2006.3.22号





 

皆さんは英国に行ったことがありますか?
英国を訪れたことのある人々にそのイメージを聞くと、歴史を物語る荘厳な建物や、ハーブやバラに彩られた美しいイングリッシュガーデンetc……。でも、大抵が口を揃えてこんな言葉を最後に付け加えませんか?「 食事がイマイチなのよね…」って。
そんなある日のこと、東京・麻布十番にあるアンチエイジング・レストラン「ユリス麻布十番」で、“英国の食”のイメージを覆すイベントが開かれる♪という情報を耳にしたのです。今こそ、“英国の食の何たるか”を追及する絶好のチャンス! 早速潜入しました。これは、“心のぜいたくを楽しもう”というキャンペーン『英国式幸福論。』の一環として行われた英国政府観光庁主催の食のイベント。英国というとロンドンばかりが注目されがちですが、このイベントでは英国の中でも美味しい食材の宝庫、コッツウォルズ地方が舞台。

その魅力を余すところなくお皿に込めるため、コッツウォルズ在住のシェフ、ロバート・リースさんと、コッツウォルズ観光局のクリス・ディーさんが来日しました。


ロバート・リース さん
Robert Rees


クリス・ディー さん
Chris Dee
コッツウォルズに住み、地元の食材をこよなく愛する若きシェフ。現在はファーマーズ・マーケットで料理のデモンストレーションを披露したり、学校給食へのアドバイスをするなど、食全般にかかわる幅広い分野で活躍中。2006年には、食への功績が認められ、エリザベス女王2世より大英勲章が授与されるほど。イベント会場では、お茶目で陽気な人柄と、両手をクルクル回すジェスチャー「Happy Cooking♪」をアドリブで披露。 コッツウォルズの魅力を世界中に伝える“伝道者”。2000年もの歴史ある町、ストゥ・オン・ザ・ウォルド在住。人生のほとんどをここで過ごしてきたというだけに、地元の食材には愛着がたっぷり。日本も大好きなご様子で、相撲部屋での“朝ちゃんこ”のご経験もあるとか!


コッツウォルズには“幸福”がいっぱい!!

さて、食のイベントだけに、厨房の中ではロバートさんを中心に、大勢のスタッフの方々が準備に大忙し。作業の合間を縫ってフロアに現れたロバートさんとクリスさんにお話をうかがうことができました。



ロバートさんにコッツウォルズの魅力を尋ねるとこんな言葉が返ってきました。
「 コッツウォルズは東京やロンドンと違ってとても田舎ですが、僕にとっては流行の発信地。季節ごとの食材に溢れ、そのひとつひとつからは“生きている”という感覚が伝わってくるんです。料理をする人間にとっては最高の場所!」
その言葉の通り、コッツウォルズのみずみずしい食材たちに惹かれて、ロバートさんがこの地に移り住んで10年以上が経つそう。「 特に、土曜日のストラウドのファーマーズ・マーケットはとっても活気に溢れています。地元産のチーズや、パン、ワイン、ジュース、チャツネなど25〜50種類もの食材を扱う店がズラっと並ぶ様子は、カフェでお茶を飲みながらその光景を見ているだけでも楽しいね」
ファーマーズ・マーケットとは、農家の人々が自家栽培した作物を直売する市場のこと。6年ほど前から始まった、コッツウォルズ人気の“美味しいスポット”のひとつです。 すると、私たちの前には美味しそうなリンゴジュースが登場!「 これは、そのファーマーズ・マーケットでも扱われている、アップルジュース。さぁ、皆さんもどうぞ!」(クリスさん)
数年前、エリザベス女王がグロスター大聖堂(映画『ハリー・ポッターと賢者の石』にも登場)を訪れた際に、ロバートさん自ら献上したという天然アップルジュース! 飲んでみると―― おおっ! 甘みも酸味も濃厚な、なんともまろやかな果汁。 これまで飲んでいた甘いだけのアップルジュースとは違って、太陽をいっぱいに浴びた健康的なリンゴを思いっきり丸かじりしたような味。当たり前だけど、リンゴって、フルーツだったんだな…と実感しました。


いよいよ麗しき宴に突入です!

さてさて、美味しい素材に溢れたコッツウォルズの魅力を垣間見たところで、いよいよ待ちに待ったディナーの時間がやってきました♪私たちが食した秀逸のメニューは、ロバートさんと「ユリス麻布十番」のコラボレーションによる、全5品の「コッツウォルズ・スペシャル」。美しい写真とともに、その味と香りを、とくとご覧ください!
ディナーの席では、ロバートさん自らがすべてのテーブルをまわってサービスしてくれるという一幕も。こんな機会でもなければ、なかなか体験できない、感激のシーンです!! 


