2002.11.27号



「旅は人を元気にさせる」という言葉をしばしば耳にしますが、それはまた同時に「旅人の疲れを癒す宿」の役割も大きいのではないかと思うのです。さらにまたその日常と違う環境(=宿)は、人々の創作意欲を高めるのでしょうか。なぜなら、サマセット・モームが、キップリングが、ヘルマン・ヘッセが…といった世界の名だたる文豪たちは、しばしば世界中に点在するさまざまなスタイルのホテル(=宿)に滞在し、そこを舞台に、あるいはそこから何らかのインスピレーションを得て、数々の作品を世に送り出したのだそうだから…
というわけで、数回にわたり、勝手に名づけ、分類した世界の「Healing Hotels」を紹介させていただいている Chapter 2 は、より近く、より魅力的、そしてより新しい、そんなホテルを訪ねてみます。ではTAKE OFF!
 
「Healing Hotels」とは、“ホテル大好き”ライターりんだの独断と偏見による、以下のような要素を兼ね備えたホテルのカテゴリーであり、5スター・ホテルなどの一般的なカテゴリーとは異なります。
 
設立年は古くとも、現代の設備を採り入れ、現代人が滞在に際し不都合を感じない
ホテル周辺のエリアにおいて、立地条件に何らかの魅力を感じる
(目の前が海、ショッピングに最適、眺望が良い…などなど)
ホテルのスタッフの対応が心地良い
部屋のインテリアがチャーミング
宿泊施設以外にもゲストが喜ぶ施設やプランなどがある
(スパ、ライブラリー、プライベート・クルージング…などなど)



 「Healing Hotels」Chapter 2

Chapter 2 となる今回、最初の訪問先は、フライト時間も3時間半くらいという私たち日本人にとって身近なアメリカことグアム。日本の淡路島と同じ大きさともいわれ、島一周のドライブも可能という、実に手軽なこのアメリカンのリゾート地は、想いの外、青い海と木々の茂る山に囲まれている。そんなグアムで出会う「Healing Hotels」とは?


[OUTRIGGER GUAM RESORT/アウトリガー・グアムリゾート]

 グアムのホテルの中でも意外に珍しい、ビーチ・フロントのこのホテルは、タモンの中心「プレジャー・アイランド」に位置しているので、目の前にはDFSギャラリアほかのショッピングや、世界一長いトンネルを持つ水族館「アンダーウォーターワールド」など、エンターテイメントにも事欠かず、またサム・チョイ・レストランやハードロック・カフェなどのアメリカン・テイストのグルメをはじめ、さまざまな食の世界も広がります。そのような環境にあるここは、デラックス・カテゴリーのホテルの中では最新施設と言えるとか。そこで、グアム歴17年というマーケティング・ディレクター、トーマスJ.ゴレッシュ氏にアウトリガー・グアムリゾートの新しいウェディング・プランやグアムの魅力などをお話しいただきました。
「グアムでのウエディングは、とても人気があります。その中でもアウトリガー・グアムリゾートはアイランド・ウェディング・サービスというウェディングの会社とコラボレーションしているんですが、この会社は恋人岬にあるチャペル(天使の教会)を所有していて、そこはグアムの中でも最も景色の良い、非常に美しい景色を楽しめるチャペルです。こちらでウェディングをあげた人の大半は、アウトリガーにお泊りになったり、またアウトリガーのガーデンでセットアップしたガーデン・ディナーを楽しまれたりしています。
また9月から予約を開始した新しいプランとして、非常に見晴らしの良い21階にある“ボイジャーズ・クラブ”というクラブ・メンバー用ラウンジでプライベート・ディナー、といったようなラグジュアリーな空間でお食事を楽しんで頂ける内容のものが、徐々に人気を集めています。
 ウェディングもそうですが、やはりグアムは日本からとても近いのが魅力だと思います。日本の8都市から飛行機が飛んでいますから、どこに住んでいる方でも気軽に来ていただけますし、またここは何といってもアメリカですので、アメリカの体験をして頂けます。たとえばレストランにしても、エンターテイメントにしてもワールドクラス、つまり他の国と比較しても見劣りのしないものが揃っています。言い換えれば日本から一番近いアメリカではないでしょうか。」
 というわけで、花嫁だけでなく、ヴァカンス気分の女性をはじめ男性諸氏もゆっくりリラックスできる「マンダラ・スパ」でのひと時や、目の前の海でバナナ・ボートなどのビーチ・アクティビティを満喫するなど、自分次第のグアムがここで味わえるはず。

http://www.outrigger.com



[OHANA BAYVIEW GUAM/オハナ・ベイビュー・グアム]

