「私、今年で49歳になるんですが、年々、元気にというか、毎日が面白い、という気持ちが強くなっているんです。友達には“ハイになるクスリでもやっているんじゃないの?”って冗談で言われるくらい(笑)。仕事も大好きですし。最近ね、“アキュティップ”という新しい機械を導入したの。今までの機械では対応できなかった薄いシミやソバカスも治療できるようになって」
たか子先生はいつも、「患者さんがわざわざ時間を費やして、お金も使って、治療を受けにいらっしゃるんだから、それに見合うだけの効果を出したい」とおっしゃる。新しい医療マシンが世に出れば、“実際のところはどうだろう?”といち早くリサーチ、海外の学会へも積極的に参加する。診療時間外も、クリニックにあるマシンを「こういう風に施術してみたらもっと効くかもしれない」と、自身の肌やモニタリングで、あれこれと試行錯誤。まさに“精力的”。お肌がつやつやなのはもちろんのこと、声もハリがあって、背筋もシャンと伸び、溌剌と、若々しい。
| 一つの節目だった「40歳」。悩み、落ち込んだ結果、楽しい今がある |
「でもね、こう見えて、40歳を迎える前の1〜2年間は、ウツウツとしてたんですよ。暗かった。とことんまで落ち込んで悩みぬいたから、今、開き直ってラクになれたという感じですね」
人にもよるかもしれないけれど、多くの女性にとって、40歳は大きな節目だ。特に、未出産の場合、「このまま子どものいない人生を送るのか、それとも・・・」と、具体的な選択を迫られるようになる。
「別に、子どもがいる人を羨ましいと思う気持ちは全くなかったんです。積極的に欲しい、とかそういうものでもなく、ただ、自分の人生として、子どもがいない一生というのが受け入れられるのかな?と自信がなくて。
きっと、子どもがいたらいたで、“この子が自立した後、私の人生ってどうなんだろう?” って考える時期ってあると思うし、徹底的に自分を見つめるべきときだったんでしょうね」
| 人生は「永遠の前の一瞬」。そう割り切ったら大切なものが見えてきた |

うんと悩みぬいたとき、心に響いたのが、作家・曾野綾子さんの言葉だった。「自分を過大評価しない、過少評価もしない、他人に対しても期待しない」――。
「それまではね、やはり心のどこかで、自分にも他人にも、何か期待していたんでしょうね」
若い頃は誰だって、“もっと幸せになりたい、あれが欲しい”、“私って将来、すごい人になれるかも・・・”。何となくの理想、夢を持っているもの。逆に、うまくいかないことがあると“どうして願いが叶わないの?”“何がいけないんだろう?”と、思い悩んでしまいがちだ。
「ふと、目の前が開ける瞬間があったんです。“私の人生こんなもの。何を悩むことがあろう、クヨクヨするのもいい加減にしよう”って。
同じく曾野さんの言葉で、『人ひとりの人生っていうのは、永遠の前の一瞬にすぎない』というのも、本当にそうだと思って。よく、医療の世界では“この手術は成功率○%”、“致死率○%”なんていうけれど、人間誰もが、いつかは必ず死ぬ。致死率100%の中で、今の一瞬を生きているんですよね。そう思ったら、欲張って何かを求めたり、くよくよして時間を過ごすのはバカらしい。一番大切なことを大事にすればいい、とシンプルになれたんです」
人生こんなもの。一瞬のこと。あっさり割り切ってみる。
「ラクですよ。例えばね、人前で何か発表するときでも“上手にやりきりたい、成功させたい”なんて過大な期待をしなければ、緊張してアガるということも無いんです。対人関係もね、そもそも期待をしなければ、厚意を受けたとき、素直に“嬉しい”って、喜ぶことができる」
いい意味で、クール。人の目も、気にしない。
「例えば、お洋服もね、着たいものを着ればいい。“この歳でこんなもの着ていいの?”なんて発想で選ぶより、自分の好きなものを選ぶほうが楽しいと思うんです。
ただね、自分にとっての“パワースーツ”っていうのは、あると思う。これを着ると元気になる、自信がつくって。お肌をキレイにするのも、同じことです。キレイになると、自信がついて心に余裕ができるんですよね。人目が気にならなくなるし、他人にやさしい気持ちになれる。無理に若返ったりシワを消すのが目的ではなくって、人生をより享受するための手段として、自分にパワースーツを着せてあげる。人のためじゃなく、自分のために。美容ってそういうものだと思います。私は、クリニックで、そのお手伝いをさせていただく応援団、というつもりです」
ウツウツと苦しんだ時期があったおかげで、見えたものがある。だから悩んで良かった、悩みをヘタに回避するより、とことん落ち込むのも悪くない、と当時を振り返る。
「救われたのは、私は仕事が好きなんですね。仕事をしている間は、目の前にあることに没頭して、悩みを忘れていられる。家に帰ると、また再び一人で悩む、という繰り返しではあったけれど。
今、目の前で起こっていることに真剣に取り組むっていうのは、考えてみると大切なことかもしれません。私ね、単純作業とかも好きなんですよ。たとえば手術の準備として、人から採った毛を、植毛するために株分けする、なんて作業もあるんですけど、同業者の間では、“かったるい仕事だなー”(笑)と人気がないんです。でもね、私は面白い面白いって、楽しめるタイプ。ものすごく忙しい病院に勤務したこともあったけれど、“新しい技術が身につく”、“今までの大学病院とは患者さんの年代や雰囲気が違うから、接し方も違う”とか、学ぶことが多くって。楽しみのほうが大きかったですね。そういうところで、人生の底力みたいなものが増えたかもしれない。その場その場で精一杯やっていれば、道は開いてくるもんなんです」
不思議と、前向きに一生懸命やっていると、目の前に起こる出来事も、良いものになってくる、とたか子先生。
「私のお友達って、みんな強くてやさしい、尊敬できる人ばかりなんです。自分の心持ちによって、出会いが変わるっていうのはあると思いますね。私、激しい性格だから(笑)、人の好き嫌いってけっこうあるんですけど、“うえ〜、この人嫌だな”なんて思いながら無理して一緒にいたら、嫌なオーラが出てしまうと思うし、嫌なことが起こると思う。そういう時間は、過ごしたくないですね。逆に、“好きな人といたい、楽しく過ごしたい”と思っていると、嫌なものって、視界に入ってこないんですよ。そういうものと出会わなくなってくる。だから、なるべくいいことばかりを、考えて生きていきたいですね。それは意識しています。嫌なことが起きたら起きたで、理性的に解決すればいいんだから、まずは楽しいことを考える、今できることを精一杯する、それが一番だと思いますよ」
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久保田賢子先生
「たか子クリニック」形成外科・美容外科・皮膚科院長。
聖マリアンナ医科大学講師。
「患者さんの立場に立った、効果のみえる、実感できる治療」がポリシー。クリニックでは美しくなるための外来治療を、母校でもある聖マリアンナ医科大学では、乳房の再建手術などを行っています。
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