朝晩、冷え込むようになりました。そこで今回は、身体を芯から温める健康法、“岩盤浴”にスポットを当ててみました。
今や岩盤浴サロンは、すっかり全国レベルの認知度に。では、なぜそこまでのブームになったのでしょう? 単に「たっぷり汗をかいてすっきりする」からだけでない、その裏にはしっかりとした根拠が隠されていました。
岩盤浴とは、温めた天然鉱石の上に横たわる
お湯のない入浴法
のことで、身体が芯から温まり質のよい汗をたっぷり流せるのが特徴。
発祥の地は、湯治場として知られている秋田県の玉川温泉。お湯の源泉が地表近くまである玉川温泉は、お湯に浸かることなく地面に寝そべっているだけでいいことから、高齢者や病気を抱えた人にでも身体に負担がないことが大きなメリットです。そして、天然石を温めたときに放射される遠赤外線とマイナスイオンが身体を芯から温め、新陳代謝を活発にし、自然治癒力を高めます。また、ラドンガスを吸い込むことで傷ついた細胞を修復していく作用もあると言われています。
玉川温泉の鉱石は「北投石」です。北投石は、硫酸バリウムやラジウムから微量の放射線を放射する非常に貴重な天然石で、天然記念物に指定されています。
現在、多くの岩盤浴サロンで使用されている鉱石は、角閃石や天照石、ブラックシリカ、貴陽石、医王石、貴宝石など。さらに、ラドンガスを放射するプレートやゲルマニウムを組み合わせたオリジナリティある岩盤ベッドを使用しているサロンもあります。
岩盤浴で使用されている天然鉱石には、どれも遠赤外線&マイナスイオン効果があります。それぞれの鉱石が持つ特性もチェックしておきましょう。
角閃石
:
「不老長寿の水が沸く」という伝説がある天然鉱石。カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルが豊富。遠赤外線の放射率は約90%。消臭性にも優れる。石焼ビビンバに使用されている石。
天照石
:
大分県と宮崎県の県境で採れる天然鉱石。成分の90%が二酸化珪素。その珪素が結晶化したものが、皆さんもよくご存知の水晶。正確な波動や振動を発することで、体内のリズムを正常にすると言われている。また、酸化チタンの含有率が高いため、酸化を防ぐ効果も。
ブラックシリカ
:
黒鉛珪石とも呼ばれる北海道の檜山管内上ノ国町でしか採れない貴重な天然鉱石。常温での遠赤外線の放射率が90%前後もあるのが特徴。
貴陽石
:
群馬県産の貴陽石の特長は、高い遠赤外線の放射率に加え、他の天然石と比べて群を抜いてマイナスイオン発生率が高い。
医王石
:
石川県金沢市産の天然鉱石。良質なミネラルがバランスよく含有され、飲料水や食物の防腐作用があると言われている。厚生労働省の食品添加物として認可。
<番外編>
ラドン
:
ラジウム元素から放射される気体のことをラドンと呼びます。放射線=危険というイメージがありますが、微量の放射線を受けることで細胞が刺激を受け、毛細血管が拡張して新陳代謝がアップすると言われています。この効果を期待してオリジナルのラドンガスを放射する岩盤浴用のプレートも開発されている。
富士山溶岩
:
30種類以上ものミネラルを含有。特に亜鉛が多く含有され、新陳代謝を活発にさせて免疫機能をアップさせる効果が期待できる。
このように、岩盤浴に使用される鉱石は、種類も様々。
汗の専門家である五味クリニックの五味先生によれば、
「使用する天然石は施設によってまちまち。どの石がよいのか迷ってしまいがちですが、肝心なのは遠赤外線やマイナスイオンの両方が放出されていること。岩盤浴で使用されている鉱石は、ほとんどがそれに当てはまる天然石を使用しているはずですので、あまり神経質になる必要はありません。いろんな施設を試して、自分に合ったところを見つけるのも楽しいですよ」
五味先生は、
岩盤浴は汗をかくことが少なくなってきた現代人にとって、とても有効な健康法
とおっしゃいます。
「以前は、夏になると汗をかくことは当たり前でした。しかし、今はどこに行ってもエアコンが効いていて快適に過ごせます。汗をかかなくなると、汗腺は使われなくなり退化していきます。そうなると、汗の役割である熱を外に逃がして体温を調節する機能が十分に働かなくなります。その結果、人間の身体は、体内に熱がこもらないように低代謝で対応するようになるのです。この悪循環が、免疫力の低下や血行不良などさまざまな機能の低下を引き起こし、さらには、病気を招くことに。汗をかくことは人間にとって大変重要なことなのです」
岩盤浴でかく汗はなぜ“質のいいサラサラ汗”と言われるのでしょう?
