2003.1.29号



   冬の朝。もう起きないと遅刻しちゃう。だけどベッドを離れるのが辛い。このままぬくぬくしていたい。ああ、私って怠け者なのかな〜、なんてため息をつく必要はありません。寒い冬に眠っていたいのは人間だけではないのです。例えば、熊やリスなどのほ乳類、体温調節が苦手なヘビやカメなどの爬虫類動物は春になるまで延々と冬眠をします。活動の鈍る季節に寝て過ごすのは、生き物にとってはいたって自然なことでもあるのです。とはいえ、冬眠するわけにはいかないのが人間。できることなら、安らかな睡眠とすっきりした目覚めで、毎日を快適に過ごしたいものです。
 日々の平均睡眠時間を6時間とすると、一日24時間の中で眠りが占める割合は四分の一。80年生きるとすると、なんと20年も眠っていることになります。この長く貴重な時間に、私たちはただ単に活動を停止しているわけではありません。睡眠中に、私たちの身体は一日の身体や精神の疲れを癒し、明日の活動に向けての下準備をしているのです。「寝る子は育つ」と言われているように、睡眠中には成長ホルモンが多量に分泌されます。また脳は、夢を見ることによって種々雑多な記憶を整理していると言われており、一説によると、昼間は気づきにくい身体のSOSが夢に現れて来ることもあるそうです。このように睡眠は、私たちの身体と心にとって非常に大切な役割を果たしています。毎日をより健康により美しく過ごすためには、よい睡眠が不可欠なのです。
 そこで今年第一回目の特集は「眠りのワンダーランドへようこそ」。
よい眠りとは?そして、よい眠りを迎えるためのさまざまな工夫をご紹介しましょう。


「新しい眠りが目をさます」

 いい言葉だと思いませんか?これは、「快眠」のプロフェッショナル、ロフテー株式会社の合い言葉です。ロフテーは「寝具」ではなく「眠具」、つまり枕など快眠のための商品開発や、眠りに関するさまざまな情報提供を行っています。ロフテー株式会社睡眠文化戦略部門の前田裕美さんはおっしゃいます。
「【眠りを中心にして生活を見直してみよう】。それが私たちのテーマです。眠りは民族や文化、生活様式や時代によって異なる多種多様なもの。人それぞれが自由に眠り方を選び、個性ある眠りというものを演出することができるわけです。眠りは、起きている時の過ごし方に影響されます。昔はゆったりと自分のペースで暮らすことができましたが、今は時間に追われ、ストレスがたまりっぱなしの時代。私たちは、よい睡眠に必要な、【眠りに移行する時間】を自分で作ることが必要なんです」
その手助けをするために、ロフテーでは、新しい技術を積極的に取り入れ、よい眠りの商品開発や情報発信を行っているのです。私達の快眠の心強いサポーターとも言うべき前田さんに、眠りに関するさまざまなお話をうかがってみました。
前田裕美さん。首に巻いているのは、美しいネックラインをキープする「BEAUTY PILLOW」です。


