2003.5.14号




 「旅は人を元気にさせてくれるし、そしてなぜか旅先だと体調がよくて、朝から食欲旺盛なの…」そんな記憶はありませんか?日常と違う環境が時として人間に良い刺激を与えてくれるようです。
そこで、「Healing Hotels」(
) シリーズ第3章は、なぜかモリモリ食べてしまう旅先での朝食、なかでもこだわりある朝食でゲストをもてなしてくれる、より身近な日本のホテルを訪ねてみます。 Bon appetit!

「Healing Hotels」とは、“ホテル大好き”ライターりんだの独断と偏見による、以下のような要素を兼ね備えたホテルのカテゴリー。
5スター・ホテルなどの一般的なカテゴリーとは異なります。

 
設立年は古くとも、現代の設備を採り入れ、現代人が滞在に際し不都合を感じない
ホテル周辺のエリアにおいて、立地条件に何らかの魅力を感じる
(目の前が海、ショッピングに最適、眺望が良い…などなど)
ホテルのスタッフの対応が心地良い
部屋のインテリアがチャーミング
宿泊施設以外にもゲストが喜ぶ施設やプランなどがある
(スパ、ライブラリー、プライベート・クルージング…などなど)



   「Healing Hotels」Chapter3〜
               「Breakfast in Healing Hotels」

 シリーズ第3章は、「Healing Hotelsでいただく、こだわりの朝食」を求めて、日本を旅します 。まずは日本のメトロポリス・東京の玄関、東京駅から出発進行!!



[フォーシーズンズホテル丸の内 東京「EKKI」]

 東京駅八重洲南口から徒歩で約3分ほどのところに、昨年10月4日にオープンした、日本での2番目のフォーシーズンズホテル アンド リゾート。31階建てのガラス張りのビルの5フロアを使用した、わずか57室のジャパニーズ・モダンな香りのするホテルです。 参考までに、ホテル・オープンまでのストーリーを紹介すると−「溢れるエネルギーと安息という両極端な要素を両立させたホテル」を誕生させるために、数々の国際的なデザイン賞を受賞しているデザイン会社に、そのインテリアデザインを依頼したそう。それに対し、デザイン会社は「エネルギーと生産性を感じると同時に、孤独と平和とを感じる二極分化した陰陽のデザインテーマを設けた」とのこと。 ともあれその規模柄、唯一のレストラン「EKKI」では、若手フランス人シェフ、ジェローム・ルグラを総料理長に迎え、フランスでの修業経験のある日本人のシニアスーシェフと共に、日本で手に入る新鮮で“美味しい”食材を使ったモダンフレンチを朝・昼・晩と終日いただけます。もちろんここは、ホテルに滞在していない外からのゲストも訪れるとのこと。
前置きが長くなりましたが、今年4月からさらに美味しいメニューも加わったという噂のこだわりの朝食を「いっただきま〜す!」

Breakfast at EKKI


 「ひとりひとりの方に、お好みにあったサービスをさせていただくというスタイルで、できるだけ幅広いメニューをご用意し、それぞれのお客様のご要望にあったモノをサービスさせていただくという方針です…」というスタッフのお話からご想像つくように、こちらのホテルはビュッフェではありません。つまりゲストがその日の、食欲や気分をベースにそれぞれが食べたいモノをメニューから選び、 ゆっくり落ち着いていただけるというスタイルです。なので、いわゆる食べ過ぎになることはありません。 ちなみにそのメニューには、栄養のバランスがとれた健康食メニューとしての「ヘルシーブレックファスト」や、ルームサービスのみでいただける季節の焼き魚、温泉卵のついた「和朝食」、またア・ラ・カルトでオートミールやマフィン、フルーツなど、 ホテルの朝を彩るラインナップ。 中でも4月から新登場のパンケーキは、ニューヨーカーが出勤前に食べて行くということでも知られる 「フォーシーズンズホテル・ニューヨーク」のメインダイニング「FiftySeven FiftySeven」の朝食メニュー「レモン・リコッタ・パンケーキ」の東京バージョンで、レモンのかわりに柚を入れた柑橘系の爽やかな感じとヘルシーなリコッタチーズのコンビネーションが、日本の朝の始まりを新たに演出してくれます。そこで、ある日の朝食からライターりんだが選んだメニューをご紹介します。

朝食メニューはこちらから


シェフの紹介
ジェローム・ルグラ(Jerome Legrs)/総料理長  1974年生まれ。
ミシュラン1ツ星フレンチレストラン「ル・シャトー・ドゥ・リエル」でキャリアをスタートし、1997年に高級レストラン「ル・ジャルダン・デレストレル」を経て、友人のレストラン「ル・ムーラン・ドゥ・プリウーレ」の開業を手伝い、1999年に開業準備中の「フォーシーズンズホテル・ジョルジュサンク・パリ」のメインダイニング「ル・サンク」に入社し、わずか2年足らずでスーシェフに昇進。そして2002年7月、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」総料理長として着任。