 丘の上に建ち、タモン・ビーチ及びタモン・エリアを全て見渡せ、ロケーション的にも非常に眺めの良い、まさにその名の通りの「オハナ・ベイビュー・グアム」。ここのコンセプトは、クリーン&シンプル。そしてお手頃価格が魅力のホテルとして、今年の9月20日にソフトオープンしました。オープン準備期間中、ホテル・マネージャーを務めていたラバーンH.サルバドール女史にこのホテルの魅力を伺いました。
「オハナ・ベイビュー・グアムは、非常に女性に優しいというコンセプトのホテルです。女性がインテリア・デザインを手掛けていますし、また女性を意識したパッケージ“オハナ・レディース”、略してOL、まさにOLの女性たちにぴったりというパッケージを作っています。たとえばそれには、最上階にオープンするマンダラ・スパでのトライアル10分、またアウトリガーにあるオハナ・ビーチクラブでのウェルカム・ドリンクやウォーター・スポーツ・アクティビティのディスカウントがついているなど、女性がとても喜んで頂けるようなものを満載したパッケージを用意しています。またお部屋の感じが非常にシンプル・エレガントというコンセプトのデザインで、女性好みの雰囲気とサービスを提供しているというのが一番の特徴だと思います。また大晦日や独立記念日などには、大きな花火が打ち上げられるんですが、この花火もここから非常に美しく見えます。
 さて、先ほども登場したインテリア・デザインを担当した女性ですが、ドナというグアムの人で、彼女のファミリーはグアムのホテルやいろいろな施設を所有している大きなファミリーです。2つのオハナ・ホテル、それにアウトリガーもそのファミリーが所有しています。さてこのオハナ・ベイビュー・グアムのインテリアについてですが、タイシルクやインドネシアのバティックを使用していますが、いずれもアースカラーなど自然の色をふんだんに使い、シンプルでありながら居心地の良さを上手に表現していると思います。」
 居心地の良さとお手頃価格(US$149)がちょっと長居したくなりそうなここオハナ・ベイビュー・グアムは、女性だけでなくカップルやファミリーのヴァカンスをサポートしてくれることでしょう。

http://www.ohanahotels.com

グアムのホテルでは、アメリカの法律に基づき、各部屋番号を点字でも記されています。まさに人に優しい配慮ですよね。



日中国交正常化30周年を迎えた2002年。さまざまな雑誌も特集を組み、数々の有名ホテルがオープンし続けるなど、今まさに世界が注目している国、中国。その国の顔とも言われる首都、北京、そして未来都市ともいうべき上海で出会う「Healing Hotels」とは?


[北京東方君悦大酒店/GRAND HYATT BEIJING]

 中国最大級の商業複合施設であるオリエンタルプラザ内にあり、北京一のショッピング・ストリート「王府井大街」や天安門広場、故宮へも歩いていける便利な立地条件が魅力の一つでもあるここは、そのガラス張りの外観も目を見張ります。昨年10月16日にオープンして以来、徐々にオープンし続けたレストランもすべて完成し、それぞれに美味しいと評判だとか。たとえば豊富な種類のお茶が揃うラウンジや、飲茶も楽しめる広東料理のレストラン、またパンやケーキ、ペストリーなどのグルメアイテムが揃う「The Patisserie」など、食の満足も得られます。一方、大型室内リゾートプールは、バーチャルスカイにより、さまざまな気候とリゾート気分に浸れる・・・といったように、北京におけるハイアットグループによる最高のクオリティの追求が、ここグランド・ハイアット北京に集約されたというわけです。
 黒、白、銀、ベージュの4色でまとめられたゆったりサイズのゲストルームは、モダンなインテリアにまとめられ、唯一の装飾としては、写真家ジョージ・ミシェルが北京の胡同の風景を撮りおろしたモノクロ写真のみ。そしてガラス張りの建物だけあり、ルームサイドはもちろん天井から床まで一面ガラスなのですが、外からは全く見えない仕組み。「中国に来たのだからそれ風のホテルに」という方も多々おいでかと思いますが、逆に北京の近代ホテルを訪ねてみるのも新たな発見と驚きを得ることができるでしょう。新たなランドマークとして、注目度数ハイ!

http://www.hyatt.com


[上海金茂君悦大酒店/GRAND HYATT SHANGHAI]

 88階建の金茂タワーの53階から上に位置する、世界最高層のホテル。それがグランド・ハイアット・上海です。モダンなインテリアのゲストルームに大理石のバスルーム、そしてブラウンとメタリックシルバーのカラー・コンビネーションがアクセントになっている部屋から見下ろす景色(部屋の位置により違いますが…)は、ライトアップされた上海のシンボルともいうべき外灘(バンド)など、思わず「来て良かった」と呟いてしままうはず。
 また12のレストランやバーは、もちろんいずれも人気で、中でも最上階のバー「クラウド 9」は、世界でもっとも高い処にあるバーとのこと。専用のエレベーターに乗るあたりからワクワク感が高まるに違いありません。また1階の「精餅屋(ペストリー・ブティック)」に並ぶ数々のケーキやチョコレートなどを手掛けるホテルのペストリー・シェフは、グランド・ハイアット福岡にいたシェフ、内海キヨシ氏。見た目も味もいずれも満足の品々です。また88階建てのビル型チョコーレートは、ラッキー・スウィーツとのこと。何故なら中国では数字の「8」はラッキーナンバーだそうで、それが二つ重なっているので、よりラッキーなのだそう。というわけで、是非お試しあれ!

http://www.hyatt.com

週末をかけて訪れる日本人が増えつつあるという上海は、どんどん変化を遂げていて、中でもグランド・ハイアット上海のある浦東(ぷーとん)エリアは次々と新しい建物ができているそうです。この10月にオープンした「スーパー・ブランド・モール」はアジア最大のショッピング・モールで、ホテルからも程近い距離にあります。「より新しく、より大きく」そんな表現が上海にはよく似合うように思います。
フライト時間はほぼ日本国内を移動するのと変わらないのに、こんなにも街の様子が違う国々。そこではそれぞれの魅力を兼ね備えた新時代のHealing Hotelsと出会えます。というわけで、Chapter2はこのあたりでFIN。次回は、まだ未定ですが、必ずや、また。



(りんだ) 


writer's eyes
意外にも意識の差がありそうなデスティネーション(行き先)といえるのがグアムや中国のように思います。でも実際に訪れてみると、そのギャップに驚くこともあるような?ともあれ、「なんでも世界一を目指している上海」という印象がより強くなると同時に、中国のホテルのレベルの高さに驚くばかり。その驚きや感動をまた再び共有できたら。



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