2001.7.20号




「あなたのキモチがなごめる音楽って何ですか?」と尋ねられたら、何と答えますか。そもそも世界中に星の数ほどある音楽を知り尽くしている方なんて、おいでではないでしょうから、この質問自体に無理がありますが、でもあえて選ぶなら…「なぜそんなことを尋ねるの?」って。理由は、いま流行の「癒し系」と呼ばれるCDにもバリエーションがあるからなのです。つまり必ずしも自然のサウンドや、胎教にも効果的と定評あるクラシック、また澄んだ声が心地よい女性ヴォーカルものばかりではないのが昨今の傾向のようなのです。
そこで人間に心地よい刺激を与えてくれる音楽、時に人の心を癒し、また元気づけてくれる“HEALING&REFRESHING MUSIC”を探して、女性の隠れ家として人気のエステティック・サロンや、HEALING MUSICのバイヤーがいるCDショップ、それぞれの専門家達の各視点から、お話を伺ってみました。
あなたが探しているタイプの音楽に出会えるかも…?


 癒され処で好まれる癒し系音楽とは?

女性ばかりか男性の利用者も増えているという、ちょっとした安堵の隠れ家ことエステティック・サロン。ここは必ずしも美しさを求めてやって来るのではなく、心身ともにリラックス&リフレッシュするために訪れる場所でもあります。それは日本国内ばかりか、海外のリゾートでも同様ではないかしら?
誰にも邪魔されない“私だけの時間と空間”を満喫する処。だからもてなす側の心配りも重要です。技術はもちろん、細かな対応、インテリア、そしてBGMにも細心の配慮が行き届いているものです。
そこで、有線放送を利用して「ヒーリング・ミュージック」をBGMにするサロンが多い中、昨今は、独自のセレクションにこだわるサロンならびにスクールの主宰者、また美容家として活躍の吉川千明さんに、御自身のエステティック・サロン(ジュリークショップ青山他4店)で使用する音楽について、専門家の立場からの意見を伺ってみました。


選曲する際に気を配っている点といえば、まずほとんどのお客様に好まれる曲であることです。実は、ジュリーク・オリジナルのCDもあるのですが、現在は使用していません。と申しますのも、日本の尺八のような楽器の演奏が入っている雄大な自然を感じさせるタイプのものなのですが、意外なことに年配の方から『尺八のようで嫌だわ…』とご指摘がありました。一方、こうした類のものは好き嫌いがハッキリ分かれるもので、海外の方を含め『雄大でとてもイイワ!』とおっしゃられることも多々ありました。
またクラシックも同様で、好き嫌いがとてもはっきり分かれるので、うちでは使用を避けています。ちなみに苦手な方の意見として、歯医者さんを連想するという面白い答えが返ってきたんですよ。
う〜ん、そうですね、うちのサロンでの選曲のポイントは次の3つにまとめられるかしら。
まずトーンが暗くならないこと。そしてウルサすぎず静かすぎず、またセラピスト(施術者)のマッサージのリズムにあっていることですね。例えば波の音やイルカの声も良いのですが、抑揚がなさ過ぎて、セラピストがノレナイという難点も…

 そこで、吉川さんにご推薦いただいたのが次の2枚。

1枚目は、アンドレ・ギャニオンの『ピアノ・ソリチュード(PIANO SOLITUDE)』。こちらは、クラシックでもなく、またいかにもヒーリング・ミュージックという過去の固定観念にとらわれない類の、誰にでも素直に聞き入れることのできる、優しく気持ちの良いピアノの曲です。

それからもう1枚は、やはりオープン当初から変わらぬ 人気を誇るエンヤ。神聖な感じがするところが魅力ですね。そんな彼女の数あるCDの中でも、トーンが暗くない『ザ・メモリー・オブ・トゥリーズ(THE MEMORY OF TREES)』を選びました。私個人としては『ウォーターマーク』や初期のものが好きですね。

参考までに、吉川宅でしばしばBGMとして登場するのが、草むらの中から聞こえてくるようなバリのガムラン「THE BALINESE BAMBOO AND FLUTE MUSIC/Gamelan Rindick」や、同じくバリの人気ホテル“チェディ”のマンダラ・スパでみつけたという、サブリミナル・ヒーリング・ミュージックと呼ばれている「SUNDANSE INSTRUMENTALIA/‘Suara Parahiangan’Group」、そして昨年来日して話題を集めたブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの歌姫、オマーラ・ポルトゥオンドのソロアルバムあたりとのことでした。

