2003.6.25号




 最近、電車の中や街中で、口をポカンと開けている若い人をよく見かけます。 あなた自身は、気がつくと口で息をしていることはありませんか? 見た目にも決してかっこうがいいとは言えない、「口ポカン」が、実は様々なトラブルを引き起こす原因だったのです。 鼻呼吸のトレーニング法をマスターして、憧れの引き締まった美人顔を手に入れましょう!


口呼吸の原因は「おしゃぶり離れ」にあった!

 歩いているときやテレビを見ているとき、物を食べているとき、そして寝ているとき、あなたの口は開きっ放しになっていませんか? 口呼吸は言葉を話す人類特有の呼吸法。なかでも、日本人の口呼吸をしている割合は世界一だと、西原研究所の西原克成博士は言います。
「鼻が低いこともありますが、一番の原因はおしゃぶり。赤ちゃんはお乳を吸うとき、口が自然にふさがって鼻で呼吸をします。 ところが、離乳期を迎える1歳頃に言葉が話せるようになると、口呼吸も覚えてしまいます。 このとき、欧米のように離乳期〜4歳くらいまで、お乳の代わりとなるおしゃぶりを使わせると、 「鼻呼吸」をマスターできるのですが、日本のお母さんは赤ちゃんが1歳くらいになると、お乳と同時におしゃぶりを取り上げてしまう。 すると、離乳期から身についた口呼吸が改善されることのないまま成長してしまうのです」
まずは、下記の「口呼吸チェックリスト」で、自分に口呼吸のクセがあるかを確かめて。 ひとつでも思い当たる項があれば、口呼吸をしている可能性があります。

口呼吸チェックリスト
自然な状態にしているときに無意識のうちに口が半開きになっていることがある
唇を閉じにくい
唇を無理に閉じようとすると顎に梅干状のシワができる
上下の唇の厚さに差がある
下唇がポッテリとしたタラコ唇である
下ぶくれで頬の締まりがない
いつも口角が下がっている
前歯がとび出している
歯と歯の間に隙間が多い
上下の歯のかみ合わせが逆で受け口である
歯のかみ合わせが悪い
クチャクチャと音を立てて食事をする
唇がカサカサに乾燥している
朝起きたときにのどがカラカラに渇いている
朝起きたときにのどがヒリヒリと痛む
笑ったときに歯ぐきがむき出しになる
鼻の穴を意識して動かすことができない


知らず知らずに行なう口呼吸で“ブス顔に”!?

 
出っ歯・受け口・ガタガタ歯

では、口呼吸を続けていると、私たちの顔はどのように変化していくのでしょう? 人間は食べ物を飲み込む際、唇を閉じて口腔内の圧力を下げています。 ところが、口 呼吸をしている人は、唇を開いて息をしながら食事をするため、舌で上下の歯の間をふさいで、口腔内の圧力を下げようとします。 「このとき、前歯に横方向から前方へとかかる舌圧は、歯列矯正の2〜3倍。 これを3度の食事や会話、唾液を飲み込む度に繰り返すことにより、歯が少しずつ移動し、 やがて出っ歯や受け口、開咬(歯をかみ合わせたとき、上下の前歯がかみ合わずに隙間があく)になってしまうのです」(西原博士)
 

 
デカ顔・老け顔・ふぬけ顔

上記のように、口呼吸を続けていると、歯が前へせり出してくるため、上唇が短くなり、歯に隙間が開きやすくなります。 そのため無理に口を閉じようとすると、オトガイと呼ばれる顎のとがった部分に、梅干のようなシワができます。 これは開いたままの口につられ、口輪筋が縮んでできたもの。ちなみにオトガイ筋が衰えると、下顎がたるんで二重顎になります。 「また、鼻呼吸と違い、口呼吸では頬から上にある鼻の周囲の表情筋をほとんど動かす機会がありません」 (西原博士) これはつまり、目の周りの「眼輪筋」、頬骨から口角に走る「笑筋」、耳の下から口角に走る「頬筋」、口の周りの「口輪筋」などが衰えるということ。 その結果 、頬や 口角、フェイスラインがたるみ、目もとや口もとにシワができやすくなります。
 

 
むくみ・くすみ

「本来、呼吸器官ではない口で呼吸を続けていると、しだいに体中が酸素不足となります」
と西原博士。 そのため、むくみが生じ、腫れぼったい顔に。さらに、顔色もくすみ、黒ずんできます。口呼吸は肌にも悪影響を及ぼすのです!
 

