| Q: |
まずは博士のベストセラーになった著書「癒す脂肪、殺す脂肪」について教えてください。
|
| D: |
脂肪について話すときに理解していただきたいのは、丸きり反対のことが言われているということです。
一般的に正反対の2つの事柄の内、その片方しか知らない人が多いのです。たとえば脂肪はよくないから避けるべきだと思っている人の方が多いと思いますが、悪い脂肪を避ければよいわけで、なんでも避ける必要はないのです。
良い脂肪というのは、健康のために重要なので、どんどん摂らなければいけません。ちなみにこれは必須脂肪酸と呼ばれ、身体には絶対に必要なものなのです。
これは、まさに「癒す脂肪」と言えるでしょう。
ところが、これは体内で作れないので、食物から摂らなければなりません。また必須という言葉から解るように、十分摂らないと健康でありえないということです。たとえば必須脂肪酸不足による健康上の障害には、どんな症状があるかといいますと
| ○ |
皮膚が乾く |
| ○ |
爪が伸びなくなり、髪も抜ける |
| ○ |
骨が弱くなる |
| ○ |
気分が落ち込みやすい。いわゆる鬱状態になりがち |
| ○ |
学習能力も落ちる。集中力の低下 |
| ○ |
ストレスに弱くなる |
| ○ |
暴力的になる |
| ○ |
関節炎やさまざまな炎症が生じやすい |
| ○ |
糖尿病やガンのリスクが高くなる |
| ○ |
自然治癒力の低下 |
| ○ |
血圧、中性脂肪酸の上昇 |
| ○ |
動脈の中の血が固まりやすくなるので、脳梗塞、心臓発作を起こし易い |
| ○ |
体力の低下により疲れ易くなる |
| ○ |
太りやすくなる。(これは、必須脂肪酸のかわりに炭水化物を摂りすぎるので、体内で脂肪を作り出すことになるから)…などなど。 |
|
必須脂肪酸が不足すると身体全体に悪い影響が及ぶことになります。
更に、この必須脂肪酸は甲状腺や胸腺といった腺、臓器にとっても非常に重要なものなのです。
|
| Q: |
それでは、具体的に必須脂肪酸とはどのようなものなのですか? |
| D: |
必須脂肪酸にはオメガ3(α―リノレン酸)とオメガ6(リノール酸)というものがあります。
まずオメガ3ですが、あるデーターによると、150年前に摂取していたオメガ3の16%しか現代人は摂取していない状態です。これにより、とても危険な状態が多々見られます。一方、オメガ6は十分摂取しているといえます。
私の研究によると、オメガ3を摂り入れる量をふやしますと、先ほど申し上げた様々な症状は改善されます。ですから、食事中に摂るオメガ3を増やさなければなりません。そうすることによって、現在抱えている健康上の問題が解決されることでしょう。
|
| Q: |
オメガ3がたくさん含有されている食品は何ですか?
|
| D: |
大きく分けて4つあります。
まず緑黄色野菜。これには非常に良い脂肪が入っていますが、量
としてはとても少ないですね。たとえば、冬の量としては、1日に大さじ4杯のオメガ3が必要なのですが、それを摂取するためには、1日に野菜を60Kgも食べないと摂れないのです。
2番目はナッツ類。中でも多くオメガ3を含んでいる種というのは亜麻仁ですが、これにはオメガ3は豊富でも、オメガ6が少量
なので、亜麻仁だけを摂取しているとオメガ6の欠乏を生じてしまいます。一方、ひまわり、ゴマにはオメガ6はありますが、オメガ3はありませんので、亜麻仁とひまわりとゴマの油をミックスする必要があります。そうすると、オメガ3と6を十分摂ることができるでしょう。
続いて3番目は魚が上げられます。中でもさば、鮭、にしん、鰯、マス、トロ、そして日本ではあまり食べない白いマグロがあるのですが、マグロの油の多いところもオメガ3が豊富なところです。
そして4番目は、オメガ3と6を正しい割合でブレンドしたオイル。これは、光、酸素、熱というものを避けて製造されていて、原料も殺虫剤や農薬などを使わない有機栽培で作られた種を使用しています。これが私の開発した※ウドのオイルです。なぜこれを作ったかというと、脂肪から必要なもののみを摂ることがとても難しいと思ったからです。
| ※
使い方参考例: |
ご飯、麺類、味噌汁、納豆に混ぜても美味。 サラダドレッシング、フルーツジュース、野菜ジュース、蒸した野菜、ヨーグルト、
ポークチョップ、様々なスパイスとの相性もよい。
|
|
| Q: |
では次に「殺す脂肪」について、お話ししてくださいますか? |
| D: |
「殺す脂肪」と言っても、もともとは良い脂肪なのですが、製造工程でダメージを受けたものです。たとえばそのオイルの賞味期限を延ばそうとすることにより、水素を添加したりするわけです。マーガリンとかケーキを作るときのショートニング、あと調理用のオイルもそうですが、水素の添加をすることにより、本来良い栄養成分があったのに、それを取り除いてしまうのです。
それからもうひとつの原因というのがフライをした時。これは光、空気、熱によってダメージが生じるのです。何年か前のある研究者の発表によると
