血行や新陳代謝を含む人間の生命活動には、細胞自身の「呼吸」が必要不可欠です。
人間は約60兆の細胞からできており、その1つ1つが呼吸をしています。私たちが自然に鼻や口から息を吸ったり吐いたりするのと同様に、細胞レベルでも酸素を取り込んで二酸化酸素(炭酸ガス)を放出しているわけです。その酸素や二酸化炭素の運搬役になっているのが血液中のヘモグロビンという物質。だから「血行が良い」ということは「細胞がスムーズに呼吸して、酸素と二酸化炭素を受け渡しする環境が整っている」と言い換えることができるでしょう。
ここで面白いのは、酸素と結びついているヘモグロビン(オキシヘモグロビン)は、二酸化炭素を細胞から受け取ってはじめて、結びついている酸素を手放すという点です。
より具体的な化学変化についてはコチラ
つまり、炭酸ガスの濃度が高いと身体は細胞の活動が盛んであると判断し、そこにたくさん酸素を送り込むようになります(これを「ボーア効果」といいます)。逆に炭酸ガス濃度が低いと、身体はそこに酸素があまり必要でないと判断してしまいます。例えば、ケガをしたり炎症を起こしたりした時、その部分の炭酸ガス濃度が高くなり、細胞の呼吸を盛んにして傷や炎症を早く治そうとする生体反応が起こります。新陳代謝が盛んかそうでないかは、炭酸ガス濃度によって決まるといっても過言ではないでしょう。

身体のある部分の炭酸ガス濃度を上げれば新陳代謝が高まるという理論は、もともとフランスで、褥創(じょくそう:床ずれ)の治療に応用されていました。炭酸ガスを人為的に患部に注入することで、細胞の活動を盛んにし、新陳代謝を高め、患部の再生を促すというものです。その後、動脈硬化や慢性リウマチなどの医学分野での応用が広がるとともに、イタリアで美容外科分野での実用化も進められてきました。その結果誕生したのが「カーボメッド(炭酸ガス注入法」です。
2年前に、ダイエット目的での技術がイタリアで発表され、海外ではメジャーになりつつあるカーボメッド。日本には2004年8月に一部クリニックに導入されたばかりの新施術ですが、その効果には早くも期待の声が集まってきています。
脂肪減少効果
炭酸ガスを注入することでボーア効果により、たくさんの酸素が細胞に供給され、新陳代謝が高まり、脂肪が燃焼しやすくなります。また、炭酸ガスはセルライトの結合に関係する皮下脂肪組織に働きかけ、セルライトの分解にも効を奏することが今までの施術例で確認されています。 |
美肌効果
炭酸ガスを注入した部分の新陳代謝が高まるため、老廃物の排出と細胞の再生がスムーズに行われ、シワやたるみなどの老化の改善に効果的です。 |
切らない、痛くない
施術は、外科手術で使われる一番細い針(30G)を刺して、そこから炭酸ガスを入れるというもので、切らずにすみ、麻酔の必要もありません。しかも1回10〜15分ととても短時間。頬だけ、二の腕だけというような「部分やせ」のニーズに細かく対応できます。
なお、注入するのはもともと人間の体内にある二酸化炭素なので無害。薬剤は一切使いません。(ただし心臓病の方や妊娠中の方など、適応外のケースはあります。) |
日常生活に支障が出ない
美容外科の施術の中には、日常生活に戻れるようになるまである程度時間を要するものもありますが、カーボメッドはそのような生活上の制限がありません。炭酸ガスを入れた箇所は一時的にふくらみますが、15分〜30分程度でもとに戻ります。治療直後でも跡が残らず、当日からメイク、入浴OK。「会社のお昼休みにクリニックへ」ということも可能なのです。 |

今回訪れたのは、東京は丸の内オアゾにあるコムロ美容外科東京本院。院長の石田先生よりカーボメッドの説明を受け、炭酸ガスを入れる場所や量を相談。かねてより気になっていた頬をお願いすることにしました。ひと口に頬といっても、脂肪が厚いのは口角と耳たぶの下を線で結んだあたりから頬骨にかけて。ちなみに奥歯をギュッとかみしめた時に盛り上がる「えら」のあたりは筋肉が多い部分なので、炭酸ガスよりもボトックス(タンパク質の一種を注入して筋肉の収縮力を弱める施術)の方が向いているそう。