 
その他

口呼吸はさまざまな病気も引き起こします。これは、口呼吸の場合、空気といっしょに吸い込んだ細菌やウイルスがのどや肺に直接届くため。 風邪やインフルエンザにもかかりやすくなります。 「さらに、片側で噛むクセ、うつぶせや横向きで寝るクセが起こりやすく、顔や背骨にゆがみが出て、熟睡できないことから、免疫系がうまく働かなくなります。 花粉症や喘息などの免疫病には、口呼吸が大きく影響しているのです」(西原博士)
 


美人度アップの鼻呼吸法をマスターしよう!

 以上のように、口呼吸はブス顔のもと。きちんと鼻呼吸ができるようになれば、美人度もグッと上がります。 今日からさっそく鼻呼吸法トレーニングをはじめましょう!

鼻洗浄で鼻の通 りをスムーズに
1. 仰向けに寝て、保存料無添加のコンタクトレンズ用目薬を片方の鼻の穴に1〜2滴落とし、目薬をした方の鼻だけかみます。
2. 同様に、もう一方の鼻にも目薬をたらし、鼻をかみます。
もし、目薬がのどに流れてきたら、飲み込まずに吐き出して。
洗浄は左右の鼻を1 回ずつ、1日3〜4回行ないましょう。

つねに口もとに意識を向けよう!
「口と肛門をキュット閉ざした状態で、上下の歯を1mmほど開け、横隔膜を使って息を鼻から吸って鼻から出す」これが正しい鼻呼吸法。 これを習慣にするには、普段から唇をとじるように意識することが大切。気がついたときに、背筋をのばしてあごを引き、胸を張って呼吸するよう習慣づけましょう。

紙バンソウコウで睡眠中の口呼吸を防止
1. 粘着力が弱く、かぶれにくい紙バンソウコウやカットバンを2枚用意します。
2. 寝る直前に唇を軽く閉じ、唇の中央にかからないよう、逆ハの字にバンソウ コウを貼ります。
また、紙バンソウコウの替わりにマスクを使用してもOK。マスクの上部1/3を折り、鼻は出し、口だけを覆いましょう。
紙バンソウコウを使う場合は、必ず起きている間に何度か試して、安全を確認しておきましょう。

サポートグッズでラクラク鼻呼吸

[ブリーズライト]

スポーツ選手が愛用している、鼻の穴を広げ、空気の通りをよくするテープ。
鼻の上 に貼るだけ。就寝時にもおすすめです。
ブリーズライト クールタイプ
レギュラー8枚入 ¥720
(エーザイ0120-161-454)

[ノーズリフト]

西原博士が開発した18金の器具。
鼻に装着すると、鼻が高く持ち上げられて空気の通りが良くなります。
就寝時にも。

ノーズリフトSS〜Lサイズ
¥28,000〜¥36,000
(アート医研03-5292-5677)

[ブレストレーナー]

同じく西原博士が開発した、大人用のおしゃぶり。
やわらかいシリコン製で歯に負担 をかけません。
ブレストレーナー
1セット2個入り
¥5,980(アート医研)

[スリムホホ]

表情筋を鍛える器具。
口呼吸でたるんだ唇をとじやすくします。
リフトアップや小顔 効果も。
スリムホホ
¥2,500(アート医研)


清瀧流美) 

writer's eyes
 実は現在、歯列矯正中の筆者。西原博士に「口呼吸・片がみ・うつ伏せ寝のクセを直さなければ、矯正しても顔のゆがみや噛み合わせは直らない」 と言われ、取材後は鼻呼吸と仰向け寝を心がけるようになりました。 改めて意識してみると、会話中やPCに向かっているときなど、案外口で呼吸していることって多いんですよね! 風邪による鼻づまり(これも口呼吸のせい!?)が治ったら、さっそく逆ハの字テープとブリーズライトで、鼻呼吸をマスターしたいと思います。

■取材協力/ 西原克成 博士
 
医学博士。東京大学医学部口腔外科講師を経て、西原研究所所長に。 免疫病の治療に大きな効果をあげているほか、人工骨髄の開発でも世界的に有名。 呼吸法とかみ合わせで人生が変わるという考え方を提唱し、多くの人々の健康と美容の指導にあたっている。 『2週間で美人になる本』(マキノ出版)『眠りながら「綺麗」になる本』(三笠書房)など著書多数。

西原研究所
東京都港区六本木6-2-5原ビル301
03-3479-1462(完全予約制)
http://www.nishihara-world.jp



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