日本に住んでいる日本人というのはガンの発生率が非常に低い。ここ最近、少し増えたとはいえ、他の国と比べて非常に少ないのは何故か?たとえば同じ日本人でも、サンフランシスコへ移住して何年か経つと、ガンの発生率がアメリカに住んでいる人達と同じくらいになる。ちなみにアメリカのガンの発生率というのは世界でも高い方です。
ということでガンというのは遺伝が原因ではない、つまり生きる様式、栄養、食事、それらに起因するという結論に達しました。そこで、その日本人のさまざまな栄養素、いろいろな生活様式の要素を観察してみると、移住前後の大きな違いはフライを食べる回数に変化があったということが解ったのです。その昔、アメリカでガンによる死亡率は30人中1人。現在はというと、4人に1人。つまり熱を加えすぎたオイルを摂取することは、ガンや疾患を引き起こす可能性が高いのです。
|
| Q: |
ところで、脳と脂肪は密接な関係があると聞いたのですが? |
| D: |
脳というのは60%以上が脂肪でできています。で、その内の1/3が必須脂肪酸でできています。ですから必須脂肪酸というのは脳の発育、発達、それから脳の機能にとても重要なんです。また必須ですから、必ず食事と一緒に摂らなければいけないものなのです。
たとえば、妊娠している母親の食事の中に十分な必須脂肪酸がない場合、体内の赤ちゃんは自分の脳の発育のために母親の体内からどんどん必須脂肪酸を吸収します。そこで母親の方にいろいろな問題が生じてしまうのです。続く授乳期間中も、毎日11gの必須脂肪酸を赤ちゃんが吸収しますので、母親はきちんとそれを食事で補わない場合、記憶の障害などが生じてしまいます。
参考までに、女性に鬱病や筋肉痛、慢性疲労、コラーゲン病、結合組織の疾患、炎症の病気などが多いのですが、この数値は男性の2倍から15倍。これは必須脂肪酸が足りないために生じるものと考えられています。
では、食事中にこの必須脂肪酸をふやすことによりどのようか効果
があるかというと
| ○ |
平穏な気持ちになり、鬱状態から抜け出せる |
| ○ |
能力、IQも上昇 |
| ○ |
集中力が増す |
| ○ |
ストレスへの対処もよくなる |
| ○ |
脅迫障害なども改善される |
| ○ |
自閉症、アルツハイマー病の改善 |
|
などが上げられます。 |
| Q: |
では食と心の関係について伺いたいのですが? |
| D: |
まず食習慣というのは家族の中で始まります。でも見まわしてみると、殆どの家族の食習慣は良くないですね。さまざまな家族の間で現在、二つのことが起こっています。ひとつは母親の愛情、それから母親の料理のしかた。つまり、現代では母親の愛情と料理というのは分けて考えなければならないでのす。
たとえば寂しい時とか、ちょっと孤立しているな、誰も愛してくれないな…と感じる時、母親の愛情を感じる食べ物を食べたくなるものですね。それは、母親の愛情を欲しているからです。でも、現代は、それだけではなく、料理方法にも気を配る必要があるのです。
余談ですが、時々あるひとつの料理をもうれつに食べたくなるということが起こります。だいたいそれは炭水化物の食物の場合が多いのです。それはなぜかというと、血糖値が下がっているからです。例えばアメリカでは、学校で寝てしまうような子供や、運転していて事故にあう人 → 血糖値が下がって眠くなる → 事故になる。これは、スピード違反とかお酒を飲んだせいというよりも血糖値が下がって事故を起こす確立がはるかに高いのです。
|
| Q: |
最後に、食の傾向には遺伝が関係するのですか? |
| D: |
味覚自体は生物学的なものですから、構造と同じということです。たとえばアメリカ人やヨーロッパ人、またアジア人といった人種から観た場合、舌の形、構造から機能というのは全く同じです。つまり甘いものは甘い、酸っぱいものは酸っぱいという風に感じます。苦いとか辛いとかいったものも同じです。ただ違うのは、どういう食品が好きかというのは、習慣により違いが出てきます。これは学習して得た好みです。動物も同じです。
コアラを例にとると、普通はユウカリの葉しか食べません。それは小さい時にそれを食べていたからで、もしも他の葉を食べていたら、その習慣は変わっています。
というわけで、人間にとってもそれは同じで、小さいときに良い食事をするということを教えていかなければいけないということです。つまり両親が食べている食べ物を食べたいというのが子供達ですので、親がちゃんとした食習慣をしなければなりませんね。また最近はやりのスローフードに関してですが、重要なのは、スローかファストかではなくて、良い食品かどうか。もちろん時間をかけてお料理をして良い食事を作るというのは大事です。食べ物というのは味のためのものと健康のためのものと2種類あると思います。自分の好みの食事というよりも健康に良い食事の方が重要です。食べたもので私達の身体ができてるのですから。
|