2002.6.19号



おかげさまで大好評の短期集中連載・断食特集。
最終回となる今回は、私、ライター小倉若葉が、断食施設でチャレンジした3泊4日の断食レポートをお届けします。
果たして、その効果やいかに!?



 1日目

 なんだか毎日忙しい。「忙しい」という言葉は極力使いたくないけれど、どう考えてもこれは忙しい。恐る恐る手帳を開いて数えてみると、3月以来、完全オフはゴールデンウィークを含めてたった4日(!)。ライター稼業とはかくも辛いものよ。ひどい肩こりに不眠・・・身体が悲鳴を上げるわけです。ここはひとつ本気で身体を休ませようと、ムリやりスケジュールを捻出して3泊4日の断食体験に出かけることにしました。

 私が選んだのは、長野県北佐久郡にある「ファスティングアリーナ蓼科」。昨年4月、老舗リゾートホテルが日本で初めて断食(ファスティング)施設をオープン。20〜40代の女性を中心に人気を集めているのだとか。リゾート地で断食なんて、身体だけでなく精神的にもよさそうと、期待に胸が膨らみます。

滞在中は、看護婦によるメディカルチェックを毎日受診。写真は血圧・脈拍を測定しているところ。
 
断食中に飲む生ジュース。11種類のレシピの中から好き嫌いを考慮して作ってくれる。写真は「豆乳レタス」(豆乳70g、グレープフルーツ100g、レタス50g、オリゴ糖8g)。
 
断食中、昼と夜の1日2回飲む「酵素ジュース」は、80種類以上の野菜や果物、穀類等にハチミツを加え、1年以上自然発酵させたもの。酵素・ビタミン・ミネラル・アミノ酸が豊富。
 10:56、東京駅から長野新幹線「あさま」に乗り込み、いざ長野へ。「昼食までは普通に食べてきてください」との指示どおり、車中でペロリと駅弁を平らげました。12:08、佐久平駅到着。迎えの車に乗り込み、ホテルへ。チェックインを済ませたら、早速メディカルチェックとオリエンテーション。メディカルチェックでは、看護婦さんによる問診後、身長・体重・体脂肪・血圧・脈拍を測定。心電図の検査も行います。次に断食のオリエンテーション。検尿カップと部屋で飲む酵素ジュースを受け取り、施設説明、断食中の過ごし方について説明を受けました。

 16:00、看護婦の沼 陽子さんと一緒に近くの診療所へ行き、ドクターによる診察を受けます。ここで特に問題がなければ、今夜からいよいよ断食スタートというわけ。もちろん、私はドクターチェックをクリア。ホテルに戻ると、ほどなく夕食(生ジュース)の時間がやってきました。

 実はここ「ファスティングアリーナ蓼科」の断食方法は、食事の代わりに生ジュースと酵素ジュースを1日各2回飲む“ジュース断食”。野菜と果物をたっぷり使った生ジュースは、食物繊維もたっぷりで、腹持ちがいいのが特徴。ちなみにこの夜のジュースは「豆乳レタス」。豆乳をベースにオリゴ糖が入っているせいか、ほんのり甘くてマイルド。青臭さもなく、とても美味。夜は就寝1時間前に部屋で酵素ジュースを90ml飲みますが、実はこれがかなりクセもの。強烈に甘いんです。飲みにくいという人はレモン水で割って飲むとよいとのこと。でもこの甘さのおかげで、空腹感をまったく感じないまま就寝できました。

<スケジュール>
13:00  チェックイン
13:30  メディカルチェック&オリエンテーション
16:00  ドクターチェック
18:00  生ジュース(100kcal)
18:30  整体オリエンテーション
21:00  酵素ジュース(約200kcal)
22:00  就寝




 2日目

朝食代わりの生ジュースの後は、体操のプログラムに参加。メディカルスタッフの古田庸子さんから指導を受けます。ゆっくりした動きなので、断食中でも大丈夫。
 
 
ホテルのロビーで、栄養士の三石紀子さんから栄養指導を受けました。生ジュースのレシピに興味津々。
 
 
ホテルの目の前に広がる女神湖。遊歩道がめぐらされ、断食中の散歩コースにはもってこい。
 7:30、起床。すでに体重は1.2kg減。空腹感はさほど感じないものの、やはり8:30の生ジュースが待ち遠しい! 生ジュースの後は、フィットネスルームで行われる体操に参加。無理のないゆっくりした動きなので、断食中でもそれほど辛くありません。身体がポッポッと温まり(蓼科の朝はまだ寒い)、こわばっていた肩や背中がすっきりしました。