<女性の身体と眠り>
 「男性よりも女性の方が、眠りにまつわる悩みが多いんです」。
 平均睡眠時間に関するある調査によると、女性は男性よりも20分程度少ないという結果が出ているそうです。残業に追われる働く女性のみならず、家庭の主婦の場合、家事(特に、朝の早起き)や育児で睡眠時間を削らなければならないことが多いのです。しかしこうした生活面での関連以外に、女性の睡眠のトラブルは、生理や妊娠に伴う睡眠障害、つまり、女性ホルモンと関連があると考えられています。
 女性の身体のリズムは、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きで作られています。排卵が起きると、黄体ホルモンが分泌され、基礎体温が高温になる「黄体期」に入ります。この時期は心身ともに不安定になり、黄体ホルモンの影響で眠気が強くなります。2週間ほど経つと「月経期」に入り、黄体ホルモンの分泌は衰えますが、月経に伴うイライラや倦怠感と共に眠気も続きます。しかし生理痛や睡眠中の心配などで、熟睡が妨げられがちです。つまり女性は、月の半分以上、何らかの眠りのトラブルを抱えているということになります。
 さらに、生理の周期は骨にも影響しているのだそうです。骨盤は生理の周期によって開閉し、それと連動して頭蓋骨も弛んだり締まったりします。また一日の間でも、昼間活発に動いている時は、骨盤や頭蓋骨は締まっており、夜眠っている時には弛んでいます。これらの動きがスムーズに行われるためには、骨盤と頭蓋骨をつないでいる腰椎と胸椎がスムーズに動く、弾力のある身体であることが大切です。ところが、極度の運動不足だったり、ストレスでいつも身体を縮ませていたり、悪い姿勢を続けていたりすると、身体の弾力が失われ、寝ている間に十分身体を緩ませることができず、寝付きも朝の目覚めも悪くなります。これが繰り返され、起きている時と寝ている時のメリハリがなくなると、睡眠のリズムは乱れ、腰や生殖器、自律神経のバランスが乱れてしまうのです。 
 女性なら誰もが感じているはずの身体の微妙な変化。一定の周期で生きている女性だからこそ、自分の身体の声を聞くことができるのです。日中の不快感や肩や腰の凝りなど、ちょっとした違和感を感じたら、問題を解消する方法を積極的に取り入れてみましょう。

ロフテーの快眠スタジオ入口にある、ベッドの理想形



「眠りの中で身体は学んでいる」

 「美しい姿勢の自分を『演じる』のではなく、それを身体に覚え込ませて、自分のステータスにしてしまうんです」
外苑前カイロプラクティックセンターの河野豊蔵先生はおっしゃいます。しなやかに伸びた、凛とした立ち姿は誰が見ても美しいもの。自己管理がちゃんとできていることは、大きな魅力です。普段、背中を丸めている人が、人前だけではしゃんとしようとしても辛いだけ。いつも姿勢が美しい人が生き生きと健康的なのは、決して見た目だけではないのです。それでは、どうすれば自分のイメージ通りの美しい姿勢を保つことができるのでしょうか。そこに登場するのが「眠りの時間」なのです。そこで、河野先生に「脳神経とカイロプラクティックの視点から見た睡眠」についてうかがってみました。
骨格標本を手に、河野豊蔵先生

<身体の歪みに要注意!>
 長時間のパソコン入力、立ち仕事、会議など、同じ姿勢を続けているうちに、私たちの身体にはどうしても歪みが生じてしまいがちです。これは、重力に逆らって二足歩行を獲得した私達の身体が、さらに進化発展の途上にあるからと考えられています。
 身体を支える骨格の歪みを放っておくと、特に、静止した状態を保つ筋肉(特に脊柱起立筋)に負担をかけるばかりでなく、脳はアンバランスの過った状態を、当たり前の正しい事実として取り込んでしまいます。また、身体の適応するシステムが高く、柔軟な人ほど、歪みの放置が裏目に出てしまうのです。例えば、足を組んで座る癖がある人、その方が楽という人は、自分から進んで歪みに身体を合わせてしまっているのです。確かにその瞬間の気分は楽なのですが、そうすることで背骨や骨盤などの歪みが強められ、腰痛や肩凝りなどの障害を新たに生じさせ、慢性化させてしまいます。自分で気づかずにいるうちに歪みを進行させてしまっているとしたら、恐ろしいことですよね。