両頬のメイクを落としてから診療台へ。「ちょっとちくっとしますよー」先生の言葉が終わるか終わらないかのうちに針が入りました。とたんに頬が膨らみ始める!痛みは・・・まったく感じないわけではなく、マチ針をうっかり指の腹に刺した時のようなちくっとした痛みが、そのまま炭酸ガス注入の間続くといった感じです。
炭酸ガス注入の時間は片方の頬で2、3分。ガスが入るといっても、シューシューと音がするわけではありません。ただ、みるみるうちにほっぺが内側からぷくうとふくらんで張ってくる感覚はかなり新鮮!歯医者で麻酔の注射を打つ時に少し似ています。
注入した炭酸ガスの量は片方につき30cc。30cc〜50ccが目安。当然ながら部位によって注入量は変わります。ちなみにお腹の場合は1000cc〜だそう。
施術料金は、両頬で1回21,000円(税込)、お腹は1回31,500円(税込)。
注入直後、詰め物でもしたかのようなしもぶくれにびっくり!おたふくかぜで頬が腫れてしまった幼少の頃を思い出しました。そして固い。腕に軽く力こぶをつくった時と同じ程度の固さがありました(個人差はあると思いますが)。また、ふくらんでいる分、肌にハリが出たように感じました。手で頬を包み込むようにしてキューっと押すと、皮膚の下でタピオカ程度の泡がプチ、プチ・・・とつぶれるような感触が。これが注入された炭酸ガスなんだそう。
針を刺した跡は、注入直後でもわかりにくいほど小さなものでした。
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左が炭酸ガス注入前、右が注入後。向かって右側の頬のふくらみに注目! |
注入した炭酸ガスは20〜30分程度でどんどん広がっていき、しもぶくれ状態も落ち着いてくるそう。その間クリニック内で待たせてもらうことに。
“20分後”まだ両頬とも、はぐきに麻酔を打ったような張り感があり、触っても固く、感覚が今ひとつ鈍い。
“30分後”左側はほとんど腫れも張り感もなし。右側も少し張り感が残るものの、下膨れはほとんどおさまりました。この時、頬を手で押してみたら、タピオカよりも小さいサイダーの泡程度のつぶつぶがつぶれるのを感じました。
“治療から約8時間後”右側だけ、風邪を引いてリンパ腺が腫れたときのような厚ぼったさがあり、口を大きくあけると引っ張られるような感じが残りましたが痛みは全然なし。普通に食事もお風呂もOKでした。メイクに至っては治療が終わってすぐファンデを塗りなおしてしまいました。
なお、人によっては、軽い筋肉痛のような鈍い痛みや違和感が2〜3日続くこともありますが、徐々に落ち着いてくるそうです。
今、これを書いているのは施術3日後ですが、上の写真で下膨れになっているあたりの皮膚が「おおっ」と思うほどしっとりしているのに驚き。実は夏のうっかり日焼けで顔全体がかさつき、凹凸感もあったのですが、炭酸ガスのおかげで手軽にリカバリーできちゃった♪というお得感がありました。スリミングの方は、やはり1回だけの注入では見た目はほとんど変わりませんでしたが、週1回位のペースで、何度か続けると顔のラインがシャープになってくるそうです。
なお、カーボメッドを受ける人の希望部位で多いのが頬や二重顎などの顔と、太腿の後ろ側。特にセルライトのつきやすい太腿とお尻の境目は人気が高いとのこと。やせたい、でも脂肪吸引はちょっと・・・という人にとっては、試す価値アリ!と思わせる手軽さが何よりの魅力なのでしょう。
| ■取材協力/ |
コムロ美容外科総院長 小室好一先生 |
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医学博士、日本美容外科学会正会員、日本外科学会正会員、
日本麻酔科学会正会員、日本超音波医学会正会員。
コムロ美容外科の基本となる「コムロ式」オペの研究開発をしてきた第一人者。平成3年に3人のスタッフで設立したコムロ美容外科の総院長として専門医の育成に力を注ぎ、現在では全国5大都市にクリニックを展開させた。近年はテレビ、ラジオ等で美容相談医として活躍し、著書も多数。
今回のカーボメッド体験:コムロ美容外科東京本院
千代田区丸の内1-6-2 丸の内オアゾ(OAZO)内新丸の内センタービルディング5F
TEL:0120-566-107(女性専用)
http://566.jp |