 部屋に戻ると、途端に眠気に襲われ、11:00のメディカルチェックまで、しばしうとうと。断食中は血圧が下がるため、眠くなりやすいのだとか。そういえば、過去に4日間の“寒天断食”を体験したときは、ひたすら眠り続けていた気が。本を読もうと思っても活字がまったく頭に入ってこないので、起きている時間はテレビを観るか、雑誌をめくるか、ブラブラ散歩をするしかありません。そこで、午後はホテルの目の前に広がる女神湖を散策することにしました。

 女神湖は1周1.5kmの小さな湖。周囲には遊歩道がめぐり、気軽に散歩が楽しめるようになっています。断食中は五感が研ぎ澄まされるため、木々の緑や花、鳥のさえずりにも、いちいち感動してしまうのが、我ながら不思議。日常の喧騒から離れ、美しい景色をゆっくり堪能することで、ストレスで張り詰めていた神経がゆるゆるとほどけていく感じ。

 14:00、栄養士さんによる栄養指導。必須栄養素の話や健康な食生活を送るためのアドバイスを受けました。ホテルで出される生ジュースのレシピや献立表がもらえるのが、とてもうれしい。

 16:00、楽しみにしていたプログラムのひとつ、整体の時間。「整体と断食は相性がいいんですよ」とは、整体師の古川志乃さん。身体がオフ状態になっている断食中に整体を行うと、「気」が流れやすく、相乗効果でよい結果が得られるのだそう。まずはうつ伏せの状態で足のバランスから整えてもらいました。ふくらはぎや太ももの外側など、数ヵ所に激痛ポイントが。「便秘してるでしょう」「胃と腸が疲れていますね」と、次々と私の身体の不調を言い当てます。約40分にわたる施術が終わると、身体は心地よい疲労感とリセットされた爽快感でいっぱいに。今夜はよく眠れそう。

 夜は18:0021:00の2回のジュースのおかげで、耐えられないほどの空腹感はなし。これならもう2〜3日は軽く断食できそうな気分。明日からはもう回復食(復食)に入るのが少し残念な気も。

<スケジュール>
総カロリー:600kcal
水分:水2リットル
8:00  検尿提出・体重測定
8:30  生ジュース(100kcal)
9:30  体操
11:00  メディカルチェック
12:30  採血
13:00  酵素ジュース(約200kcal)
14:00  栄養指導
16:00  整体
18:00  生ジュース(100kcal)
21:00  酵素ジュース(約200kcal)
22:00  就寝



 3日目

回復食はこれでたったの266kcal! 断食後は急激に塩分をとると身体がむくみやすいため、塩はほとんど使っていないとか。それでも、断食明けの舌には、素材の味が実に濃厚に感じられます。
玄米とクコの実の五分粥
がんも煮
ワカメと大根と油揚げのみそ汁
ごましお
フルーツヨーグルト

 
蓼科牧場ゴンドラリフトの終点にある御泉水自然園。豊かな自然に大感動! ライター小倉イチ押しの散歩コースです。
入園料300円の価値はアリ。
 
断食中は毎日整体の施術を受けることができます。1日目はふくらはぎ、太ももを中心に激痛が走ったのに、2日目にはまったく痛みがなくなってしまったからオドロキ。
 前日より体重500g減。「今日からいよいよ回復食!」と息巻いてレストランへ。まず驚いたのが、その内容の充実ぶり。だって五分粥にがんもの煮物、味噌汁にデザートまで付いているんですもの! これでたった266kcalと聞き、2度ビックリ。記念すべき最初のひと口目は、温かいお粥から――44時間ぶりの食事の何たる美味しさ!! 食べ物に対する感謝と感動の気持ちでいっぱいに。約30分かけて、ゆっくりと味わったのでした。