<小脳が覚えるよい姿勢>
 「身体が覚えたことは一生忘れない」とよく言われますが、これは小脳の働きの特徴なのだそうです。例えば、あなたは歩くたびに、「今は右足、次は左足」といちいち考えながら歩いていますか?むしろ歩いていることすら忘れ、何か気になることに意識を奪われているのではないのでしょうか。また、自転車や水泳を一度マスターした後、長いブランクがあっても自然に身体が動きだした、という経験はありませんか?これらも、一連の動作をしっかり覚え、無意識に行えるように整理するのが得意な小脳の働きなのです。この小脳に無理なく学習してもらうためには、意識を持って眠りの時間帯を使うことが効果的です。
 小脳の中心部は、体幹、つまり姿勢を維持する部分と密接な関係があるので、このメカニズムを上手に活用すれば、学習させることはさほど難しいことではないのだそうです。例えば、運動選手などが上手に使って効果をあげているイメージトレーニング。大脳から作り出されたイメージ刺激が、運動筋を使うイメージとして詳細に小脳に伝わるときは、20倍も神経ニューロンを活性化させます。これも小脳が持つ独特の作用なのです。
 よい姿勢の基本を意識するには、立っている時も眠っている時も同じ5ポイント、つまり、耳、肩(肩峰)、骨盤の飛び出たところ(大転子)、膝、外くるぶしが一線上にあることが大切です。よい姿勢は、身体に偏った負担を強いることがないので、マスターすると疲れにくくなり、身体や心にも余裕が生まれやすくなります。よい姿勢は、心身の省エネ対策と言えるのかも知れません。
赤い点が大切な5ポイント

<よい眠りで自己管理>
 よい眠りの姿勢としておすすめできるのが仰向けですが、河野先生によるとこの姿勢は「インテリジェンスを持って初めてできることと言える」そうです。確かに、仰向けに寝る動物は人間だけ。犬や猫などがお腹を出すのは服従を示す時に限られます。堂々と仰向けに寝るのは、もしかしたら人間の特権なのかもしれません。
 しかし、身体が偏っていたり縮んだりしていると、筋肉が仕事をしている時と同じ活動をしようとするので、深い眠りが得られなくなります。例えば、横向きでないと寝付けない人は、片側の肩が極端に前肩になっている場合が多いようです。また、うつぶせの方が寝やすい人は、片方に首を曲げるため、両肩が前に出て固定され、胸が開きにくくなります。この姿勢は、猫背を促進させ、肋骨の動きを減少させてしまいます。すると呼吸が浅くなり、疲れやすくなったり、疲労が抜けにくくなるばかりでなく、イライラしやすい状態を作ってしまいます。このように眠りの姿勢は、精神や感情とも深い関わりがあるのです。
 さて、人間の背骨に目を向けてみましょう。
写真の骨格標本のように、人間の背骨はカーブを描いています。そして頚椎のところに赤い線が見えますが、これは椎骨動脈という血管です。
この血管が脳に入ると椎骨脳底動脈と呼ばれるようになりますが、この箇所は複雑な構造をしています。しかし首は重い頭を支えているだけでなく、前後左右さまざまな方向に動くため、頭の角度によってはこの箇所に非常に負担がかかります。ですから、眠っている間にこのデリケートな部分をしっかりと支えなければなりません。そのために重要なのが「枕」です。寝ている間、首が後ろに反ったり、前に曲がったりしないような高さと形を持っているものを選ぶことが大切です。

頚椎から骨盤まで 頚椎の部分。
赤く見えるのは椎骨動脈
仰向けの時の背骨はこんな感じ。

 「よい眠りのための時間を自分で演出することは、明日の自分、十年後、二十年後の自分のための貯金みたいなものなんです」。よい眠りをとることで、身体のトラブルを予防しながらポジティブな自己管理をすることができるのです。素晴らしいイメージを身体に覚え込ませて、もっともっと美しくなりましょう。



