2001.9.7号




気になっていても、ついつい不足しがちな野菜と果物。それらをたっぷり味わうことができるのが「生ジュース」です。生ジュースは健康の源。素材によっては美肌、便秘、疲れ目など身体の不調にも効果があるのをご存じですか?生ジュースの魅力と夏の疲れを癒すとっておきのレシピをご紹介します。


あなたの野菜は足りていますか?

 バランスのよい食事をするために野菜が欠かせません。国民生活センターのアンケートによれば「野菜が足りない」と気にしているのは10人中7人。
「不足気味」「やや不足気味」と答えた人も含めると、30歳未満では8割近くの人が野菜不足を実感しているといいます。
 健康を保つためには1日約400gの野菜と約150gの果物をとり、ビタミン、ミネラル、食物繊維を確保することが必要です。忙しい生活の中で、朝食抜きですませる人、外食・インスタント食品が生活の中心という人はかなり意識してとらないと、体のバランスを崩してしまうことにもなりかねません。
そこで野菜と果物を効率よく摂取するために生ジュースが威力を発揮します。
 例えば、ニンジン100gを生のスティックサラダや煮物で食べると大変ですが、生ジュースにするとわずか60cc程度になります。キャベツやほうれん草などもほぼ同じ割合なので、約100gのサラダと、コップ約1/3強の生ジュースとは、同じ分量の野菜をとっている計算になります。生ジュースで野菜不足を100%解消できるわけではありませんが、補助的に利用することで健康改善の強い味方になるはずです。



生ジュースを作る基本の法則

 組み合わせも無限で、手軽に作ることができる生ジュースですが、全ての素材に共通するおいしい生ジュースの作り方があります。基本をしっかりマスターすれば、お気に入りのオリジナルドリンクを作ることもできます。

Point1 野菜は新鮮なものを使う

野菜や果物は時間が経つにつれて、味が落ちていきます。冷蔵庫で保存していても、買ったその日から栄養価は下がっていきますので、新鮮な野菜を使いましょう。また、旬の野菜や果物は栄養が充実していて、おいしく、値段も安いので、生ジュースを作るのに最適です。また、水を加える場合には塩素消毒していないミネラルウォーターを使いましょう。
Point2 材料の組み合わせを考える

 ジュースに利用できる野菜や果物は豊富にあり、組み合わせも自由です。ただ栄養満点でも、見た目が悪かったりおいしくなければ、長続きしません。
 トマト、ニンジンの赤系のものと小松菜やほうれん草などの緑系のものを組み合わせると、どんよりとした茶色になってしまうことも。また、キャベツやセロリなどの淡色野菜はソフトな色ですが、味と香りは料理で使うとき以上に、それぞれの特徴が強調されてしまいます。
 さらに、使う野菜によっては工夫が必要です。ニンジン、きゅうり、カボチャなどには、アスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素が含まれています。ビタミンCの多いものと合わせる場合は必ず、レモン汁や酢を加えるようにします。
Point3 白砂糖は使わない

 新鮮な野菜と果物で作った生ジュースは、素材本来の甘みがあってそれだけでおいしいもの。砂糖などを加えることなく味わいたいものです。甘味をプラスしたい場合でも、白砂糖は使わないようにします。白砂糖は体内で多量のビタミンB1ビタミンB2カルシウムなどを必要とするため、せっかく補給したビタミンやミネラルを損失することになります。その代わりハチミツやオリゴ糖、黒砂糖を使います。ただし、ハチミツは小さじ1杯が21キロカロリーもありますので、使いすぎには注意しましょう。
Point4 作りたてを飲む

 作った生ジュースは時間と共に、味も色も悪くなり、栄養価も下がり、本来のよさが失われてしまいます。そのため、作る時間も含めて30分以内に飲みきるようにするのが理想的です。作りおきはせず、飲む直前に手早く作るようにしましょう。




マスターしたい生ジュースを作るときの道具&使い方

 道具を正しく使うことで、生ジュースの美味しさや舌触りも格段にアップします。それぞれの道具に長所と短所がありますので、使う材料やお好みに応じて、道具を使いこなしてみてはいかがでしょうか。

