2003.2.26号




  昨年の日韓共催FIFAワールドカップ以来、すっかり身近な存在となったお隣の国、韓国。映画『猟奇的な彼女』のヒットなどで、韓国熱はますます高まるばかりです。
ところで、韓国の女性って、肌がとてもキレイだと思いませんか? 『猟奇的な彼女』の主演女優チョン・ジヒョンさんの肌も、キメが細かくモチモチとして、ため息モノの美しさでしたね。冬は日本よりもずっと寒い韓国ですが、実は冷えや生理痛、更年期障害など、女性特有の症状で悩む女性がほとんどいないのだとか。今回は、韓国女性の美しさのヒミツのひとつ、韓国ではとてもポピュラーな美容法「ヨモギ蒸し」にライターおぐらがググッと迫ります。


韓国美容法「ヨモギ蒸し」を日本で体験!

 韓国で古くから行われている「ヨモギ蒸し」療法をご存知ですか? 穴のあいた椅子に座り、穴の中でヨモギや漢方薬を入れた石釜や鍋をグラグラと煮立たせて、その蒸気を子宮と肛門の中まで浸透させる健康・美容法です。
 韓国女性には実にポピュラーで、若い人から年配の方までサウナに通い、ヨモギ蒸しを行うのだとか。日本ではあまり馴染みがありませんが、本場韓国さながらのヨモギ蒸しが体験できるサロンもあります。今回は、新宿区・矢来町に昨年11月オープンした、ハーブヒーリングルーム「おんな元気.com」を訪ねてみました。
 地下鉄東西線・神楽坂駅を降りて徒歩1分。交通至便なそのサロンは、主宰の山崎サユミさんと早川英子さんが「清潔でリラックスできる空間をつくりたかった」と話すとおり、淡いピンクの壁に白いレースのカーテンと、清潔で可愛らしい雰囲気。ヨモギとハーブの心地いい香りが、店内に立ち込めています。
 「リラックス効果を高めるために、ヨモギのほかに当帰やベニバナを中心に、クマツヅラ、ラベンダー、月桂樹など10種類ほどのハーブをブレンドしています」とは、山崎さん。これによって、ヨモギだけでヨモギ蒸しを行うよりも、より効果的なのだそう。ヨモギ蒸しの気になる効能は、下記のとおりです。

<ヨモギ蒸しの効能>
冷え症・肌荒れ・殺菌・保湿・アトピー・アレルギー性鼻炎・肩こり・生理痛・不妊症・更年期障害・ストレス・美白など

これがヨモギ蒸し用の特注椅子。縁が広いので、安定感があり安心。ヨモギ蒸し中は、この上で“体育座り”をします。
天蓋付きだから、ヨモギ蒸し中、まわりの人の目を気にせずに過ごせるのがうれしい。
ヨモギ蒸しが終わったら、健康茶で一服。体ぽかぽか、肌つやつやで、会話もはずみます。

 物は試し、ということで早速体験してみました。カーテンで仕切られた別室には、ヨモギ蒸しのための特注椅子が5つ並べられています。天井からは天蓋が下がり、ヨモギ蒸しをしている間、まわりの目を気にせずに済みます。服も下着もすべて脱いだら、頭からすっぽりと専用のマントを被ります。四角い椅子の真ん中にはトイレの便座のように穴があいていて、中でヨモギとハーブがグラグラ煮えているのがわかります。基本的にはどんな姿勢をとってもよいのですが、椅子の上で“体育座り”をすると、ちょうど粘膜にあたりやすいとのこと。不安な気持ちで恐る恐る椅子にまたがるものの、椅子の縁が広いため、思った以上に安定感があって安心、安心。全身はマントで覆われていますから、すぐに下からぽかぽかと温かくなります。顔はそのまま出していてもよいのですが、マントに首を突っ込んでもOK。ヨモギとハーブのスチーム効果で肌がきれいになるばかりか、鼻づまりや眼の疲労解消効果もあるそうです。
 顔を出したり入れたり、おしりの位置をずらしたりしているうちに、大量の汗が噴き出してきました。ヨモギ蒸しは40分間行いますが、これが意外とあっという間。シャワーを浴びて汗を流すと、全身しっとりツルツルになっているのに驚きました。朝より化粧ノリもよくなって、大満足です。カチコチに凝り固まっていた肩も、軽くラクになりました。
 そう、これは温泉につかった後のよう。温泉には40分もつかっていられませんが、ヨモギ蒸しなら湯当たりや疲労もありません。着替え終わったら、ハーブティーをいただきながら、しばしリラックス。「マッサージに行くより手ごろで効果的と、リピーターの方も増えています」と、山崎さん。なるほど、一度やったら病みつきになるその気持ち、わかります。1回3,000円という手頃な値段も人気の理由とか。では、ヨモギには一体どれほどの効果があるものなのでしょう。