「枕といってもいろいろあるんです」

 最近は、身体の構造をよく考えて作られた枕が多数、店頭に出ていますので、自分にあった物を自由に選ぶことができます。よい眠りのための商品の展示・販売と情報提供を行っている、ロフテー株式会社本社の「快眠スタジオ」にある「枕工房」では、どの高さの、どの素材の枕が自分に合うのか、実際にベッドに横になりながらコンサルティングしてもらうこともできます。圧巻なのは、ずらりと並んだ60種類もの枕。思わず、こんなにたくさん!?と驚いてしまうほどです。ここには、人気の定番商品「サーヴィカル・ピロー」の他に、音楽を楽しむ枕「BONE SONIC PILLOW」と「Sound Cervical Pillow」、首のしわを防いで頚椎を優しくサポートする補助枕「BEAUTY PILLOW」、さらに、ゲームをする時に背中が丸くならないようにするための抱えるタイプのもの、オフィスワーカーにぜひおすすめしたい、オフィス回りで使えるタイプのものなど、実にさまざまな種類の枕があります。なお、「枕工房」は70店舗にのぼる全国の百貨店にもありますので、ぜひチェックしてみて下さい。

★枕コンサルティング
ピローフィッターと呼ばれる人が個別に対応してくれます。首の後部のサイズを測定してもらった後、実際にベッドに寝て、サイズや素材など、自分に最も合う枕を選ぶことができます。

★「BONE SONIC PILLOW」
眠りの前のリラクゼーションタイムに使いたい宇宙人の顔のような形をしたハイテク枕。目のように見える部分は、骨伝導振動装置。音の振動が頭蓋骨を通じ聴覚神経に直接伝わります。
これまでの、空気を媒体とした音響機器の伝達方式とは異なる音の世界が、なんと、枕の中に誕生してしまったというわけです。この商品は、鼓膜に障害のる方にも大変喜ばれているそうです。

★「Sound Cervical Pillow」
「ロフテー快眠枕」に専用のステレオスピーカーを内臓。オーディオ機器につなぐだけで、ベッドの中で、お気に入りの音楽を楽しむことができます。タイマー付きのオーディオ機器を使って、音楽でお目覚めなんてうれしいですね。枕素材は、パイプと羽根の2種類があります。
スピーカーが中に入っているのです

★こんなものも!
椅子に乗せて、ツボを刺激して 
くれるタイプのもの
土踏まずを刺激してくれるもの。
家で使いたい!
数え切れないほどの種類の枕たち!!全部試してみたくなります。



「入眠儀式とは?」

 ロフテー株式会社睡眠文化戦略部門の前田裕美さんによると、眠りの入り方、つまり「入眠儀式」がとても大切なのだそうです。成長ホルモンは、眠りに落ちてから3時間の深い眠りの時に最も多く分泌されますので、美容にも健康にも、眠り始めの時間が重要なのです。しかし、メールチェックやネットサーフィン、ビデオ鑑賞やゲームなど、寝る前に何らかの活動をしていたり、昼間のストレスをずっと引きずったままだったり、という方は多いと思います。寝る間際まで緊張したままだと、眠りにつくタイミングを逸しがちで、人によっては「眠る」という感覚をなかなか思い出せなくなることもあるそうです。そこで「よい眠りにシフトしていく時間」を創るためのヒントをご紹介しましょう。

<冷え性対策>
 季節柄、手足が冷えて眠れないという方が多いことと思います。そもそも人の体温は、活動的な時間帯、特に夕方6時頃に一番高くなり、その後体温を下げながら眠る準備を始めます。そして明け方の4時頃に一番低くなり、少しずつ体温を上げながら起きる準備を始めます。よい眠りに向けて、深部体温(身体の芯の体温)を下げるには、手足から熱を外に逃がすのが効率が良いのですが、手足が冷たいままだと放熱をしたくてもできない、つまり眠りたくても眠れないということになってしまうのです。こんな場合、あんかなどで入眠時に温めるのがOK。でも眠っている間中、温めている必要はないので、湯たんぽのようにしばらくすると温度の下がるものが便利です。(ロフテーには「オンボディ・ホット」というシリーズがあります。電子レンジで30〜45秒チンして、温めて使います。手足の保温には勿論、生理時にもお腹や仙骨を温めると気持ちよさそう。)

