2005.7.27号





20代を過ぎるとお肌だけでなく口内環境も曲がり角に。早いうちからの予防で歯周病のリスクもぐっと減るのです。今回は、ていねいなカウンセリングと確かな治療で評判の「石川デンタルクリニック 烏山分院」(東京都世田谷区)にお話しを伺いました。



欧米では常識 「美ぼうは歯から」

 日本で歯科医院というと、歯が痛くなってから通うところ、という認識が強いと思います。一方欧米では、小さい頃から、虫歯がなくても定期健診とクリーニングを受けに行くという慣習が根づいています。一家のかかりつけ歯科医がいるのも普通です。
つまり、欧米では「いかに虫歯を作らないようにするか」の親から子への教育が定着していると言えるでしょう。
この背景には、日本と欧米での医療制度の違いもあります。欧米では歯に限らず、病気の予防に対して保険が摘要される一方、病気になった後の治療費の負担率は日本より高くなります。そのため、病気の予防に対する関心が高いのです。
加えて、欧米では歯並びの良さが美ぼうやステイタスをあらわすという価値観があるため、歯の矯正も日本より盛んに行われています。小さい時から親が子どもの歯並びを気にすることもあり、歯や口腔内の健康への意識が高くなるのはごく自然な流れと言えるでしょう。


日本の予防歯科は草の根的に広まった

 実は日本で「予防歯科」という概念が生まれたのはごく最近。10〜20年前に、とある歯科診療所の歯科医師が、小学校の歯科検診の経験などを通して、虫歯にならないためのケアの重要性を周囲に広めていったことがきっかけとなりました。
ただ、今でも「予防歯科」という標ぼうは認められておらず、予防だけでは保険治療の対象になりません(歯のクリーニングのみ対象)。そのため、医療従事者サイドから見ても、日本ではなかなか予防歯科の考え方が定着しにくい環境であると言えます。


40代からの歯周病のリスクを減らす予防歯科

 人間の身体は、20代までは成長のサイクルに入っていますが、30代を過ぎると徐々に老化に向かいます。
そして40代になると急激に歯周病のリスクが高まります。歯茎の老化が進んで少しずつ縮み、歯と歯の間が空いてしまい、さらに歯と歯茎の間に汚れがたまると歯茎が腫れ、ひどくなると歯茎の内部で歯を支えている骨を溶かすまでに至ってしまいます。
一度歯茎が縮んでしまうと、治療により進行を止めることはできても、元のように戻すことはできません。歯周病になる前に、定期的なチェックと適切なケアの指導を受けることが大切です。
もし、すでに歯周病と診断された場合も、治療とともに自宅でのケアを徹底することによって、悪化を防ぐことができます。


40代からの歯周病のリスクを減らす予防歯科

 石川デンタルクリニックは、新宿駅ビル内に本院がありますが、「地域医療に貢献したい」というオーナー、石川陽子さんの願いから8年前、世田谷での開業に踏みきりました。
「地域医療への貢献」に込められた思いは、ひとつには「患者さんと十分にコミュニケーションをとって、治療方針や予防のための指導について互いに納得した上で進めていく」こと。それには医院自体の規模は小さくても、じっくりと患者さんと接することができて、患者さんも気持ちよくいられる環境が望ましいと考えました。
世田谷の烏山分院は、治療ルーム数3+カウンセリングルーム1と決して大規模ではありませんが、清潔感にあふれ、木を生かしたインテリアで和のテイストとぬくもりがあり、一見歯科医院とは思えないほどリラックスした雰囲気が漂っています。
もう一つには、「患者さんと生涯をともにする歯科医院でありたい」という願いも。新宿には都心ならではの利便性をもたせながら、一方の烏山では地域に根づき、親から子へ、そのまた子へ、と親しまれ、同時に歯に対する認識も世代から世代へ伝えたい、という思いを実現するのに良い環境と考えたのです。


「石川デンタルクリニック」でのインフォームドコンセント

1. 20項目にわたる問診表で、普段の歯磨きや飲食の習慣などについて聞きます(一部分別枠参照)。これを書くことで、患者さん自身が自分の生活習慣を振り返り、歯についての認識を深めるのにも役立ちます。
2. カウンセリングを2回行います。1回目は問診表をもとにした生活習慣についてのチェックやアドバイス、そして今までの治療履歴について聞きます。その上で口腔内を診察し、2回目のカウンセリングでは具体的な治療計画表や見積もりを作成し、患者さんに説明します。


 通常、歯科医院では患者さんは治療用椅子に座ったまま、簡単な説明を受け、そのまま治療へ、という流れが多い中、石川デンタルクリニックでは医師と患者さんが向き合い、治療方法から費用の面までていねいな話し合いをしてから治療を始めるので、患者さんも安心して治療を受けられるというわけです。
問診表で「歯磨き」の習慣をチェック!(一部抜粋)
ブラッシング回数は? 1日__回
起床時 朝食後 昼食後 夕食後 就寝前 毎食後
ブラッシング時間は? 
1 分 3分以内 4〜5分 10〜15分以上
歯ブラシの使用期間は?
まめにかえる だいたい1ヵ月ごと 1年に数回
補助用具を使用してますか?その種類は?
 デンタルフロス 歯間ブラシ コンパクトブラシ(通常の歯ブラシより幅や長さが短いブラシ)
磨き方は?
大きく横に動かす 上下に動かす 小さく動かす 気にしない その他