岩盤浴に行ったことのある人はおわかりだと思いますが、室温が約40℃、湿度が60〜70%に保たれた岩盤浴は、息苦しさもなくサウナと違ってどっと吹き出るような汗ではありません。じわじわと少しずつかくのが特徴です。
「一度に大汗をかくと代謝に必要なマグネシウムなどのミネラルが汗と一緒に失われます。ところが岩盤浴でかく汗は、ミネラルの排出が最小限に抑えられるため、濃度が薄くサラサラしています。また、マイナスイオンの界面活性作用により、汗を大きな粒になるのを防いで小さな粒=蒸発しやすい汗になるのです。これが質のよいサラサラ汗と言われる理由です」
(五味先生)
「たっぷり汗をかいた後でもシャワーを浴びなくていい」理由とは?
岩盤浴サロンに行くと、“シャワーを浴びないでOK”と言われます。その理由は、前述のサラサラ汗に関係があるようです。
「岩盤浴でかく汗と皮脂がよい皮脂膜となって、天然の化粧水の働きをします。しかも、岩盤浴でかく汗は、サウナでかく汗と違ってニオイ成分が含まれておらず、遠赤外線やマイナスイオンに殺菌作用もあるので、雑菌の繁殖を防ぐ効果もあります。そんな天然の保湿剤を洗い流してしまうのはもったいないという訳です」
(五味先生)
※ある週刊誌に「“岩盤浴の後にシャワーを浴びないで“は大嘘だった」という記事がありました。これは、岩盤浴の設置業者の都合でシャワー台数を抑え、衛生管理が行き届いていないために利用者が湿疹を起こしたという内容です。
「衛生管理を徹底しているサロンにとっては身に覚えのない話で相当迷惑な話だろうと思いますが、岩盤浴に関わる全ての人が
衛生管理意識
を持つよいきっかけになったと考えれば、将来的にはプラスになるでしょう」
と五味先生。
シャワーを浴びるか否かについては、個人の嗜好の問題です。汗をかいてシャワーを浴びなければ気持ちの悪い人は浴びるのがよいでしょう。また、汗を肌に馴染ませてその効果を期待したい人は、タオルで汗をよく拭いた上で帰宅してから数時間後シャワーを浴びることもいいでしょう。ただし汗に敏感な肌の人は湿疹ができることもありますので、岩盤浴直後に石鹸でよく洗い流すようにしましょう。経営者側の衛生管理意識をレベルアップすることは当然のことながら、利用する側の私たちも、「どのような消毒をしているか」を事前に確認をすることも必要かもしれませんね。
最近では、岩盤浴プラスαの施術が受けられる岩盤浴サロンが続々と登場しています。そこで、きれいねネット編集長とライター中村の二人は、その効果の程を体験してきました。お邪魔したのは、オシャレな街代官山にある「癒園」という岩盤浴サロン。
「癒園」の岩盤浴に使われている岩盤ベッドは、角閃石と玉川温泉の北投石の約1.5倍のラドンガスを放出すると言われるラジウムイオンプレート。さらに、ゲルマニウムセラミックとヒーリング効果の高い20種類の色とりどりの美しいパワーストーンで構成されています。
編集長は、日頃の疲れを癒すためにBasicコース(岩盤浴30分+ボディトリートメント60分 ビジター価格¥21,000)を。ライター中村は、お肌のハリを復活させるべくPrecise(プレサイス)¥コース(岩盤浴30分+フェイシャルトリートメント60分 ビジター価格¥22,050)をお願いすることに。
STEP1:
岩盤浴30分
まずは、浴衣に着替え。
うつ伏せで5分→仰向けで10分が1セット。その間、手渡されたオキシゲンウォーター(酸素水)をごくごく飲みながら発汗を促す。二人とも代謝がいいせいか、みるみるうちに粒子の細かい汗がじわっと出始め、腕を見るとキラキラと光って眩しいくらい!