・入浴
38〜40度くらいのぬるめのお湯に、20〜30分程度ゆっくりと浸かりまょう。
皮膚の血管が拡張して血液循環がよくなると、筋肉の緊張がゆるみ、脈拍も遅くなり、副交感神経の働きが優位になって寝付きやすい状態となります。人の睡眠は、体温が下がってくるところから始まるので、入浴後30分から1時間経って、一度上がった体温が下がり始めたところでベッドに入るのが効果的です。もし冷えてしまった場合には、手足だけもう一度お湯に浸して温めてください。

・ストレッチ
あぐらをかいて、左足の指の間に右手の指をはさみます。
→左足を左手で少し持ち上げて、右手で足首を回します。
→右回り10回、左回り10回を2セット続けます。逆の足も同様に行います。

<香り>
 女性にはお馴染みのアロマテラピー。香りの効用はすでに御存知のことと思いますが、好きな香りはよい眠りを助けてくれます。

・芳香浴
最も簡単な方法は、お部屋や寝具にアロマスプレー(お好みのエッセンシャルオイルを精製水などで希釈させたもの)することです。ほのかに香る程度に好きな香りを使ってみましょう。

・アロマバス
ぬるめのお湯にゆったりつかって心身をほぐし、浴槽に、エッセンシャルオイルを3〜5滴落として、よくかきまぜて下さい。

・ホットタオル
熱めのお湯を洗面器にため、たんざく状にたたんだタオルにアロマスプレーを吹きかけます。小さく畳んで、肩や腰、首など、凝っている部分や痛みのあるところを温めます。目が疲れている時にはまぶたの上を、眠れない時や頭痛のある時は首筋を温めてみましょう。

・手浴、足浴
洗面器(足の場合はバケツ)に、浴槽よりも熱めのお湯をため、エッセンシャルオイルを1〜3滴入れてよく混ぜます。そこに両手(両足)を10〜15分間くらい入れて温めます。
手浴は、風邪の引きかけや精神的な疲れにも効果があります。

・アロママッサージ
エッセンシャルオイルをホホバオイルなどで希釈したマッサージオイルを使います。
ホホバオイルなどの植物油10MLにエッセンシャルオイル2滴の濃度1%程度にします。手や足の部分マッサージは10分程度で十分です。
親子やパートナーで互いにマッサージしあうことで、コミュニケーションを深めることもできます。
植物の恵み エッセンシャルオイル図鑑<1>
植物の恵み エッセンシャルオイル図鑑<2>
各エッセンシャルオイルごとの詳しい情報はきれいねネットのバックナンバーをご参考になさってください。

<光>
 私たちの身体の機能は、光を認識しながら動いています。光に最も密接な関係があるのが、生物時計を司るメラトニンです。この物質は、光の量が減少すると分泌が盛んになるという性質があります。すなわち、夜の睡眠中に分泌が増え、目覚めて朝日を浴びると分泌が減るわけです。メラトニンには、眠りを催す直接的な作用はありませんが、末梢血管を拡張させることによって体温を下げ、眠りに誘う作用がある他、体温や他のホルモンの分泌の調整などに働き、睡眠中の身体機能回復には欠かせないホルモンと言われています。
 しかし、現代人は夜遅くまで明るい場所にいるため、光によって、メラトニンの分泌が抑えられてしまいがちです。この生活を続けると、生体リズムが狂うだけでなく、免疫力や抵抗力の低下につながります。そこで、スタンドなどの間接照明をうまく利用し、眠る前の時間は照明を弱めにし、眠る時には暗くするという、段階的な照明調整を心がけてみてはいかがでしょうか。前田さんによると、睡眠前の1〜2時間は150ルクス以下に、眠る前の灯りは30ルクス程度(ちょうど月明かりぐらいの明るさ)、就寝中は10ルクス以下、できるだけ暗い方がよいそうです。(※60ワットの白熱電球を30センチ離したところの明るさがだいたい 500ルクスです。)
 そして朝になったらまず、カーテンや雨戸を開け、朝の光を部屋に入れてから、しばらくうらうらと過ごしてみましょう。身体が自然と目を覚まして来ます。夜から朝への移行を光によって身体に教えるわけです。これは前田さん御自身が実行している方法なのだそうです。
 なおロフテーでは、高照度(2,500〜3000ルクス)の光によって覚醒を促す装置「光浴」を限定販売しています。10分間、目を閉じて光を浴びることで、すっきりと目覚めることができるというものです。


