2005.5.25号





 医食同源、未病先防・・・中国の伝統医学である中医学には、西洋医学とは違った独自の考え方があります。病院に行ってもはっきりしない「何となく、不調」に悩んだら、もやもやとした気持ちごと温かく受け止めてくれる、中医学の専門家や薬剤師に相談してみませんか?


「明るい」「オシャレ」 漢方薬局のイメージ一新!

 親しみやすさとセンスの良さがミックスした街「自由が丘」。流行のファッションに身を包んだ女性が多く行き交う駅前エリアに、その薬局はありました。

オフホワイトを基調にした明るい店内で真っ先に目に入るのは、ゆったりとしたソファセット。壁には整然と商品が並べられ、奥には花柄レースのカーテンで仕切られたエステコーナーも。清々しいハーブの香りがただよい、清潔感にあふれています。
もともと千葉県内にほとんどの店舗が集中している同店ですが、昨年9月、自由が丘に出店するにあたり、「洗練された街にふさわしい、若い女性も気軽に入れる店づくりを」とインテリアの細部にまでこだわったというのがよくわかります。
こだわりは見かけだけではありません。店長以下薬剤師全員が、ヘルスカウンセラーの資格を持ち、じっくりと相談にのった上でアドバイスをする、というのが、誠心堂全店に共通した姿勢です。そのため、健康や美容の相談は、初回1時間、2回目以降30分の予約制。仕切りのある相談コーナーでマンツーマンでのカウンセリングを行います。
一般的なドラッグストアに行けば、すぐに薬が手に入るのに、ここではまず「相談」。時間がかかるのにも関わらず、多いときで1日20名もの予約が入ることも。その人気のヒミツは・・・? 店長で国際中医師、薬剤師の島田ひろみさんにお話を伺いました。


「相談だけで1時間」 そのワケは・・・?

 「相談に初回1時間、と聞くと、『そんなに話すこともないし』と二の足を踏む方もいます。でもいざお会いすれば時間が足りない位、話が弾むということが多いのです」と島田店長。その理由は「表面に出た症状だけではなく、その後ろにある原因を掘り下げるから」だそう。例えば、ダイエットしたいのについ食べてしまう、と相談に来た方に対して、「食べたくなる時はどんな時?」「食べている途中はどんな気持ち?」「食べ終わった後はどう思う?」というように、その人の気持ちをていねいに聞いて、食習慣の問題点や食欲をもたらす原因を、ご本人とスタッフの二人で解き明かしていく、というスタンス。
「つい食べてしまう、それじゃ食欲を抑える薬を出しましょう、ではないのです。異常な食欲は、発散できないでいるストレスを“食べる”という行為で解消しようとする『代替行為』ですから、おおもとにあるストレスについても話し合い、できるところから改善していく、それが“中医学的な”治療の考え方です」(島田店長)
中医学と聞くと、漢方薬やハリ、灸、経絡マッサージといった個別の処方ばかりがイメージされやすいのですが、それらはあくまでも原因が明らかになり治療の方針が立ってからのもの。治療の原点は、「その人全体を知ること」といえそうです。

<中医学とは>
四千年以上前から延々と受け継がれ、積み上げられてきた中国発祥の伝統的な総合医学のこと。心身の不調を「五臓の弱り」としてとらえ、天然の生薬を組み合わせた処方でその弱った臓に働きかけることで、表に出る症状を軽くする、という「根本治療」の考え方に基づいた医学です。
 中医学ではまた、「病気というほどではないが健康ともいえない」状態を改善するという考え方を重視します(未病先防)。何となく心身が不調で、病院などで検査を受けても、病気とは診断されず、治療も必要ないといわれた、という経験のある人も多いのではないでしょうか。中医学ではそのような場合でも、心身の不調を取り除く治療を行います。それによって「病気を未然に防ぐ」ことを第一に考えているのです。


<中医学における診断方法>
中医学では下の四つの診断を行い、その人の体調や病状を総合的な観点で把握します(四診)。
・望診・・・全体を観察
・問診・・・生活環境や日常生活、家族の状況などを聞く
・聞診・・・声や息遣いを聞く
・切診・・・脈の状態をみる
とりわけ「舌」は体のバロメーターとされ、舌の大小、色、湿っているか乾燥しているかなどに病状が現れるので、中医学では望診の中で舌の観察が重要視されています。



“自分を大切にする気持ち”が健康への第一歩

 「そして、相談という形を通して、実はスタッフと話をする、というよりは、自分自身の体や心との対話ができるよう心がけています。」(島田店長)
特に、はっきりと病気とまではいえないが、何となく不調、という場合、原因もわからなければ症状そのものについてさえ具体的に話せないことも。また、体調不良の原因がストレスなどの心の面にあることも多く、何が一番の原因か、何から手をつけたら良いか、まったくわからないまま来店する方もたくさんいるそう。
「中には、『とにかく何とかしてほしい』『すぐ効く薬が欲しい』と切実に訴えてこられる方もいらっしゃいますが、私たちは人の心の中をのぞき込むことはできませんし、ましてやそこに手を入れて、複雑に絡み合った問題をときほぐすこともできません。それができるのはご本人しかいませんが、ご本人が問題に気づいていなかったり、ときほぐす方法がわからなかったりしたときに、私たちが鏡のような存在になって、一度客観的に自分を見つめられるようにする、そこで新たな糸口をご自身で見つけることができればと考えています。」(島田店長)
日々の忙しさに流されて、不調をおしても目先のことに専念しなくてはならない人も多い世の中。「自分のことは自分で大切にしなきゃ!」と思えるようにすることが、健康への第一歩であり、それを応援するのが誠心堂の基本姿勢といえるでしょう。

