、後ろはかかとが半分隠れるくらいにします。少しの長さの違いでイメージがガラッと変わり、おしゃれなカジュアルが演出できます。



足の疲れをとるマッサージ

 最後に、足の疲れを感じたときに簡単にできるマッサージをご紹介します。マッサージは入浴後がベスト。入浴後は筋肉が温められ、やわらかくなっているので、無理なくマッサージができます。血行がよくなると、筋肉の疲労回復も早まります。マッサージは椅子に座っても、床にあぐらをかいてもOK。リラックスできる自分がやりやすい姿勢で行います。
 マッサージオイルを足の裏と甲にオイルを5〜6滴塗ると、指の滑りがよくなります。血液の循環をよくする効果のあるレモンオイルや、セージやローズマリー、ラベンダーなどの香りを楽しめるものも市販されていますので、リラクゼーション効果も期待できそうです。

(1) まず足首を回します。足の指の間に手の指をしっかりと差し込み、足首の力は十分抜いて大きくまわしていきましょう。左右20回づつ行います。

(2) 足の小指をつまみ、左右10回づつ付け根から大きく回します。その後、指をつまむ形で指先からつけねに向かって3秒ほど押します。これを足の指すべてに行います。

(3) 手の親指を使って、足の裏全体を押していきます。足の裏だけでなく、足首からひざにかけて、下から上へ引き上げるように軽くマッサージしていくと、足全体の血液循環がよくなります。

むくみの原因は、老廃物や余分な水分を運び去る役割をしている、静脈の血液とリンパ液の流れが悪くなるからです。マッサージで代謝をよくしてむくみをとり、健康的なきれいな足をめざしてみてはいかがですか。

(石亀佳代子) 

writer's eyes
 昨年から、デパートの靴売場に幅広いバリエーションのウォーキングシューズが販売されているのが目につくようになりました。ウォーキングシューズというと、「おばさんの靴」というイメージがありましたが、今は色とりどり、デザインも素敵です。
 従来の歩きやすさだけでなく、ファッション性も兼ね備え、ウォーキングシューズの年齢の幅が確実に広がってきているような気がします。おしゃれも履き心地もどちらも満足できる靴を探しに、あなたも街に出かけてみませんか?

■参考文献 / 『痛い靴はもうはかない』日本靴総合研究所編/講談社
『きれいになりたい』(1996年10月号)
朝日新聞(1999年10月11日)
朝日新聞(2000年10月25日)

■参考サイト 『足と靴の健康協議会』http://www.fha.gr.jp/
足と靴の健康、靴の選び方、全国にいるシューフィッターのいる店がわかる検索エンジンがあり、参考になるサイトです。




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