ジュリークショップ青山
TEL 03.3401.8811
http://www.dayspa.co.jp



 ヒーリング・ミュージック・バイヤーが語る現在・過去・未来

さて、ストレス社会という言葉が定着しすぎた日本だからなのでしょうか?ここ数年すっかり社会に浸透したヒーリング・ミュージックという音楽の分類。多くのメディアで取り上げられ、同時にまたCDショップへ足を運べば、この類のラックを目にすることができる今、皆さんは、どのような類の音楽がヒーリング音楽に含まれるのかご存知ですか?
そこで、21世紀から1つの音楽のジャンルとして展開していこうと、新たに1コーナー2ラックを設け、更にヒーリング・ミュージックのバイヤー、今井和彦氏もおいでになる、ヴァージンメガストアーズ ジャパンで、お話を伺うことにしました。

ヒーリング・ミュージックを当社では、ゴンチチ、東儀秀樹、S.E.N.S.に代表されるインスト系の国内アーティスト、またエンヤ、アディエマス、エニグマ等の独特な言語により表現する国外アーティスト、それから喜多郎、宗次郎、ジョージ・ウィンストンといったまさに王道的存在のアーティストによるニューエイジ、そして正統派クラシックとは一線を画した、より身近な感じにまとめられたコンピレーション形式のライト・クラシック。大きくこの4つのカテゴリーから構成されています。

これらを踏まえた上での傾向をお話ししますと、まず国外ものに関しては、独自の言語を使用することにより民族色を感じさせながらポップなテイストを盛込んだものが一つの特徴と言えます。加えて、アディエマスのように歌をサンプリングしたものも聞き心地が良いと思われ、人気があります。
それから当社では、昨年のキャンペーンでも打出したのですが、『冬のボサノヴァ』に続き、ボサノヴァもヒーリングに加えられると考えております。月並みな表現を使えば、この手の音楽は癒されますからね…。
また新宿店の推薦アーティストとして、先日初の試みとして行ったインストア・イベントのミニライブにお招きしたチェン・ミン。彼女は中国の胡弓の類に属する二胡(にこ)という弦楽器の奏者で、10年以上も前、この楽器の魅力を普及するために単身で来日した情熱あふれる女性です。そして遂に、6月20日には『I Wish/我願』というアルバムで東芝からメジャーデビューもしました。いわゆるバリアス・アーティストものが流行の中で、彼女の独特な調はそうした潮流からは外れないものだと思います。
おそらく今後、ヒーリング・ミュージックも聞く人の好みにより更に多様化していくでしょうね。癒される音楽は、まさにひとそれぞれですから…。

ちなみに現在の当社におけるヒーリング・ミュージックの購買層は、20代から40代を中心に男女比は若干女性が多いくらいですがほぼ半々だとか。

参考までにヴァージンメガストア新宿店「ヒーリング・ミュージック」人気ベスト5をここにご紹介します。

NO.1: FINO〜BOSSA NOVA/

ボサ・ノヴァのエッセンスを凝縮した究極のコンピレーション
NO.2: CHEN MIN/I Wish/

(内容は上記参照)
NO.3: image 2 (deux)/

一大ブームを巻き起こしたオムニバス・アルバム「image」の第2弾。
NO.4: classical ever ! −new world −/

全世界で1000万枚を突破した大ヒット・シリーズ、クラシカル・エヴァー第3弾。2枚組41曲によるライト・クラシックのコンピレーション・アルバム。
NO.5: the most relaxing feel/

このブームの火付け役的存在となったアルバム「feel」の第2弾。喜太郎、小野リサ、東儀秀樹他収録。


ヴァージンメガストア新宿店
TEL 03.3353.0056
http://www.virginmegastore.co.jp



(りんだ) 

writer's eyes
世界のスパなどを訪ね歩く中、時に鳥のさえずりや木の葉のそよぎがまさにスーパー・ナチュラル・ヒーリング&リフレッシング・ミュージックとなることもある。また一方、都会の片隅でホッとする自分だけの空間を寛ぐときには、お気に入りのアーティストの1枚(CD)がマイ・ヒーリング・ミュージックと化す。そしてさまざまな進歩と発展をみせる21世紀には、ひょっとするとつい先日、知人に紹介された現在サービス放送中という“bonjourStream”( www.bonjourstream.net ) なるインターネットの音楽放送も時代の気分なのかも。24時間途切れることのないそこには、まだ耳にしたことのない私好みのサウンドに出会えるチャンスが待っているかもしれないのだから…



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