<音楽>
 いくら部屋を静かにしても、私たちのまわりには常に何らかの音があります。外を走る車の音や時計の音、タイマーセットしたエアコンの音・・・。そうした生活音は一度気になり出すと、無性に気になってしまうものです。そんな時には、控えめな音量で音楽をかけてみることをおすすめします。心地よい音楽で心が安らぎ、物音を気にせずに眠りに入ることができます。
 ヒーリングやリラクゼーションの音楽を集めたさまざまなオムニバスCDは、眠りの音楽の定番となっています。とはいえ、くつろぎを感じる音楽は人によって異なるもの。ロックバラードがいいという人もいれば、テクノトランス系じゃないとダメという人もいます。いろいろな音楽の中から、自分にあった音楽を自分で選ぶのが一番よいのではないでしょうか。
 しかし、医学的に眠気を誘う音は確かに存在します。それは赤ちゃんが子宮の中で聴いていた範囲の周波数の音。この音には鎮静作用があるのだそうです。子宮の中の音をそのままCDにしたものもありましたが、より聴きやすいように音楽にしたのが「ほーら、泣きやんだ!」シリーズです。明治時代に女性の医療を考えて創立された福田病院の院長、福田稠(しげる)先生の企画・考案・プロデュースで作られました。このCDは、出産直前の妊婦さんにピアノやフルートなどの40種類の楽器の音階を聴いてもらい、子宮内に超小型マイクを入れて録音したそれらの音を音源に音楽を作ったという画期的なもの。元々は赤ちゃんを落ち着かせるために作られましたが、大人でも十分にリラックスできると、赤ちゃんのいるお母さんたちの間で隠れたヒットとなっています。「TSUNAMI」「らいおんハート」などの入ったベストポップス編、「白鳥」「アヴェ・マリア「G線上のアリア」などの入ったクラシック編などがあります。

「泣きやまない赤ちゃんに・ほーら、泣きやんだ!」シリーズ
泣きやまない赤ちゃんに
ほーら、泣きやんだ! 〜ママのおなかで聴いた優しい歌声〜
<ベスト・ポップス編>
2001.9.21/VICG-60488/¥2,400(税抜)/CD
泣きやまない赤ちゃんに
ほーら、泣きやんだ! 〜ママのおなかで聴いた快適音楽〜
<クラシック編>
1995.11.22/VICG-5425/¥2,427(税抜)/CD
その他、シリーズ多数あります。
詳しくは、ビクターエンタテインメント株式会社の公式サイトでどうぞ。
http://www.jvcmusic.co.jp/

<効果音>
 波やせせらぎの音、鳥の声などの自然音のCDは数多く市販されていますが、「宇宙の音」のCDというものもあります。グリーン・エナジーから出ている「スペースサウンドシリーズ」は、NASAの宇宙探査機が送信してくる、宇宙からのデータの可聴域を米国ブレイン/マインド リサーチ社の特殊技術を使ってサウンド化したもの。宇宙の音が記録されている、科学的にも大変貴重なものであると同時に、強力なリラクゼーション効果が得られるものとしても知られています。ただ聴いているだけで脳波をアルファ状態に誘導してくれるので、感覚が鋭くなる、集中力が増すなどの効果が報告されているようです。
 おすすめは「天王星の月 ミランダ」。荘厳な雰囲気がただよう天王星の、最も内側の衛星がミランダです。夜ベッドに入ってスタンドの灯りを落とした時に、この音が聞こえて来ると、初めは少々無気味に感じます。しかしすぐに、ゴゴゴゴという鈍い低音と、砂丘に吹く風のようなまろやかなバイブレーションが、この上もなく心地よく感じられて来ます。身体の疲れがたまっているとき、神経がまいっているときなどに最適です。ヘッドホンやボディソニックで聴くと一層効果があるそうなので、ロフテー株式会社の、音を楽しめる枕で、ぜひ試してみたいものです。
その他、「天王星 ユーラナス」「土星 サターン」「木星 ジュピター」などがあります。