お話しを伺った方: 「誠心堂 自由が丘店」店長 島田ひろみさん
 
国際中医師、薬剤師。
中国政府認定/国際中医師A級取得。
女性の悩み相談のスペシャリストとして活躍中


インターネットによる相談もできる

 誠心堂のような、徹底したヘルスカウンセリングの理論に基づいた相談を経て処方してくれる漢方薬局は、日本全国の中でも珍しい存在。相談したいけれど、遠方なのでお店に行けないという人のために、同店が新たな取り組みとして始めたのが、インターネットを利用した「ココロとカラダの相談室」。会員登録、利用とも無料で、誠心堂各店の相談員11名(2005年5月現在)の中から、各人のプロフィールなどを参考に選ぶことができます(話しかける相談員は途中で変更もできます)。
 相談員とは相談システムを利用したマンツーマンのやりとりとなり、個々の会員専用のページにその履歴が残ります。相談は1日1回と決められていますが、都合の良い時間に送れるのがインターネットを使った相談ならではの魅力。また、やりとりの内容を他者に見られることはもちろんありません。なお、漢方薬等の販売が目的ではありませんので(希望者には通信販売可能)、安心して利用できます。
今回、睡眠障害(眠りが浅い、目覚めがすっきりしない等)に悩む、きれいねネット会員・戸田玲子さんに、実際に「ココロとカラダの相談室」に相談してもらいました。


事前に読者モニターを募集し、情報が公開されることを承諾いただいた上でやりとりをしていただき、その様子を掲載しています。

こちらから、ご覧頂けます。




美は健康な心身に宿る!宮廷御用達の美容法

 「中医美容」という言葉を知っていますか?中国の古い医学書には、病を治すための薬の処方だけでなく、美容のためのノウハウも記載されているそうです。その中には宮廷で考案された美容クリームやパック剤などの処方も数多く紹介されているそう。世界の三大美女の一人である楊貴妃も使っていたのかも知れません。
これらはすべて天然の生薬を利用したものや、鍼灸、気功などの自然で非薬物的な美容法。これこそが中医美容のルーツであり、その後の研究、応用が進められて現代に受け継がれているのです。
 中医美容には二つの大きな目的があります。一つはシミやニキビなどの外見に影響を与える疾患を総称した「損容性疾患」を専門的に治療すること。もう一つは部分と全身をケアすることによって、顔の若さを保つこと(「駐顔」)です。
 そして、中医美容はもちろん中医学の考え方が基本となります。中医学では人体の内部の状態は顔や皮膚などの外面に反映される、とされています。例えば、ニキビといってもその原因によっては婦人科や内科の分野にも治療がおよぶし、ストレスが原因ならそれを取り除くというように、内部のさまざまな原因に応じて治療方針がたてられます。
 また、中医美容では顔の美しさだけでなく、髪、爪、体、四肢などの全身の美化を目的とします。これらは、先に挙げたニキビの例と同じく、すべて体の内部の健康の上に成り立つとされ、それを表す言葉として「健美」があります。



 中医美容の考え方を取り入れたエステは、ツボや経絡を意識したハンドマッサージに特徴があります。
自由が丘店のエステティシャンは、この道ウン十年のベテランである中村純子さん。均一な指のタッチでクレンジングされただけでもううっとり、取材も忘れて眠りそう。
すべりのよい美容液をさっとつけてからは圧巻のマッサージ。というか顔のツボ押し。まずは口の周りから、もう「ここしかない」という快感のツボをリズミカルに刺激されると、つくづく「私って、口元が凝っていたんだぁ」と実感。心地よいタッチは目の周りにもおよび、危うく本当に寝てしまいそうに。
圧巻なのは首筋のマッサージ。手の平でグリグリと、顎と首の境目から鎖骨にかけての首前方の筋をさすられると、肩や腕の疲れもやわらいでいくのがわかります。その間、顔には化粧水をたっぷりしみこませたコットンパック。
通常より短い時間でしたが、終わって出てきた私を見て「ピカピカしているよぉ」と編集長。それは肌表面だけでなく、表情もスッキリし、生気がよみがってきた!という意味だそう。「顔がだいぶ凝っていましたね」と中村さん。これで少しは「健美」に近づけたでしょうか・・・?
なお、エステルームには、メイクアップ用品が一通りありますので、会社帰りにも気軽に立ち寄れます。
エステで使用するスキンケア化粧品は誠心堂オリジナルの「爽肌精」シリーズ。何種類もの漢方の二番煎じ(一番煎じは薬になる)のエキスがたっぷり配合された化粧品で、クセがなく、ひたひたと潤う使用感。敏感気味な肌の方にもお使いいただける処方です。

  中医美容エステは完全予約制です。電話:03-3718-4193

 




■取材先/
自由ケ丘店
〒152-0035
東京都目黒区自由が丘2-13-4 リバティビル1F
TEL:03-3718-4193
(他店舗一覧はこちら

ココロとカラダの相談室
http://www.comfortbrook.jp


渡邉真由美 ) 

writer's eyes
「相談するって、大切なこと」。インターネットでたいていのことは調べられるようになり、健康や美容情報もあふれている時代。となると、一番わかりにくいのはほかでもない、「自分自身のこと」なのではないでしょうか。外見だけでなく、内面も映し出す鏡となり、客観的かつ専門的に相談にのってくれる人の存在のありがたさを、取材を通してしみじみと感じました。



Copyright (C) 2005 Island Magic Inc. / kireine.net All Rights Reserved.