「石川デンタルクリニック」での予防歯科の流れ

予防歯科の大きな柱は、歯茎の検査と歯磨き指導です。

歯茎の検査

歯と歯茎の間に、小さなものさし状のへらを差し込み、歯の周りを一周します。へらが一番深く入った部分の深さを測ります。
健康な歯茎なら、2〜3mmの深さしかありませんが、歯周病になると4mm以上に。1cm近くになるケースもあるそうです。

歯磨き指導

赤い染色液を歯に塗って、磨き残しを染め出します。染め出された部分を確認しながら、歯磨きの指導を歯科医、又は、歯科衛生士から指導を受けます。歯磨きが上手になると、次第に赤く染め出される部分が少なくなります。

費用は、保険適用で初回に検査とクリーニング、フロスなどのグッズ購入代が5,000円程度。その後歯磨きチェックや検診で7〜8回通院しても、初回と合わせて10,000円でおつりがくるくらい。これなら全身エステ1回分よりお手頃価格と言えるでしょう。

自分で行う、歯周病対策ケア

自分で行う、歯周病対策ケア
歯周病は生活習慣病の一つ。歯磨きの仕方は小さいころから習慣づけられているので、「自己流」になってしまいがち。磨き残しがあっても自分ではなかなか気づきません。
そこで歯科医で客観的に自分の歯並びに合った歯磨きの仕方を評価してもらい、正しい磨き方を身に着けることが大切になってきます。
また、歯ブラシだけではどんなにきちんと磨いても、8割しか磨けないそう。残りの2割は歯の裏側などの細かい部分。フロスを使って汚れを取ることが必要です。

まずは口の中のチェック!

自分の口の中を鏡で見てみましょう。歯茎の腫れはありませんか?色はどうですか?健康な歯茎はキレイな薄ピンク色です。赤っぽくなっていたら歯茎は歯周病の危険信号。

歯ブラシの持ち方
柄の部分をギュッと握ると細かく動かすのに不便。鉛筆を持つようにすると良いでしょう。

歯の磨き方

「歯1本につき、1面を10回」磨きましょう。また、歯と歯茎の間は柔らかめの歯ブラシを使って、45度の角度でブラシをあて、上にかきだすように動かしましょう。汚れを取るとともにマッサージ効果も得られます。
鏡をよく見ながら、歯磨き粉をつけずに、スッキリするまで磨くというのも、正しい磨き方を身につけるには良い方法です。なお、歯ブラシは1ヵ月に1回は新しいものに替えましょう。
なお、電動歯ブラシの場合は、歯ブラシを歯面に垂直にあて、少しずつブラシをずらしながら歯の上面、外側、内側を磨きます。ブラシを上下に動かす必要はありません。時間の目安は、下の歯2分、上の歯2分です。電動歯ブラシのブラシ部分は、3ヵ月に一度は新しいものに替えましょう。

フロスの使い方
歯と歯の間にフロスを入れ、歯面にそわせてかき出すのがコツです(写真参照)。

【下の歯の場合】
まず歯と歯の間にフロスを差し込みます
次に、フロスを歯面に沿わせて、歯と歯茎の間にフロスが入るようにしてから上へかき出します 【上の歯の場合】
歯と歯茎の間にフロスが入っているのがよくわかります

歯茎のマッサージ
歯茎を引き締め、歯周病から守るためにも歯茎のマッサージを習慣づけたいものです。
下唇のすぐ下、くぼんでいる部分に指をそろえてあて、押しながら左右に動かすと良いマッサージになります。これなら普段ちょっと空いた時間にいつでもできますね。


健康と美容のために予防歯科を役立てましょう

 最後に、「石川デンタルクリニック」から「きれいねネット」の読者へコメントをいただきました。
「流行の服を着て、お化粧品に気を配って、メイクもきちんとして・・・と、今の若い女性の美意識はとても高くなっていると思います。ですが “口の中”への関心は、それらに比べるとまだまだなのではないでしょうか。ぜひ歯と歯茎にも美しさを求めてほしいと思います。それは健康にもつながりますし、ひいては内面の美しさにもつながると思います」(石川陽子さん)
「“食べること”は健康の基本です。良く咀嚼(そしゃく)すれば脳も活性化すると言われています。左右均等に正しく噛めば、顎に負担がかからず、フェイスラインのゆがみもなくなります。健康と美容のためにぜひ予防歯科を役立ててください」(石川創一医師)
「以前、50代の男性の患者さんが“今治療しても、最終的には総入れ歯になるんでしょ”とおっしゃったのを聞いて、日本ではこう思い込んでいる人が多いんだなあと痛感しました。予防と治療をきちんと行えば、一生自分の歯で噛めるのに、あきらめてしまってはもったいない。歯は自分で守れます。予防歯科がそのお手伝いをします」(石川百合子医師)



■取材先/

左から、 石川百合子医師
石川陽子さん
石川創一医師
石川デンタルクリニック
(烏山分院)
〒157-0062 東京都世田谷区南烏山5-20-16 ヴィオラ2F
TEL 03-3307-7939
http://www.ishikawa28.org/

(新宿本院)
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-38-1
マイシティ6F
TEL 03-3352-6471
http://www.i28.jp/
診療日、時間はホームページをご覧ください

渡邉真由美 ) 

writer's eyes
 最近、電動(音波)の歯ブラシを使い始めました。それまで恥ずかしながら、歯磨き中によく出血が見られたのですが、この歯ブラシにしてから歯茎の色が良くなり、出血もぴたりとなくなってびっくり!お手入れの重要性を痛感しました。
そもそも私の歯医者嫌いは、やはり歯医者嫌いだった母の影響によるもの。日本でも欧米並みに、親から子へデンタルケアの大切さを正しく伝えられるようになるといいですね。



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