商品番号:GECA1002
タイトル:ミランダ(天王星の月)
アーティスト:ブレイン/マインド リサーチ
レコード会社:グリーンエナジー
税別価格:¥3,301 収録時間:32'01"
このCDは、「GREEN ENERGY」のホームページで入手することができます。
http://www.green-energy.com/

 今回は、よい眠りのためのお話をたっぷりご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。自分だけの眠りのワンダーランド。イメージが湧いて来ましたか?そのイメージを形にするために、今すぐできることがたくさんあります。ぜひ今夜から実践してみて下さい。今日の疲れをとるだけではなく、明日の自分のために。そして、美しく年を重ねるために。


けろひめ) 

writer's eyes
 眠りって本当に大切なんですね。実感しました。今や、寝ないで遊ぶよりも、美しさを大切にする時代。夜の時間を有効に使って、それぞれの眠りワンダーランドを作ってほしいと思います。
 ところで、私は完全な夜型人間で、子供の頃はなかなか寝つけませんでした。その頃、「眠りの精のオーレさん」という童話のアニメを観たことがあって、こういう妖精がいたらいいのになあ、と本気で思ったものです。オーレ・ルゲイエは、デンマークの民間伝承に現れる妖精ですが、子供たちの目に魔法のミルクを差して眠らせてしまう「睡魔」です。片手には絵が描いてある傘を持ち、素直な子には枕元でそれを広げて、美しく不思議な夢を見せてくれますが、しつけの良くない子には、もう一方の手に持った無地の傘を頭の上にさして、朝まで夢も見せずに眠らせてしまいます。ドイツにもザンドマンという睡魔がいますが、こちらは砂を人間の目に入れて眠らせます。そして、どうしても眠ろうとしない悪い子の目をえぐって、月にいる自分の子供に食べさせてしまうのだそうです。これは母親が子供を怖がらせるために考え出された話のようですが、オーレさんと比べると少々恐ろしい存在ではあります。
 前田さんによると、そうした伝承も入眠儀式の一つと言えるそうです。子供たちは、恐い話から眠りの世界に逃げ込むわけです。子供を眠らせるために、童話やファンタジーを読んで聞かせてあげることには、そんな意味もあったんですね。
 夏目漱石の「夢十夜」や黒沢明監督の「夢」など、眠りの世界、夢の世界で作り出されたものは、芸術、文学、科学に至るまで、膨大な数にのぼります。いずれ、夢の世界のお話もご紹介したいなと思っています。
今宵、あなたの元に健やかな眠りが訪れますように・・・。

協力: ロフテー株式会社
「LOFTY KAIMIN CHANNEL」
http://www.lofty.co.jp/
さまざまな商品や、眠りに関する情報を満載!超おすすめサイトです。


ロフテー 快眠スタジオ
〒103-0006
東京都中央区日本橋富沢町11-5
電話03-3663-7112
快眠スタジオには、眠りに関する本を集めたライブラリーもあります。
落ち着いた雰囲気の中で自由に閲覧できるので、気軽に立ち寄ってみては?


外苑前カイロプラクティックセンター
http://www.remus.dti.ne.jp/~t-kouno/index.html
※治療をご希望の方は、ホームページをご覧の上、お問い合わせ下さい。

参考文献・サイト: ロフテー宮川明子先生の特別エッセイ1、2
KTV「発掘!あるある大辞典WEBSITE」
http://www.ktv.co.jp/ARUARU/

花王デジタルマガジンPeony/ロリエWomen's Health
http://www.kao.co.jp/peony/laurier/



Copyright (C) 2003 Island Magic Inc. / kireine.net All Rights Reserved.