 ■おんな元気.com 
 ヨモギ蒸し40分 3000円(健康茶付) 
 http://www.onnagenki.com 
 問い合わせ:staff@onnagenki.com 



婦人病にすぐれた効果を発揮するヨモギ

 子供の頃、外で遊んでいて切り傷を負ったとき、近くに生えていたヨモギを摘んでもみ、傷口につけた記憶はありませんか? ヨモギはの薬効は、今から1200年ほど前、中国から伝えられたといわれているとおり、日本でも古くから民間療法で親しまれてきました。ヨモギの葉裏の白毛を使ってつくるモグサは、お灸にも利用されています。
 キク科の多年草であるヨモギは、日本では、6〜10月にかけて、全国各地の野山で採取することができます。薬用として用いられるのは、根と葉の部分。根は時期を問いませんが、葉は6〜7月に摘んだものが最適といわれています。
 ヨモギには、カルシウム、鉄分、食物繊維、カリウム、各種ビタミンなど、健康に欠かせない栄養素が含まれるだけでなく、殺菌や毛細血管の拡張、抗アレルギー、新陳代謝促進作用をもつフラボノイド(葉緑素)が、他の緑葉植物と比べると抜きん出て多く含まれています。

<ヨモギの成分 葉、生100g中>
エネルギー  46kcal   マグネシウム  29mg
たんぱく質 5.2g   鉄 4.3mg
脂質 0.3g   亜鉛 0.6mg
炭水化物 8.7g   ビタミンA 890μg
ナトリウム 10mg   ビタミンB1 0.19mg
カリウム 890mg   ビタミンB2 0.34mg
カルシウム 180mg   ビタミンC 35mg

ヨモギの5大作用
1. 殺菌作用
  ヨモギに含まれるクロロフィル(葉緑素)には、強い殺菌作用があり、肌や粘膜、血液の浄化に役立ちます。

2. 鎮静作用
  皮膚疾患のほか、腹痛、腰痛、神経痛に効果あり。ヨモギのシネオールという成分のほか、タンパク質やビタミンA、B、C、Dなどが作用し、皮膚のかゆみを抑えることがわかっています。ヨモギ風呂やヨモギ化粧水によるスキンケア、ヨモギ茶の飲用などは、美しい素肌づくりに役立ちます。

3. 消炎作用
  皮膚疾患などの炎症を抑えます。アレルギー性の疾患に効果。

4. 活性作用
  ヨモギの強い香りのもとであるシオネールやアルファーツヨン、セスキテルペンといった成分が、血液循環をよくし、細胞の新陳代謝をアップ。冷えからくる痛みを伴う病気(冷え症、貧血、生理痛、腰痛、偏頭痛など)を改善するだけでなく、心臓病、動脈硬化、脳梗塞、肝硬変、脂肪肝などの脂肪の代謝異常から来る病気にも効果大。コレステロール低下作用も期待できます。

5. 栄養作用
  カルシウムや各種ビタミンが豊富に含まれ、皮膚に栄養を供給し、美しい肌をつくります。また、老化やさまざまな病気の元凶と考えられている活性酸素を消す働きは、ヨモギが野菜の中でもっとも高く、ブロッコリーの約100倍以上と報告されています。

暦の上ではすっかり春でも、朝晩はまだまだ寒い日が続きます。冷えや生理痛、肌荒れで悩んでいたら、一度、チャレンジしてもいいでしょう。韓国女性ばりの美肌になれるかもしれませんよ。


小倉若葉) 

writer's eyes
自宅で初めてヨモギ蒸しをした日、驚いたことに座浴後2〜3時間ほどしたら強烈な便意が襲ってきたのです。夜中にトイレに駆け込んだのは言うまでもありません。取材時に「即効性があるわけではない」と聞いていたのですが、これはかなりの即効性。冷え症で便秘にもなりやすい体質のため、これからも手放せない秘密兵器になりそう。ちなみに今回お話しをうかがった女性たちは、いずれもお肌ぴかぴかモチモチ。うーん、韓国の民間療法、恐るべし。

■取材協力/ おんな元気.com
http://www.onnagenki.com
2002年11月にオープンしたヨモギ蒸しが体験できるサロン。ほかにバッチフラワーや燦光(さんこう)などのセラピーも行っている。

高橋正美さん
tkmg@bolero.plala.or.jp
新聞記者であるご主人の仕事などで、何度も韓国を行き来するうちに、すっかり魅了され、ついには座浴器の販売を開始。韓国ではエステを渡り歩くのが趣味。



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