 



豆とハムのスープ
〜コッツウォルズスタイル〜



豆を裏ごしてクリーミーに仕上げたスープ。舌にのせると、
まったりとコクのある味を瞬時に記憶させてくれます。
スープに浮かぶ緑色の野菜は、なんと、ユリのつぼみ。
優雅に咲くユリの花そのものの香りが濃厚な味のスパイスになっています。
ところで、“Pea Soup(えんどう豆のスープ)”という言葉は、
英国では「深い霧」を表すときにも使われるのだそうです!
情緒豊かなイギリスらしい表現ですね。


コッツウォルズ・ガーデン風サーモンのタルタル
〜クレソンとシェリーのドレッシング
コッツウォルズ産チーズのクリスプ添え〜



角切りのサーモンにホースラディッシュ、マスタードリーフを混ぜた、
甘みがあってフレッシュで、脂ののったサーモンのタルタル……。
これまでこんなに味のしっかりとした
サーモンをいただいたことがあったでしょうか!
上に乗ったチーズのクリスプは、コッツウォルズ特産のひとつである
「ダブル・グロスターチーズ」を溶かし焼いたもの。
こんなに小さな存在ながら、すっごく香り豊か!



ローストポーク・ロブ・リーススタイル
レッドオニオンジャムと赤ワインソース
〜コッツウォルズ特製チャツネ風味のポテト&ほうれん草
スパイスソテー有機にんじんとかぼちゃのピューレ〜



こちらがメインのローストポーク!
分厚いお肉にナイフを入れると、ジワッと肉汁がしみ出してくるほど
とってもジューシー。肉に、脂に、豚の旨味をしっかりと感じるものでした。
ところで、コッツウォルズ地方の特産のひとつに、
「オールド・スポット・ポーク」という
品種の豚(黒いブチのある豚)があるそうなのですが、
今回は輸入の関係上、日本のオーガニック・ポークが使われました。
「豚肉の美味しさを皆さんに知って欲しい!」と願ったロバートさんが
まごころを込めて調理してくださった渾身のひと品♪
ロバートさんが作るお料理はスパイスやハーブ、
チャツネがふんだんに使われます。
付け合せのピューレにも、スパイス、チャツネが加えられ、
お肉の甘みを引き立てる、さらなる甘みをプラス!



コッツウォルズ産チーズいろいろ
〜オーガニック・ビスケットとチャツネを添えて〜



さきほどのお肉と野菜のピューレでおなかがパンパンに…。
でも、「コッツウォルズではチーズは別腹なんだよ」
なーんて言葉に誘惑され、
4種のチーズを早速、堪能!チーズは右から、
あっさりとした味の「バークリー・カッスル」、
クリーミーなチーズをグリーンのハーブで覆った「メイヒル」

「ラドル・カート・カマンベール・チーズ」、そして超芳醇な「ブルーチーズ」♪
ちなみに、添えられているのは素朴な味わいのダッチー・オリジナルのビスケット。
なんでも、かのチャールズ皇太子自らがプロデュースする
オーガニック・フード・ブランドのものだそう。
チーズの塩気とビスケットの天然の甘さがマッチング!
コッツウォルズ産のチャツネを少しのせても違った味わいが楽しめます。



コッツウォルズのメレンゲ・デザート
〜ミックスベリーのラベンダー&タラゴンカスタード
ラズベリーシャーベット添え〜



さて、正真正銘の別腹といえば、これ。デザートです♪
数あるレシピのなかでもロバートさんが
最も得意とするのは、このデザート。
直径約10cm、高さ4cmはあろうか(!)
というほどの特大メレンゲをメインに、
ラベンダー&タラゴン風味のカスタードソースと、
フレッシュなベリー群たちが
甘さとほのかな酸味を添えています。
上にのったラズベリーのシャーベットと一緒に、
スプーンでサクッと切って口に運ぶと……
「あ!メレンゲ溶けちゃった!」
あちこちのテーブルからそんな声が飛び交いました。
こんなにおなかがいっぱいなのに、ついつい食べてしまう、
魔法のようなスイーツの醍醐味を思い知りました!