飯田卓也 (Takuya Iida)/ シニアスーシェフ 1968年生まれ。
名古屋市内のフレンチレストラン「ヴェルデ」でキャリアをスタートし、青山の「KIHACHI」を経て渡仏。「ミラヴィル」と「カンパーニュ・エ・プロヴァンス」の2店で計1年間の経験を積み、帰国後、再度、青山の「KIHACHI」に入店。1995年からの「ホテル西洋銀座」のメインダイニング「パストラル」、2000年からの「シャトーレストラン・タイユバン・ロブション」を経て、2002年6月、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」シニアスーシェフとして着任。


http://www.fourseasons.com



[桜ヶ池クアガーデン「ジョウハナーレ」]

 東京駅からどこへ向かおうかと迷い、向かったその先は、温泉なのだが、ただの温泉ではない、そして野菜が美味しいと評判の富山県にある「ホテル&タラソテラピー桜ヶ池クアガーデン」。 称して「ナチュラルセラピー」と呼ばれるこちらは、日本の温泉文化とドイツの温泉の効果 を利用した施設クアハウス、それにフランスの海洋療法タラソテラピーの良さを加え、かつフランスのタラソテラピー施設同様、ホテルとタラソテラピーが一体型になった、まさにヒーリング・ホテルです。客室は、わずか17室。1階にあるフレッシュ&オーガニックなレストラン「ジョウハナーレ」は、“畑から一番近い食卓”をモットーに、地元生産者から直接届く食材を利用。フランスの3ツ星レストランで修業した料理長により美味しい料理へと変身を遂げます。そしてなんといっても料理の原点ともいうべき水が、ミネラル分が多く美味しい天然水というのも魅力です。 では、早速レストランへ!

Breakfast at JOHANARE

「朝食のカロリーは約700〜800kcalと、1日の理想の摂取カロリーを考えると決して低くありません。ただし、1日の中で朝に重点を置いてしっかりとした食事を摂ることは、健康のための非常に重要なファクターですから…」と語るスタッフの言葉通 り、 人気の自家製ドレッシングと豊富な種類の野菜のサラダ(※3)を筆頭に、地元の酪農家が作る牛乳や卵料理などにより構成される「アメリカンブレックファスト」に加えて、土地柄人気のご飯とお味噌汁によるユニークなビュッフェスタイル。見た目の華やかさはないけれど、野菜そのものの味がしっかりした、満足のいく味わいです。 そこで、朝食のキーワードとなるサラダの野菜選びについて料理長いわく; 「やはり栄養面のバランスを考え、常にサラダの中には7〜8種類程度の野菜を入れてます。当然のことですが、様々な種類の野菜があることで、ビタミンやミネラルをバランスよくお摂り頂けます。さらに、その野菜も地元の新鮮な素材のものに出来る限りこだわり、より栄養素の高い状態でご提供をできるよう心がけています。ちなみに、野菜は収穫してから丸1日たってしまうとミネラルやビタミンが30%近くも失われてしまうとの報告もあります。」とのことです。 野菜同様、地元生産者から届く、新鮮な牛乳(※4)も絶品。

※3 毎日、生産者の名前や今日は何がいくつ採れたといった情報がファックスで届 き、それを見て調理長がメニューを作る。
※4 草原牛乳(城端・ふたば牛乳)の特徴は、低温殺菌(60度)なので牛乳の成分が壊れない/900mlの瓶で提供。

シェフの紹介

松本 誠(Makoto Matsumoto)/料理長 1948年生まれ。
横浜の「バンドホテル」、「プリンスホテル」などを経て、土井一郎氏に師事、「小田急箱根ハイランドホテル」に勤務。1979年渡仏し、「トロワグロ」、「ヴィヴァロア」、「マキシム・ド・パリ」といった当時大評判になったレストランで修行後、帰国。1982年3月より「小田急山のホテル」料理長となる。1989年11月からは「サンリオ・ピューロランド」の総料理長に。1997年オーストラリア大使館、1998年「ホテルレクワールド岡崎」を経て、2000年2月に桜ヶ池クアガーデン料理長に着任、現在に至る。


http://www.sakuragaike.co.jp



というわけで、じっくり味わってしまったため、2軒しかご紹介できませんでしたが、この続きは皆さんの体験からいろいろイメージしてみて下さい。 旅の楽しみのひとつは、「食事」といえますが、中でもお気に入りのホテルなどすることの多い「朝食」は、自宅とは違う特別 な何かが欲しいものです。次の旅のチェック項目に是非「朝食」も加えてみてはいかがでしょう?
では、またいつか〜。




(りんだ) 


writer's eyes
どんなに疲れた日の翌朝でも、目を覚ますとなぜか急いでレストランへ朝食を取りに行く私は、いつも不思議な気持ちになるものです。「自宅だと朝食より朝寝坊することの方を選びがちなのに」と。その理由は、あのいろいろなチーズやハムにフルーツ、そして焼き立てのパンが並ぶモーニングビュッフェが好きなのかも?あるいはいつもと違う広々とリッチで華やかな環境にワクワクするのかも?答えはその全部。やっぱり、ホテルの朝食は日常のそれに勝る何かがあると思う。


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