2001.6.22号




 多忙でストレスが多い現代社会において、サプリメントは、不足しがちな栄養素を手軽に補うウルトラC。サプリメント先進国アメリカに上手な利用法を学びましょう。


 サプリメントの定義

 近ごろよく耳にする“サプリメント”とうい言葉。なんとなく使ってはいても、正確には知らない人も多いはずです。そこで、まず定義づけを。“supplement”という単語は本来“補足”という意味で、それが転じて、 不足している栄養を補うための食品、 すなわち「 栄養補助食品」というカテゴリーを表す言葉となりました。多くはタブレットや液体、粉末など、薬のような形をしていますが、あくまでも食品の範疇に入り、原材料も自然界にもともと存在する天然の成分のみを使用することが義務づけられています。
これが現在の日本におけるサプリメントの定義です。
 しかしアメリカでは、1994年に栄養補助食品健康教育法が制定され、サプリメントは医薬品と食品の中間の存在として位置づけられるようになりました。これによって「糖尿病に効く」とは謳えなくとも、「血糖値を正常の範囲に保つ」というような、症状に対する効果をはっきり記すことができるようになり、 消費者の関心が高まると同時に、メーカー側の競争も激化し、商品全体のクオリティが上がり、 市場全体も急成長しました。



 アメリカでは毎日の気軽な食習慣

 アメリカのサプリメント市場は、毎年消費量が10%近く増加しているというのですから、その普及率と可能性は無限大です。 平均的なアメリカ人10人のうち、7 〜8 人がなんらかの形でサプリメントを常用し、 また平均的な家庭には 3〜4 種のサプリメントが常備され、年齢や性別、 症状などそれぞれのニーズに応じて飲まれていると言われています。
これほどまでにアメリカ人の間に普及している理由には、 彼らが肥満や喫煙を嫌い、 自己管理に厳しいヘルスコンシャスな国民性であるということ、 また医療費が高いため、 治療よりもまず予防、という考え方が定着していることなどが挙げられます。 同時にドラッグストア、ナチュラルフーズのチェーン店、 サプリメントの専門店、 インターネットの通販など、 いつでも手軽にそれらを手に入れることができるという環境も影響しているでしょう。



 圧倒的人気のマルチビタミン

 専門店の壁一面に何百というサプリメントが並ぶ姿は壮観ですが、それらの中でも売り上げの一位を誇っているのが「マルチビタミン」または「マルチビタミン&ミネラル」といわれる、数種のビタミンやミネラル類がバランスよく配合されたサプリメントです。サプリメントのルーツをたどればビタミン剤に行き着くようにアメリカ人の中には常に、もっとビタミンを! という意識があるようです。
数ある商品はいずれもビタミンA、B類、C、D、Eなどメジャーなビタミンと、カルシウムや鉄などのミネラル類が含まれていて、とにかくこれを1錠飲めば安心、という便利なサプリメントになっています。さらにこの発展形には、女性に必要なカルシウム、鉄、ベータカロチンなどが強化されたウーマンズパックなど、ユーザー別の商品もあります。
そして、このマルチビタミンを毎日のベースにし、特定の症状に効くハーブ系やミネラル系のサプリメントを必要に応じて足して効果を高めるというのが、一般的なアメリカのユーザーのサプリメントライフのようです。




 注目のハーブ系サプリメント

 他の注目株にはハーブ系のサプリメントがあります。ハーブというと日本人にとっては可憐な香りや姿の方が印象的ですが、 西洋医学では、古来からの植物療法に基づく薬の原点。 現在でも医薬品としてさかんに抽出、 使用されています。 効果のほども、 気分的なリラックスの範囲から、強力な効能があるものまでさまざまです。
 なかでも人気はメタボライフ社の製品に代表されるような、ダイエットのためのハーブ系サプリメント。ジンジャー、朝鮮にんじん、ギムネマ、カプサイシンなどの植物エキスに、各種ビタミンや、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが配合され、脂肪の代謝を促すとともに、ダイエットによる筋肉の衰えを防ぎ、空腹も抑える、総合ダイエット薬として高いシェアを誇っています。ほかには、天然の抗鬱剤と呼ばれる「セントジョーンズワート」や、風邪の万能薬「エキナシア」、記憶力や集中力を高める「ギンコー(イチョウ葉)」、不安やストレスに効く「カバカバ」などが必ずドラッグストアにも置かれている需要の高いハーブ系サプリメントです。



 インターネットでの楽しみ

 日本でも便利なインターネット通販での購買が少しずつ増えています。国内のサイトでのショッピングも楽しみですが、本場アメリカのサイトなら、買わないにしても人気商品や新製品を直に見ることができます。例えばアメリカのYAHOOのショッピングのサイトには、supplementという項目だけで、24,000種以上の商品が揃っています。ページを開くとずらりとお薦めの商品が並んでいますが、値段、年齢、 性別、 目的など詳細な情報を入れて商品を絞り込むこともでき便利です。
また、 各メーカーや 専門店のサイトも商品の説明から、 それができるまでのバックグラウンド、 食生活のヒントなど、コンテンツが充実していて飽きさせません。 実際のショッピングとなると、 海外からは送料がかかるので、必ずしもリーズナブルではありませんが、最新のサプリメント事情に触れられるという意味では見逃せない情報源です。



 上手な楽しみ方

 このようにサプリメントが普及しているアメリカですが、多くのユーザーは、 食事に気を配り、スポーツにも励みとヘルシーな生活を心がけています。 決して不規則な食事や運動・ 睡眠不足をサプリメントだけで解消しようとしているわけではありません。
 これからサプリメントを使ってみようと思う人は、 あくまで、やむなく不足してしまった栄養の“補助”という意識を忘れないことが大切です。 やみくもに−とか、 なんとなく摂るのではなく、日常の食生活と体調を省みて、何が不足しているのかを分析し、 それに合わせた選択が必要になってきます。初めての人は窓口で相談してみるのもよいでしょう。そうしたヴィジョンのある利用こそがサプリメントライフを成功させる鍵なのです。

小松宏子) 

writer's eyes
アメリカ人の友人のロングアイランドの別荘 に招待されたときのこと。海を臨む爽やかなテラスでの朝食。
テーブルの上にはベーグルにクリームチーズ、数種のシリアル、ジャグに入れられたミルクとジュース。
皆が席につくと、奥様が家族それぞれの組み合わせのサプリメントをお皿の上に置いて行くのです。
ああ、ここはアメリカなんだ! と、あのときほど実感したことはありません。
それから新しい友 に出会うごとにサプリメントを常用しているかと訪ねると、皆、SURE!の答え。
もちろんサプリメントに頼りすぎる生活は、私自身、いいとは思いませんが、自分の健康やきれいを自分でデザインしていくという姿勢は、ぜひ見習いものです。



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