ジューサー 高速回転する刃で野菜や果物をすり下ろし、遠心力で液体を絞り出すのがジューサーです。材料の繊維などはカスとしてフィルターに受けますので、さらっとしたジュースを作ることができます。材料はほうれん草などの葉ものからトマトまで幅広く使うことができますが、やまいも、モロヘイヤ、バナナ、アボカドのような粘度の高いものには不向きです。
ミキサー 回転する小型の刃で材料を粉砕し、混合させるのがミキサーです。野菜や果物の繊維分が混じっているのでドロッとした口当たりのジュースになります。繊維分を多く取りたい人はジューサーよりもミキサーを使うのがいいでしょう。容器に材料を入れるときには、牛乳やヨーグルトなどの液体を先に入れてから、やわらかいもの、固いものの順番に加えていくと短時間で効率的に作ることができます。
ハンドミキサー 大きなコップで直接ジュースを作ることができる、ハンディータイプのミキサーです。少量のジュースを作るのに重宝します。やや深いコップにカッター部分の先端を入れて使います。先端の汚れた部分を洗うだけなので、後片付けも簡単です。
スクイーザー レモン、グレープフルーツ、オレンジなどの柑橘系の果汁を絞るときに使います。手間がかからず無駄なく絞れる上、ビタミンの損失も最小限に抑えられます。後片付けも簡単です。
ハンドジューサー グレープフルーツやオレンジなどの柑橘系の果物、桃などやわらかい果物を入れ、手でプレスして使うジューサーです。材料をセットして手で押すだけで簡単ですが、ジューサーの種類によっては思っている以上に力が必要だったり、一度に絞れる量が限られてしまうのが難点です。
おろし金 ジューサーやミキサーがない家庭でも、おろし金があれば、生ジュースを作ることができます。人参や大根、リンゴなどをすり下ろし、ペーパータオルやガーゼなどでやさしく絞ります。ショウガなど少しの量を使いたいときに便利です。ただジュースに匂いが移りますので、にんにくなどをすり下ろしているおろし金は避けた方がいいでしょう。



今すぐできる!美人度アップの特製生ジュースレシピ

 夏の疲れで、お肌もボロボロ。疲れがとれなくて、体調もすぐれない。そんなときにおすすめしたいのが、簡単にできる特製の生ジュース!材料は冷たくして使うと、氷を入れなくても冷たくておいしいジュースを飲むことができます。食事の中に取り入れて、体のトラブルを解消しましょう。

★ 疲れ目
材料:にんじん100g, りんご100g, オレンジ1/2個, 豆乳100cc, ハチミツ小さじ2

 長時間パソコンを使っていると、目も疲れがち。にんじんに含まれるビタミンAは、眼精疲労に効果的です。にんじんとリンゴは組み合わせも抜群で、リンゴのほのかな甘みが広がります。

★ 美肌
材料:オレンジ1個, マンゴ80g, ヨーグルト100g, レモン汁小さじ1

 完熟したマンゴにはビタミンAビタミンCフラボノイドが豊富。これらには抗酸化作用がありますので、細胞が元気によみがえってきます。

★ 便秘
材料:バナナ1本, 牛乳200cc, きな粉大さじ1, ハチミツ小さじ1

 バナナはお通じがよくなる食材として知られています。きな粉と牛乳でタンパク質も補うことができる栄養満点のジュースです。

★ 貧血
材料:小松菜100g, グレープフルーツ1/2個, パイナップル100g, レモン1/2個

 立ちくらみ、顔色が冴えない、爪がデコボコしているのは代表的な貧血のサイン。グレープフルーツとパイナップルのビタミンが小松菜の鉄の吸収率をアップしてくれます。ジュースと共に、卵や魚介類、豆腐などの良質なタンパク質を食卓にのせるように心がけることも忘れずに。

ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む野菜は一般的に免疫力を高める効果があると言われています。ビタミンCを豊富に含む果物はコラーゲンの生成を助け、張りのある肌を作り、シミの元となるメラニン色素の生成を抑えてくれます。健康で美しくあり続けるためにも、定期的に生ジュースを生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。




(石亀佳代子) 

writer's eyes
飲み始めた頃、どうにもおいしくなかった生ジュース。原因は使う野菜や果物を充分に冷やしていなかったことでした。ささいなことですが、温度によってジュースの味は全く違います。生ジュースを作り慣れている友人も、コツをつかむまでは試行錯誤を繰り返したと言います。素材の組み合わせなど、もしかすると最初は失敗することもあるかもしれませんが、自分なりのコツをつかんで、レシピの幅を広げていって下さい。

■取 材 協 力 / 杉本恵子先生
管理栄養士 ヘルスケア・アドバイザー。130人の管理栄養士をネットワークし、栄養管理・アドバイザー事業を担う(株)ヘルシーピット主宰。
ヘルシーピットHP:http://www.healthypit.co.jp
■ 参考文献・サイト/ 「健康生ジュース305種」小池すみこ(新星出版社)
朝日新聞 http://www.asahi.com/
NHK  http://www.nhk.or.jp/



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