10分間の休憩タイムの後にもう1セットを行う。
終わってみると浴衣は汗でびっしょり!
STEP2:
ボディトリートメント編
着替えを済ませたら、いよいよトリートメントに。岩盤浴で芯から温まった身体は、心地よい脱力感に包まれているといった感じ。「この先どんなリラクゼーションが待っているのかな?」ワクワクしながら、トリートメントルームに。
ライトダウンされ、心地よく冷えたトリートメントルームは、岩盤浴でかいた汗がすーっと引いてとても気持ちがいい! 軽く汗を拭いてからうつ伏せになり、いよいよトリートメントがスタート。足裏から太もも、背中へと丁寧にオイルを塗りながら、セラピストの手がリズミカルに動いていきます。
編集長、仕事であることをつい忘れて、ついうとうと…。
フェイシャルトリートメント編
着替えを済ませ、クレンジングで肌の汚れを丁寧に取り去り、顔からデコルテまでのオイルトリートメントがスタート。しっかり汗をかき、老廃物や汚れが排出されたため、オイルがぐんぐんと染み込んでいく感じ。エッシェンシャルオイルの心地よい香りとセラピストの滑らかにすべるハンドテクニックは、まるで夢心地。
トリートメント後、鏡を覗いてみると乾燥気味で潤いのなかった肌が、みずみずしいツヤ肌に!
トリートメントを終えて…
トリートメントを終えてお互いの顔をじっくり観察すると、二人とも「癒園」を訪れる前とは明らかに別人のよう。肌の色艶がよくなったのはもちろん、抱えていた疲労やストレスがすっかり吹き飛んでしまったような爽快さが表情にも出ていました。
岩盤浴が身体によいことはわかりました。でも、「近くに通える岩盤浴がない」、「定期的に通うのは難しい」といったケースもあることでしょう。そこで、五味先生にいい汗をかける
発汗汗腺トレーニング
を教えていただきました。
1.
43〜44℃くらいの熱めのお湯を張り、手足だけが浸かるようにして10〜15分待ちます。5分ほどで大量の汗が出てくるでしょう。これは、汗腺を目覚めさせるトレーニング法。
2.
1.の浴槽にぬるいお湯を足して36℃程度にします。そこにお酢を加え10〜15分ほどリラックス。発汗作用のあるお酢が、汗腺機能を回復します。
3.
お風呂から上がったら、汗をふき取り黒酢やリンゴ酢、クエン酸ドリンク、ショウガドリング(すりおろしたショウガにはちみつを加え、お湯で溶く)で水分補給します。
発汗汗腺トレーニング
を2〜3週間続ければ、全身から汗をかけるようになるそうです。是非、試してみてください。
■取材協力/
五味クリニック 五味常明院長
昭和大学医学部卒業。医学博士、
日本診療外科研究会代表、体臭・多汗研究所所長。
「デオドラント革命」「もう汗に悩まない」など多くの著書がある。
住所:東京都新宿区百人町1-10-12
電話:03-3368-5126
営業時間:10:00〜18:00(受付)
休診日:日曜・祝日
HP:
http://www.gomiclinic.com
参考著書/岩盤浴の秘密(ハート出版)
Jewel Therapy岩盤浴 癒園 ION
住所:東京都渋谷区猿楽町28-10モードコスモスビルB1
電話:0120-245-213
営業時間:11:00〜20:00(受付)
HP:
http://www.detox-ion.jp/
writer's eyes
岩盤浴は、私にとってある意味チャレンジでした。というのは、サウナは何度かトライしたものの、どうしても行き苦しくて数分が我慢の限界。酵素風呂では、立ちくらみで倒れてしまったという苦い経験もあったので…。でも、岩盤浴は私の心配を見事に裏切ってくれました。初めてあれほどの大汗をかいたにも関わらず、汗はさらりとしていてニオイもなし。これならサウナが苦手な人も安心して入れるはずです。さらに嬉しいことに、岩盤浴とトリートメントとの相乗効果絶大!身体が更に元気を取り戻し、お肌までみずみずしく潤いました。
(
中村千夏
)
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