 

その後は、「ユリス麻布十番」パティシエの星野さんが作った生チョコレートとコーヒーで、身も心も豊かになるようなディナーの余韻を楽しみました。


美味しい時間って、あっという間です。

デザートも終わる頃には、会場の人々も皆至福の表情。気がつけば、この会場で初めて会った人同士がすっかり打ち解け、フルーティな英国産ワインや、アルコール度数6%という濃厚な地ビール「トラファルガー」のおかわりを申し出るなんて場面も! ロバートさん、クリスさんをはじめ英国政府観光庁の関係者からのご挨拶が終わっても、まだまだほとんどのテーブルで話に花が咲いていました。 
この素敵な席に参加した感想は、英国は想像以上に美味しかった!そのひと言に尽きるでしょう。
「 食べる」というシンプルな行為が、どんなに人の心を豊かにするものなのか――それを、深く、深く考えたこの夜。今日、ロバートさんがことあるごとに口にした「Happy Cooking♪」という言葉にも、人々を幸福にする“おまじない”のような力が込められているのかもしれません。
皆さんも、英国コッツウォルズを旅する機会があったら、地元の新鮮な食材や何百年前と少しも変わらぬ美しい景色を、心と体いっぱいに楽しんでみてください。 時が止まったような静寂の中で五感をフルに解き放てば、全く違った自分に出会えるかも。そして、自分のために、愛する人たちのために、「Happy Cooking♪」を忘れずに。


コッツウォルズを訪れるなら、ぜひここに!

ロバートさんとクリスさんから、コッツウォルズ地方のおすすめスポットをうかがいました。英国旅行の計画がある方はぜひ参考にしてくださいね♪

<おいしい英国Topics1>
“コッツウォルズの別腹”(?)ともいわれるチーズ、特に素晴らしい味と香りを放つ「"ダブル(もしくはシングル)グロスターチーズ"を堪能して欲しい」と語るのはクリスさん。「B&B(Bed&Breakfast=イギリス定番の民宿)の朝食でも登場することがありますよ。」

<おいしい英国Topics2>

パブにして本格的な食事がいただける美食派パブ「ガストロパブ」が増えているのも、英国食ルネッサンスのひとつ。そんなムーブメントに注目して、お気に入りのガストロパブの近くに家を持つ英国セレブも多数いるとか。ロバートさん式、いいお店の見つけ方は、「数あるガストロパブのなかでも、黒板に日替わりのメニューやその生産地が書かれているお店なら間違いなし!」だそう。コッツウォルズ在住の俳優、ヒュー・グラントや女優ケイト・ウィンスレットにも会えるかもしれません。

<おいしい英国Topics3>

もうひとつ、「コッツウォルズはもちろんのこと、英国でとびっきりの美味しいものに出会いたかったら、この『Tasty Britain』を参考にしてくださいね」とは、クリスさん。英国の食と観光パンフレットとして作成された小冊子は、旅行先で美味しいものを楽しむのに格好のガイド。英国政府観光庁のホームページからオンラインで取り寄せることができるので、今すぐオーダー♪
コッツウォルズについてのさらに詳しい情報はオフィシャル・ホームページから


とっておきプレゼント情報!!
今回のイベントを記念して、英国政府観光庁からプレゼント♪
1. 『The Cotswold Chef〜A Year in Recipes and Landscapes〜』
ロバート・リース&クリス・ディー 共著(英語、Darien-Jones Publishing 刊 10ポンド、ロバートさん直筆サイン入り)
2. 『栗原はるみ(はみちゃん)』栗原はるみ著(扶桑社刊 1,470円 栗原さん直筆サイン入り)
3. 『英国式幸福論。』観光パンフレット・セット 英国政府観光庁発行
( 『私の「英国式幸福論。」』、『Driving in Britain -英国ドライブ紀行』、『Tasty Britain -英国を味わう旅』)
以上をセットで5名様にプレゼントいたします。
コッツウォルズの魅力に触れることのできる、第一歩! 奮ってご応募を。

受付は、4月20日24時をもって終了しました。
           たくさんのご応募ありがとうございました。


取材協力/
英国政府観光庁
http://www.visitbritain.com/jp

写真撮影:石井幸久

writer's eyes
『英国式幸福論。』と題されたキャンペーンのひとつとして行われた今回のイベント。英国の中でも特に古い建物や美しい景色に囲まれた街、コッツウォルズの魅力を知っただけでなく、ロバートさんやクリスさんを通じて、「何かとてつもなく温かいもの」を感じました。それは、コッツウォルズという土地を愛し、そこで育まれる食材を愛する人間にこそ備わった「幸福論。」なのかもしれません。

このイベントの会場となったレストラン「ユリス麻布十番」は、“アンチエイジング”をコンセプトにした話題のお店。英国から来日したロバートさんとこちらのオーナーシェフ・多田鐸介さんが同い年ということもあって、すっかり意気投合した様子!

ユリス麻布十番:http://www.yuris.jp/
 



Copyright (C) 2006 Island Magic Inc. / kireine.net All Rights Reserved.

s