 食べ物をしっかり食べたせいでしょうか。断食中よりも身体中に力がみなぎっているのがわかります。昨日よりもほんの少し遠出をしてみようと、午後はホテル近くの蓼科牧場へ。ゆっくりと草を食む牛たちの頭上を通うゴンドラリフトに乗り、蓼科山の中腹へ。終点には御泉水(ごせんすい)自然園なる公園があったので、せっかくだからと入場料300円を支払って中へ入ってみました。

 御泉水自然園は、伏水による湿原を中心に、色とりどりの高山植物やカラマツの原生林などをめぐる散策コースが整備され、のんびり自然探索ができるようになっています。一人木道を歩きながら、鳥の歌声に耳を澄ませ、清流を渡り、森の緑を目にすると、心が洗われていくのがわかります。

 興奮と感動を抱えてホテルに戻ると、そろそろ整体の時間です。2日も連続で施術が受けられるなんて、なんと贅沢なことでしょう! しかしながら、昨日の激痛を思い出して、内心は少しドキドキ。ところが、施術を受けてみると・・・。昨日はあんなに痛みが走ったところが、嘘のように消えてなくなっているではありませんか。「もうすっかり健康」と、古川整体師に太鼓判を押されたのでした。そういえば、ひどい肩こりも背中の痛みも、いつのまにかなくなっているみたい・・・。

 18:00、レストランにて回復食。しっかり運動した後ですから、夕食も非常に美味しかったことは言うまでもありません。

<スケジュール>
総カロリー:約800kcal
水分:水2リットル
8:00  検尿提出・体重測定
8:30  回復食(266kcal)
9:30  体操
11:00  メディカルチェック
13:00  回復食(266kcal)
16:00  整体
18:00  回復食(266kcal)
22:00  就寝



 4日目

回復食2日目の朝食は、400kcal。食べ応え十分で、断食明けの胃袋には少々多すぎるくらい。
玄米とクコの実の全粥
ブロッコリーと卵の炒め物
ワカメと大根と油揚げのみそ汁
海藻サラダ
トマトスープ
ごましお
フルーツヨーグルト

 
親切なスタッフの皆さん。4日間、お世話になりました!
滞在中、数人のスタッフの方も断食中だったのが、とても励みになりました。
 
 3泊4日の断食体験も、今日でおしまい。体重は2kg減、体脂肪は1.2%減。尿中からは体脂肪燃焼の証ともいえるケトン体も検出されました。あんなにくたびれきって重たかった身体が、嘘のように軽くなりました。軽い断食反応か、顔に少し湿疹が出ましたが、これもじきに治まるでしょう。断食中、人によっては頭痛や腹痛などの反応が起こることもあるとか。

 さて、気になるお値段ですが、シングルユースの場合、1泊2万5,000円×宿泊日数(税別)。基本は5泊6日ですが、2泊3日から可能です。医師や看護婦、栄養士といった専門家の管理のもと、安全に断食ができて、環境も良好。しかも1日1回の整体付きと考えたら、この値段も推してしかるべし。疲れた体のまま観光地に繰り出し、美味しいものをお腹いっぱい食べるのもまたよしですが、身体のことを考えたら、リゾート地で断食なんてこれほど贅沢な過ごし方、ほかにないかもしれませんね。さあ、あなたもこの夏休みは、断食で身体の内側からキレイになってみませんか?

<スケジュール>
総カロリー:約800kcal
水分:水2リットル
8:00  検尿提出・体重測定
8:30  回復食(400kcal)
9:30  体操
10:45  メディカルチェック
11:00  チェックアウト


小倉若葉) 


writer's eyes
 体重・体脂肪の減少はもちろんうれしかったのですが、それより何より身体の芯から回復した感覚は、何にも替えがたい喜びでした。この爽快さは、断食以外では得られないものなのでしょうね。帰京した翌日に会った友人たちからは、口々に「どうしたの! 顔色も肌ツヤもすごくいいね」と驚かれました。いつもの食生活に戻った今も、できるだけ食べ過ぎないようにして、断食効果をいかに持続させるかに心を砕く日々です。

■取材協力/
ファスティングアリーナ蓼科
http://www.fastingarina.com/



Copyright (C) 2002 Island Magic Inc. / kireine.net All Rights Reserved.